研究所で働く歯科衛生士 小原由紀さん『東京都健康長寿医療センター研究所』(前編)

インタビュー

研究所で働く歯科衛生士 小原由紀さん『東京都健康長寿医療センター研究所』(前編)
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2019.12.03

歯科衛生士免許を取得している方の中には、「研究所で働く」という道を選んだ方々がいます。

平成28年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況によると、『その他』に就業する歯科衛生士は全体の0.4%と、非常に希少な存在です。

dStyleでは、今までに学んだ知識をさらに深め、研究所で働く歯科衛生士として活躍する方にインタビューを行いました。

歯科医院とはまた違った環境で働く魅力について、語っていただいています。


***


今回は、東京都健康長寿医療センター研究所に勤める小原由紀さんにお話を伺いました。

歯科衛生士歴22年目の小原さんは、歯科衛生士として一般歯科に勤務したのち、ワーキングホリデーを使ってニュージーランドへ半年間滞在。

帰国後は再び一般歯科に勤務し、さまざまな患者さんと関わる中、全身疾患のこともしっかりと学びたいと考えるように。そこで、母校である東京医科歯科大学歯学部附属の歯科衛生士学校が4年制(歯学部口腔保健学科口腔保健衛生学専攻)になったことをきっかけに、一般歯科を退職し、大学へ入学しました。

大学卒業後は修士課程、博士課程を修了し、同大学の教員として5年間勤務。今年の4月からは東京都健康長寿医療センター研究所に勤め、オーラルフレイルの研究をメインに行っています。

東京都健康長寿医療センター研究所 小原由紀さん
東京都健康長寿医療センター研究所 小原由紀さん


ワーキングホリデー中に出会った、日本人歯科衛生士

歯科衛生士という仕事に行き詰まっていた私は、歯科衛生士4年目のときに一度仕事を辞める決断をしました。そして、以前から興味のあったワーキングホリデーで、半年間ニュージーランドに滞在していました。

ある日、現地で読んだフリーペーパーに、「ニュージーランドで活躍する日本人」として、ある歯科衛生士の方が取り上げられていました。

見開き3〜4ページにもわたる記事から、歯科衛生士としてのプロ意識が伝わり、とても感銘を受けました。私は、記載されていたメールアドレスに早速連絡し、「歯科衛生士を辞めようと思ってニュージーランドに来たが、記事を読んでもう一度歯科衛生士として働いてみたいと思うようになった」ということを伝えました。

すると、すぐに返事を返して下さり、、「歯科衛生士の話をしっかりと聞いてくれる歯科医院を根気よく探した方が良いよ」とアドバイスをいただきました。

その言葉を胸に、帰国後は何軒もの歯科医院に面接に行き、ようやく自分が納得して働ける場所を見つけることができました。

ニュージーランド滞在中の小原さん
ニュージーランド滞在中の小原さん


大学編入に興味を持ったきっかけ

帰国後に勤務した歯科医院では、ご自身の体調やご家族の介護といった事情で来院できなくなってしまうという高齢の患者さんに度々遭遇しました。

そんな中、シェーグレン症候群の患者さんを担当したことをきっかけに、口腔乾燥症について興味を持ち、「歯科だけでなく、全身疾患のことももっと学びたい!」と思うようになりました。

ちょうどその頃に母校が4年制になると聞き、29歳のときに大学へ編入することを決めました。


大学生活について

在学中は、大学の海外研修奨励制度を利用して、1ヶ月間単身でスウェーデンに滞在しました。

マルメ大学とカールスタッド大学で研修し、研修中はさまざまなクリニックに見学へ行きました。見学に行った歯周病専門のクリニックでは、多くの患者さんがメインテナンスや予防を目的に歯科衛生士のアポイントをとっていました。スケーリングやPMTCはもちろんのこと、歯科衛生士が行う禁煙指導でさえ自費で行われており、大きな衝撃を受けましたね。

他にも、学生の堂々とした姿やスウェーデンの歯科衛生士のプロ意識、モチベーションなど、さまざまなことに刺激を受けて帰ってきました。

スウェーデン研修でお世話になった歯科衛生士の方々と小原さん
スウェーデン研修でお世話になった歯科衛生士の方々と

その後、4年生の卒業研究では、編入前から興味を持っていた口腔乾燥症について研究しました。杉並区の保健所や介護老人保健施設などの施設を訪問し、高齢者の唾液量と服用薬、QOLの状態をデータとして集めました。

いろいろと至らない点も多い研究でしたが、データを集めて分析したことが「論文」というひとつの形になる、「研究」のおもしろさを実感することができました。


東京都健康長寿医療センター研究所との出会い

卒業研究で達成感や楽しさを味わったことから、高齢者の口腔保健に興味を持った私は、大学院修士課程に進学しました。

修士課程では、東京都老人総合研究所(現在の東京都健康長寿医療センター研究所)で、1,300人弱の高齢者の女性を対象に、口腔乾燥のデータをとり論文にまとめました

もともとは、修士課程が終わったら臨床に携わりたい気持ちもあったため、博士課程に進むことは考えていませんでした。しかし、研究所でお世話になった先生からの助言もあり、さらに4年、歯学博士を目指して博士課程に進むことを決めました。

博士課程に進んだことで、またさらにたくさんの方々に研究でお世話になったり、学会のシンポジスト市民向け講座の講師によんでいただけたりと、たくさんの経験を積ませていただきました。

そして博士課程が修了した後は、母校である東京医科歯科大学の常勤の講師になりました。

しかし、大学院時代に味わった研究のおもしろさや奥深さが忘れられず、今年の4月から東京都健康長寿医療センター研究所で常勤の研究員として働いています。当時、博士課程へ進むことをアドバイスしてくださった先生は、今では私の上司です!

高齢者の口腔乾燥のデータをとる小原さん
高齢者の口腔乾燥のデータを採取する様子


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今回は、小原さんが東京都健康長寿医療センター研究所に入所するまでの歴史を語っていただきました。

次回は、現在の働き方や、取り組んでいることについてご紹介します♪お楽しみに!

この記事を書いた人
dStyle編集部

dStyleは国内最大級の歯科医療従事者向け情報サイト『WHITE CROSS』の姉妹ブランドとしてスタート。メンバーは歯科医師・大手人材会社・歯科関連企業出身者で構成されており、“歯科と人材ビジネス”両方のプロフェッショナルが、転職にまつわる情報や、歯科業界ではたらく上で役立つ情報を発信していく。



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