2018.04.06

歯科先進国として有名な、北欧の一国・スウェーデン。

今日でこそ「世界で最もむし歯が少ない国」として一般の方にまで広く認知されるようになりましたが、ここにいたるまでの経緯は決してスムーズなものではありませんでした。

スウェーデンにもかつては、齲蝕や歯周病に苦しめられた時代があったのです。
そのつらい歴史を経て、1970年代に「予防歯科」を国をあげての一大プロジェクトとして立ち上げたのが、スタートでした。

では、スウェーデンが「予防大国」と呼ばれるまでに発展したポイントは、どこにあったのでしょう?

スウェーデンで予防がここまで浸透してきた舞台裏には、「受診の義務付け」など政府による積極的な働きかけが大きく影響しているのはもちろんですが、それ以上に、

 ● 歯科医師によるプロケアと、患者さん自身によるセルフケアのバランスを保つ
 ● 患者さんの個性(パーソナリティー)を尊重して、診療プランを提案する

という診療コンセプトが、キーワードになっているといえます。

事実、スウェーデンの子どもたちにとって歯科医院は「歯と口の健康について楽しく学ぶ場所」であり、歯科医師は「頼れるパートナー」「(自分の歯と口を守ってくれる)優しい先生」という認識のようです。

では、日本ではどうでしょう? 歯科医院を「痛い治療をされる怖いところ」とネガティブに捉え、歯科医師を怖がってしまう子どもは、残念ながら大勢います。

大人でも、自発的に定期健診に通ってくださる患者さんはまだ少なく、「痛くなったから、仕方なく治療に行く」という方がほとんど…。

スウェーデンの予防の特徴や強みは、同時に日本の予防との決定的な違い(=日本の予防の弱点)であるといえるでしょう。
しかし、だからからこそ私たちは、スウェーデンの診療スタイルから多くを学ぶことができるのです。

次回は、予防大国・スウェーデンの臨床スタイルです。

著者



「健康」を「財産」へ変えられる歯科衛生士を目指して

第1回 歯科衛生士の世界へようこそ!
第2回 患者さんのニーズについて
第3回 スウェーデンが予防大国と呼ばれるまでに