歯科医院で患者さんの具合が悪くなったら?!救急救命研修会デンタルコース レポート

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歯科医院で患者さんの具合が悪くなったら?!救急救命研修会デンタルコース レポート
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2019.10.04

9月19日、都内の歯科医院にて、救急救命研修会デンタルコースが行われました。

こちらは公益社団法人 東京都歯科衛生士会が主催する研修会で、講義や実習はもちろん、筆記試験や実技試験なども行われます。

歯科医院で患者さんの具合が急に悪くなった場合でもとっさの対応ができるよう、救急救命士の先生より、正しい知識や技術を学ぶことができる研修会です。

それでは早速当日の様子をお伝えします♪

一次救命処置の実習を行う様子
一次救命処置の実習の様子


一次救命処置についての正しい知識を身につける

この研修会では、事前学習する内容があらかじめ指定されており、まずはじめに、確認テストが行われました。筆記および実技テストがあり、実技テストでは胸骨圧迫の適正率が測定されました。

その後は、アナフィラキシーショックや、一次救命処置の方法についてのビデオ講義。

つづいて二人一組になり、マネキンを使用して胸骨圧迫や、ポケットマスク、バッグマスクを用いた人工呼吸の練習を行いました。

講師の直嶋大助先生
マネキンを使用したデモの様子


待合室で患者さんの具合が急に悪くなったら?!

午後からは、歯科医院で起こりうるさまざまな状況を想定して実習を行いました。

まずは、待合室のソファで座っている患者さんの具合が悪くなり、一次救命処置が必要になった場合です。この場合は、座位から仰臥位にするために、患者さんをソファから床に移動させることからはじめます。先生が、座っている患者さんを運ぶときのコツを伝えた後、患者さん役と2名の救助者役をたてて、それぞれ実習を行いました。

その後はマネキンを使用して、胸骨圧迫とポケットマスクによる人工呼吸を2セット行い、AEDの使用、バッグマスクによる人工呼吸の実習。さらに、小児における一次救命処置についても学び、小児用のマネキンを使用した実習も行いました。

小児用マネキンでの実習
小児用マネキンでの実習

実習では、胸骨圧迫を客観的に評価する「しんのすけくん」というソフトを使用。このソフトは、マネキンに接続することで、圧迫する位置や力加減、リズムが正しいかどうかを確認できます。それぞれが自主練習を行い、胸骨圧迫の技術を磨きました。

胸骨圧迫を客観的に評価する「しんのすけくん」
胸骨圧迫を客観的に評価する「しんのすけくん」


診療室で患者さんの気分が悪くなったら?!

つづいては、デンタルチェアに座っている患者さんの気分が悪くなった場合を想定し、患者さんのバイタルサインを正しく計測する方法を学びました。

今回は、患者さん役と2名の救助者役、さらに救急隊員役をたて、それぞれの役割をローテーションし、実習を行いました。

まずは、一人目の救助者がデンタルチェアの背板を倒し、患者さんを仰臥位にします。そして、意識レベル・呼吸・心拍数・血中酸素飽和度・血圧といったバイタルサインについて評価し、その内容を二人目の救助者がカルテに記入します。

二人目の救助者は、バイタルサインとあわせて、患者さんの様子や具合が悪くなった状況などを救急隊員に伝えます。

歯科医院で働くスタッフ同士でうまく連携がとれると、スムーズな引き継ぎができます。あらためてチーム医療の大切さを学ぶことができました。

バイタルサインを計測する実習中の様子
バイタルサインを計測する様子


デンタルチェア上で一次救命処置を行うには?

最後の実習では、デンタルチェア上で一次救命処置を行う方法を学びました。

デンタルチェアは、患者さんの負担を軽減させるために、身体の曲線にあわせた形状をしています。そのため、正しい位置に患者さんが寝ていると、胸骨圧迫が行いづらくなるようです。

したがって、まずは患者さんをデンタルチェアの下部に移動させる必要があります。ちょうど膝の部分に胸の部分がくるような位置に移動させると、胸骨圧迫が比較的行いやすくなります。

患者さんを移動させる位置
患者さんを移動させる位置

この実習では、患者さん役と2名の救助者役をたてて、デンタルチェア上で患者さんを移動させる練習をしてから、マネキンを用いた一次救命処置の実習を行いました。

実習の最後には実技テストが行われ、無事すべての受講生が合格し、研修会は幕を閉じました。

デンタルチェア上で一次救命処置を行う様子
デンタルチェア上で一次救命処置を行う様子


まとめ

歯科衛生士であれば、一次救命処置の実習は学生時代に一度は受けたことがあるかと思います。しかし、「就職してからは一度も受けたことがない」という方はたくさんいるのではないでしょうか。

患者さんの具合が悪くなる状況はいつ起こるかわかりません。

いつ何が起こっても、とっさに適切な判断ができるよう、普段からバイタルサインの計測は確実に行えるようにしておき、一次救命処置についても正しい技術を習得しておく必要があると思います。

また、ポケットマスクやAEDが設置されていない歯科医院がまだまだ多いため、歯科医院側にも迅速な対応が求められるのではないでしょうか。

駅の構内や大きなビルなどにはAEDが設置されていることが多いので、歯科医院に設置されていない場合は、最寄りの設置場所をスタッフ全員で確認しておきましょう

高齢者がますます増える日本では、患者さんが安心して通院できるよう、緊急事態にも適切な対応ができる歯科医院が必要です。

今回取材した救急救命研修会は、デンタルコースということもあり、歯科の臨床現場にあわせた実習が豊富に用意されていました。歯科医院のスタッフ同士で参加できると、より一層歯科医院のチーム力が上がるのではないでしょうか。