2018.04.04

こんにちは。
マウスピース矯正研修講師の穴沢有沙と申します。

第1回の前回は「矯正治療に対する患者のイメージ」についてお話しました。 (前回の記事はこちら
以下は前回からの引用です。
「歯並びは良い方がいい」
「しかし歯列矯正は痛そうだし、目立つしネガティブなイメージ」
「矯正したら自信がついた!」
ということは、ネガティブなイメージの「痛そう」「目立つ」という部分を解消してあげられれば、コンプレックスを抱えている多くの人を幸せにできるのではないでしょうか。

今回は、この“ネガディブなイメージ”をどのようにして解消するかについてお話したいと思います。
いくつか方法を考えてみましょう。


1つめのハードル「痛そう」

まずは「痛そう」のイメージについてです。
歯列矯正経験のある方でしたら、当時の痛みが思い出せるのではないのでしょうか。

私はインビザラインでの矯正経験しかありませんが、矯正力がかかり歯が押されるような痛みや、ぐらぐらしている歯で食事を取るときのなんとも言えない軋む感じは、今でも臨場感あふれる表現で伝えられます。

「矯正治療中はなぜ痛いのか」については教本にも載っていますので説明できますし、今ではインターネットでも破骨細胞や骨芽細胞についての詳しい説明が図説付きで載っていますので、患者自身でも調べることができます。

しかし、

「どれくらい痛いのか?」
「どのような時に痛いのか?」
「対策は?」
「食べてはいけないものは?」

など、実際に矯正治療を想定した、より生活に根差した質問に自信をもって答えられるでしょうか。

もちろん痛みには個人差もありますが、自分にはわからない痛みを患者が感じている…。「仕方がない」で終わらせてしまっては、患者はひとり寂しい戦いを強いられているような感覚に陥ることでしょう。

すべての歯科医師や歯科スタッフが矯正治療を経験することは難しいかもしれません。
しかし、クリニック内で何人かが経験し、その体験を共有することはできます。義歯やインプラントなどの補綴処置に比べ、矯正治療を体験することは現実的ですよね。

専門家である私たちが経験することでより詳しく細かく表現ができ、共有する仲間は患者説明の際に表現力豊かに伝えられることでしょう。


2つめのハードル「目立つ」

続いてもうひとつのハードル「目立つ」というネガディブイメージ。
インビザラインを扱うアラインテクノロジー社によると


「どんな装置があれば治療したいか」の質問に対して

「目立たない装置」が65.0%と、「痛みが少ない装置」49.5%を上回っています。

では目立たない装置の認知度はどうでしょう。


舌側矯正、マウスピース矯正ともに日本での認知度はこんなにも低いのです。

「目立つのが嫌だから、歯並びは気になるけれど矯正治療は受けたくない」という方が
目立たない装置があることを知ることができれば、もっと矯正治療のハードルは下がるのではないでしょうか。

そのためには私たち医療従事者側が、情報提供する必要があります。

クリニックのホームページで?

もちろんそれも必要でしょう。

でも一番効果的に伝わるのは、やはりチェアサイドです。

信頼する歯科医師が、歯科スタッフが、歯並びの機能的・審美的問題点を指摘し、矯正治療の必要性と装置の特徴を伝える。
そうすることで選択肢は広がり、患者の人生を変えることができるかもしれません。

「これくらいの歯並びなら患者は気にしないかもしれない」
「自費治療は高額だし、この患者はきっとやらないだろう」

わたしたちの“思い込み”で、患者さんのきっかけを無くさないようにしたいものです。


著者


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マウスピース矯正のチーム医療とは?

第1回「矯正治療に対する患者のイメージ」
第2回「矯正治療のネガディブイメージを払拭するには」