2018.05.01

前回までのコラムを通して、双方のコミュニケーションを繋ぐ柱である “笑顔” の大切さをお伝えいたしました。

皆様の笑顔が、患者様の心を開くきっかけになり、患者様はご自身のことを開示していくことに繋がっていきます。

今回は、心に響くコミュニケーションに必要なこととして、笑顔で どう患者様に接していくか、をお伝えしていきたいと思います。

幾つもの要素があるとは思いますが、その中で私が最初のステップとして大切だと思うこと、それは患者様に対して「あなたのことを認めています、大切に思っています」というメッセージを送るということです。

アメリカの心理学者、アブラハム・マズロー博士は欲求段階説を階層によって理論化しました。

その中の第四階層に、「承認欲求」があります。これは自分が集団から価値ある存在だと認められ尊重をされることを求める欲求です。

人は誰しも人に認めてほしいと思っています。
例えば、挨拶をされるとどんなお気持ちになりますか? 挨拶もその承認欲求を満たす大切な役割をしています。
挨拶をされる、することで双方の気持ちが満たされ、清々しい気持ちになります。



治療期間の長い矯正治療においては、患者様がその期間常に気持ちが前向きだとは限りません。

治療を始めるきっかけは人それぞれ違いますが、時には治療に対してモチベーションが上がらず、中だるみのような感覚を味わう方も少なくありません。

来院する度に患者様へ矯正治療を行って良かったと思って頂くコミュニケーションをとる必要があります。
そう思って頂くためには、患者様お一人お一人に合った、カスタマイズしたコミュニケーションをすることが大切です。

患者様とのコミュニケーションには、大きく分けて二つの内容があります。


1.治療についてのコミュニケーション

まず、その患者様が今どのようなお気持ちなのかを察してそのお気持ちを認め、そして今までの頑張りを認め、治療の最終ゴールまでの道のりを指し示してさしあげること、です。

ここでは、患者様がご自身の中でそのイメージを創り上げることができるように話を進めていくことが大切です。


2.治療以外のコミュニケーション

これをいかに円滑に行えるかどうかによって、治療へのモチベーションが異なってくる重要な部分です。

今までの会話から、患者様のプライベートな部分に触れることもあるでしょうし、患者様の性格も少しずつ掴めてきます。

前回までに行った会話の内容をメモし、前回の治療から今回の治療がまるで繋がっているかのような感覚を持っていただけるような会話をしてみると、患者様のお気持ちもかなり満たされると思います。

例えば、前回の話で「夏休みの旅行で沖縄に行く」と言う内容の話をしていたら、それを今回に聞いてみます。「沖縄どうだった?」と言う風に繋げてみます。



患者様の多くは、歯科医院にとって数多くの患者様の中の一人にすぎないと思われています。

そこで、患者様お一人お一人を大切にしている気持ちを伝える必要があります。
患者様と交わした会話の中には、患者様の気持ちを掴むヒントが数多く詰まっています。

そこで現れたヒントを活かすためには、その内容を覚えてつなげていく。そのようなコミュニケーションが患者様に対して「あなたを大切に思っています」というメッセージをお伝えできるポイントであると思います。

次回は、今回お話した、患者様への「あなたを大切に思っています」というメッセ―ジを更に深めていく為にはどうしたら良いかという内容のお話をしていきたいと思っております。


著者



矯正歯科医院必須のコミュニケーションとは?

第4回 治療中の患者様とのコミュニケーション①