訪問歯科で働く魅力 第5回『フリーランスの訪問歯科衛生士として活躍する』

シリーズ

訪問歯科で働く魅力 第5回『フリーランスの訪問歯科衛生士として活躍する』
歯科専門求人メディア TOPへ戻る > 記事 > シリーズ > 訪問歯科で働く魅力 第5回『フリーランスの訪問歯科衛生士として活躍する』
2019.10.24

こんにちは、歯科衛生士の宮本友未です。

私は、訪問歯科に約7年従事した経験を活かし、「一般社団法人エンパシティックライフ」の代表理事として、訪問口腔ケアができる歯科衛生士の育成を日々行っています。

訪問歯科や口腔ケアを拡充するために、訪問歯科の立ち上げにおいてのコンサルティング業務や、病院・施設での口腔ケア研修も行っています。

この連載では、今までの経験を通して感じた、歯科衛生士として訪問歯科で働く魅力を、みなさんにお伝えできればと思っています!

エンパシティックライフに所属するメンバーと筆者(左から2番目)
エンパシティックライフ主催のイベントに集まってくださった歯科衛生士さんたちと筆者(左から2番目)


一般社団法人エンパシティックライフとは?

私たちの法人では、なんらかの理由で歯科医院まで来院できなくなった患者様に対し、ご自宅や施設において、訪問歯科診療や口腔ケア、口腔リハビリテーションを行っています。患者様に少しでも長く「自分の口で食べていただけるようにすること」が目標です。

そして、この活動を支えてくれているのは、フリーランス歯科衛生士のみなさんです。

現在、歯科衛生士の国家資格保持者の6割が、歯科衛生士として勤務していないという現状があります。

それには、“子育てをしていると歯科医院の勤務時間に合わせられない”、“歯科医院の勤務だけでは必要とする収入を稼ぐことがむずかしい”、“歯科衛生士の仕事にやりがいを感じられない”など、さまざまな理由があるようです。

私は、カウンセラーとしても活動しているので、そのような悩みをもつ歯科衛生士の方々から、たくさんの悩みを聞かせていただきます。その度に、せっかく取得した歯科衛生士の国家資格が十分に活用されないのは、とてももったいないと切に感じます。

そこで、歯科業界全体がこれだけ歯科衛生士不足で苦しんでいる現代だからこそ、問題にきちんと向き合わなければならないのでは?と考え、この法人を立ち上げました。

エンパシティックライフ主催の勉強会の様子
エンパシティックライフ主催の勉強会の様子


ワークライフバランスについて考える

私は、5人の子どもたちの子育てをしながら、歯科衛生士の仕事を続けてきました。

しかし、妊娠中や出産後は、自分自身の意思とは無関係に、思うように時間を確保することができず、苦労することもありました。子どもを育てることと、仕事で責任を果たすことが、うまく両立できればどんなに良いか…そんな風に悩みながら過ごしていました。

ワークライフバランスというのは、あくまでバランスをとるというだけで、そもそも「ワーク」と「ライフ」をうまく両立することは容易ではないというのが、私の中のまぎれもない実感です。

そのため、個人の努力だけではなんともならない領域があるのであれば、それを解決する仕組みをつくり、社会に根づかせていく必要があるのではないか、と私は考えています。


イキイキと働く歯科衛生士の笑顔を守る

「訪問歯科」という歯科衛生士として活躍できる新たなフィールドと出会い、イキイキと活動しはじめている歯科衛生士たちの笑顔を守るために、今後も私たちは活動を続けていきたいと思います。

そして、これまでなんらかの理由で、せっかく取得した歯科衛生士の国家資格を有効に活用できていなかった方々にも、“もう一度歯科業界で頑張ってみよう!”と思っていただける機会を提供していきたいです。

講演中の筆者
講演中の筆者


訪問歯科で活躍している歯科衛生士に聞きました!

最後に、私たちが訪問歯科のスタートアップコンサルティングでお手伝いさせていただいている、ハリヨ歯科様に勤める笹野愛子さんからのコメントをご紹介します。

ハリヨ歯科 笹野愛子さん
ハリヨ歯科 笹野愛子さん

訪問診療をはじめて半年が過ぎました。現在、伺っている訪問先の患者様は、コミュニケーションのとりやすい方ばかりなので、とても診療しやすいと感じます。

しかし、訪問診療をはじめた当初は、患者様の口腔機能を少しでも改善したい!という思いが強すぎて、患者様優先ではなく、専門家目線のトレーニング重視でやっていた時期もありました。そうすると、気づいたときには患者様の顔から笑顔が消えており、また、ケアを行っている自分自身も楽しくない、行きたくないというストレスを抱えるという悪循環が起きていました。

そんな中、宮本さんにいろいろとお話をお伺いし、「自分も患者様も楽しめて、口腔機能をしっかり維持させるためにはどうすれば良いか」ということを考えるようになりました。

今は、力を抜いて訪問に行けるようになり、患者様の表情や様子を観察しながら取り組むことができています。患者様の無理のない範囲内で一緒にトレーニング行い、時折あやとりをしたり、折り紙を折ったり、世間話を楽しむ余裕も生まれてきました。

すると、自然と患者様に笑顔が生まれ、帰り際には「もう帰るの?寂しいわ。」と言ってくださるようになりました。それを聞くと、「また次回も頑張ろう!」と、こちらも元気をもらえるようになり、好循環が生まれてきています。

まだまだ、訪問の経験のある歯科衛生士は、私の周りでは少ないです。少しでも訪問における歯科衛生士の役割を理解して、一緒に働ける歯科衛生士が増えることを願います。


***


訪問口腔ケアに携わる歯科衛生士の方々は、必要な知識とスキルを身につけることに余念がありません。私はこういった歯科衛生士の方々にやりがいを感じてもらえるよう、最大限のサポートをしていきたいと思っています。

一般社団法人エンパシティックライフでは、訪問歯科で一緒に働くことができる方を随時募集しています。

一般社団法人エンパシティックライフ
登録はこちら

訪問歯科や口腔ケアにご興味のある方、ぜひ一緒に学びましょう!

一般社団法人エンパシティックライフ 公式HPへ

訪問歯科で働く魅力

第1回 訪問口腔ケアと歯科衛生士の果たす役割
第2回 訪問口腔ケアに従事して、見えてきた新しい世界
第3回 これからの訪問口腔ケアについて
第4回 歯科衛生士のための働き方改革
第5回 フリーランスの訪問歯科衛生士として活躍する
この記事を書いた人
宮本 友未 | 歯科衛生士

訪問口腔ケアのできる歯科衛生士の育成、訪問歯科・口腔ケアの拡充、訪問歯科・口腔ケアのスタートアップコンサル、病院・施設での口腔ケア研修を主な業務とする歯科衛生士チーム「一般社団法人エンパシティックライフ」代表理事。5児の母で、多岐に渡り活動展開中。多くの講演、イベント主催、執筆活動、テレビ取材経験あり。