わたしのDHスタイル #17 前池綾乃さん『Web講師として歯科衛生士教育を行う』

インタビュー

わたしのDHスタイル #17 前池綾乃さん『Web講師として歯科衛生士教育を行う』
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2019.11.28

歯科衛生士は社会的価値の高い大切な職業であり、この社会になくてはならない存在です。

dStyleでは、今まさに臨床の現場ではたらいている方々にスポットライトを当て、等身大の歯科衛生士ライフを語っていただきました。

このインタビューが、歯科業界で輝くきっかけになれば嬉しいです。


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今回は、歯科衛生士歴13年目の前池綾乃さんにお話を伺いました。

現在、オンライン上で歯周治療に関する講義や指導を、歯科衛生士向けに行っているという前池さん。3人のお子さんの子育てをしながら、としな歯科医院に勤務し、NDL mint-seminarの公認インストラクターも務めています。

歯科衛生士 前池綾乃さん
としな歯科医院 前池綾乃さん


Web講師として働こうと思ったきっかけ

3人目の子どもを妊娠したことが大きなきっかけです。

子どもが2人のときは、ある程度大きくなったら、臨床も増やし、セミナーインストラクターとして全国で活躍しようと思っていました。しかし、3人目を妊娠したとき、子どもの預け先や、家族の生活スタイルについてあらためて考えることになりました。その結果、仕事でバリバリ活躍できても、子どもと関わる時間が少なくなるような働き方は、自分も家族も望んでいないことに気づきました。

もともと40歳になったら自分の事業を持ちたいと考えていたため、子どもが急に保育園を休んでも在宅で行える、オンラインでの仕事の構築を考えました。


オンラインセミナーの魅力

セミナーインストラクターはやりがいがある反面、受講生との関わりが単発的になってしまうため、私は長期的なフォローをしたいと考えました。

受講生が、セミナーで知識や技術を習得しても臨床現場で再現できなかったり、患者さんの歯周炎を治せなかったりする原因は、技術的な問題だけではありません。「周りに教えてくれる先輩がいない」「ひとりで勉強している」「意欲的でないスタッフの中で働いている」といった悩みを抱えている方は多く、スキルアップするためには、みずから問題を解決する力を身につけることが必要です。

私のメインとする講座では、まず歯周炎がなかなか治らない担当患者さんの資料を提出していただきます。そして受講生の足りない視点をフォロー、改善していき、最後にはプレゼン発表をしていただきます。このように、知識を与えるという一方通行な指導ではなく、その方の強みを引き出し、得意分野をのばすコーチであることを意識しています。

オンラインセミナーの様子
オンラインセミナーの様子


はたらく中で、うれしかった出来事

歯科衛生士としては、やはり担当患者さんに口腔内環境がよくなったと喜んでもらえたときですね。患者さんと長く関係を築き、歯科の話だけでなく、世間話やご家族の成長に関わる話ができることで、やりがいも感じられます。

講師としては、実習生や若い歯科衛生士の方など、スキルアップに携わった方々のマインドが変わることや、前に進む後押しができたときが嬉しいです。私のブログを見た方からは、たくさんの悩みや感想、近況を報告してもらえるので、あらためてWeb講師として活動していて良かったと感じられます。

臨床現場で指導する前池さん
臨床現場で指導する前池さん


仕事をする上でこだわっていること

患者さんには、信頼関係を構築することを第一に、初診時のインタビューや治療計画の立て方にとくに気をつけて日々の臨床を行っています。

また、できるだけ痛みがなく、歯周炎を早く改善するためにも、私は普段から無麻酔でSRPを行っています。

SRP時に麻酔を行わなければいけない場合というのは、歯肉に強い炎症があり、出血が多いというような状況です。私はSRPをする際、歯肉の炎症をできるだけ抑えた状態で行えるように、セルフケアによるプラークコントロールを徹底します。

また、麻酔下でSRPを行うと患者さんが痛みを感じにくいため、歯石と一緒に内縁上皮まで除去してしまうおそれがあります。その場合、術後に疼痛が出てしまったり、歯肉退縮が起こってしまったりと、トラブルにつながる可能性があります。患者さんのそういった術後の負担を軽減させるためにも、無麻酔でSRPを行えるよう日々研鑽しています。

