2018.04.04

マウスピース矯正研修講師の穴沢有沙と申します。

第3回の今回はチーム医療での要についてお話します。(前回の記事はこちら


1.チーム医療での主役とは

質問です。
先生がクリニックで新しく取り入れたい治療法がある時、どうされますか?

新たに道具を揃え、システムをつくり、スタッフへ伝える。

治療法、器具の取り扱い、滅菌方法…歯科スタッフが携わる部分が大きく、協力が必要ではありませんか?



現場のスタッフはどうでしょう。

「また先生が新しいことやりはじめた」
「仕事が増える」
「在庫管理が大変」

など、ネガティブイメージが先に思い浮かぶ、という声を良く耳にします。

マウスピース矯正においても、同様のことが起こりえます。
どうしたら、気持ちよくスタッフが協力してくれるのでしょうか。仕事だから当たり前?

もちろんそうですが、自主的に取り組むのと、命令されてしぶしぶ行うのとでは結果が目に見えて違ってきます。

では、どうしたらいいのでしょうか?

その鍵は「スタッフを主役にする」ことにあります。


2.インビザライン治療を成功に導くキーワード

一般的に歯科治療は歯科医師が治療計画を立て治療をする、「術者主導型」で進んでいきます。
しかしインビザライン治療は、アライナーをはめなければ歯が動かない「患者依存型」です。

つまり、インビザライン治療を成功に導くキーワードは「患者協力」です。
「自分で矯正治療を望んでいるんだから、ちゃんとやるでしょ」というのは、私たちのおごりと言ってもいいくらいです。

「高いお金払っているんだから、治るのが当たり前でしょ」と思っている患者さんが、少なからずいるのが実際のところです。

ではどうしたら患者協力を得られるのか?

そこで大きな役割を果たすのが、スタッフの方々です。

ただ作業的に装置の使い方を説明して終わり、ではなく目の前の患者の性格やライフスタイルを聞き出し、感じ取り、ストレスなくアライナー生活を送ってもらえるようにお手伝いをする。

同じ目線で話せるスタッフだからこそできる役割です。



考えてみてください。

毎日デンタルフロスをし、歯間ブラシをし、3か月に一度歯科検診に行っている歯科医療従事者がどれほどいるでしょうか。
口腔ケアにおいて補助用具や定期検診の必要性を理解し、日々患者さんに説明している私たちでさえ100%できているわけではないのです。

アライナーを渡された患者さんが、今までの生活で、まったく縁のなかったマウスピースをすぐに使いこなせると思いますか?いくら矯正治療を望んだと言っても、新しいものを習慣にすることが容易ではないことは、想像すれば簡単に分かることです。

患者さんに寄り添い、患者さんの立場に立って助言ができるスタッフがいれば、アライナー治療中多少つまずいても、患者さんは自分自身の意思で治療を最後まで達成することができます。

そして、患者協力をサポートできるスタッフはやりがいを感じ、自主的に行動をします。
きっと先生の力になってくれることでしょう。

矯正治療の主役はもちろん患者さんです。

しかし、患者さんを幸せにするチーム医療の力を最大限に発揮するには、スタッフを主役にすることが大切ではないでしょうか。


著者


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マウスピース矯正のチーム医療とは?

第1回「矯正治療に対する患者のイメージ」
第2回「矯正治療のネガディブイメージを払拭するには」
第3回「チーム医療の要」