診療中の前池さん
診療中の前池さん


今までの人生の中で、やっておいてよかったと思うこと

私は歯科衛生士学校に入学する前、歯科助手として4年勤務していました。勤務先の院長や歯科衛生士の方々には、さまざまな治療の流れや器具の使用目的など、歯科の知識をたくさん教えてもらいました。

その方々の指導のおかげで、患者さんには一通りの治療説明ができるようになり、院長には「きみは必ず先輩たちを抜く、すごい歯科衛生士になる。」と言ってもらうことができました。

また、一般の自己啓発セミナーに参加したことや、コーチングについて学んだことで、自分自身の何を活かして社会貢献していくかについて考えることができました。ほかにも受講生の能力の引き出し方やサポートする方法、関わり方についても学べたので、とても良い経験になりました。

その経験を生かし、経験が浅い受講生の方でも短期間でスキルアップし、身に着けた知識や技術を臨床現場で発揮できるような関わり方を意識しています。


お気に入りの器具

私は普段SRPを行う際、用途に応じて、NDLミントキュレットアメリカンイーグルヒューフレディーLMのキュレットを使い分けています。

前池さんが愛用するさまざまなキュレット
前池さんが愛用するさまざまなキュレット

たとえば、MINTキュレットは、小さな歯石が沈着しているだけで力をあまりかけたくないときや、ルートプレーニングを行うのに適しています。他社製品に比べブレードが小さくつくられているため、歯肉がタイトな方でも歯周ポケット内に挿入しやすく感じます。

それとは反対に、アメリカンイーグルやヒューフレディーのキュレットは、硬くて大きい歯石を除去しやすいですね。

また、LMユニバーサルキュレットは隅角部の歯石が取りやすいため、こちらも愛用しています。


おすすめの勉強方法

SNSは絶対にするべきだと思います!自分の行動範囲だけでは知りえなかった方に知り合えるからです。気になる方がいたら、勇気を出して自分からメッセージを送ってみてください。会いたい人や尊敬する人がいればセミナーに参加したり、行ってみたい歯科医院には足を運んだりと、みずから行動を起こすことが大切です!

また、学んだことは自分の中だけにとどめておかず、アウトプットすることで本当の学びになると思います。

とくに歯科医院に費用を負担してもらってセミナーに参加する場合は、受講内容を報告書にまとめ、5〜10分でも院長先生やスタッフと共有する時間を設けてほしいです。SNSを使って発信することも、アウトプットのひとつだと思います。

日々のスタッフとのコミュニケーションの中でも、アウトプットは可能です。患者さんへの対応や手技のことなど、診療に関わる話をするだけでも自分への良いフィードバックになるのではないでしょうか。



現在取り組んでいること


患者さんの歯周炎を確実に治せる歯科衛生士や、保健指導で活躍できるママ歯科衛生士を増やしたいと考えています。

オンラインセミナーは私と同じような、ママ歯科衛生士が気軽に学べる場にしたいんです。通常のセミナーは日曜日に開催されることが多く、子どもをあずけて参加しなければいけません。また、遠方なら高い交通費と時間をかけて参加するため、さらにハードルが高くなります。しかし、オンラインなら自宅で受講でき、平日に開催しているため、子育て中の方でも参加しやすくなります。

ママやパートでも、自分を高めたい。歯科医院に良い影響を与える人になりたい。そんな風に考えている方に受けていただきたいですね。

セミナー受講生のお子さんとコミュニケーションをとる前池さん
セミナー受講生のお子さんとコミュニケーションをとる前池さん
この記事を書いた人
dStyle編集部

dStyleは国内最大級の歯科医療従事者向け情報サイト『WHITE CROSS』の姉妹ブランドとしてスタート。メンバーは歯科医師・大手人材会社・歯科関連企業出身者で構成されており、“歯科と人材ビジネス”両方のプロフェッショナルが、転職にまつわる情報や、歯科業界ではたらく上で役立つ情報を発信していく。



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