歯科医院内の感染管理システムを見直そう!改善のアイデア その4

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歯科医院内の感染管理システムを見直そう!改善のアイデア その4
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2019.09.06

こんにちは、歯科衛生士の長谷川雅代です。

私は、現在臨床現場で実際に感染管理を行いながら、一般社団法人DHマネジメント協会のインストラクターとして、定期的に感染管理対策講座を開催しています。

スタンダードプリコーションとよばれる「標準予防策」が、世界的にも定着した現在、すでに医科の分野ではあらゆる医療機関で実践されています。

とりわけ歯科においては、 血液や唾液との接触が日常であり、感染リスクが高い環境です。そのため、感染管理に対するマネジメント能力が求められるようになってきています。

この連載では、歯科医院における感染管理システムの見直しと、環境改善に必要な解決策をわかりやすく解説します。皆さんにも共感していただきたいと思い、リアルな写真を掲載しています。

前回に引き続き、今回も感染管理を改善する方法について詳しくお伝えします。

そして、新しい試みをはじめた際に起こる、さまざまな問題への対処方法や、歯科医院のメンバー全員で行う感染管理の心がまえについても解説します。

院内のメンバー全員で共通認識をもち、安心安全な医療に取り組む指標としてお役立てください。

歯科用ユニット


感染管理について見直しの努力をする 

毎日の業務の中で行っている感染管理において、いつのまにか作業効率を優先するということが起こっていないか、決められた工程にそって行われているかを定期的に確認する必要があります。

正確に処理が行われていれば問題ありませんし、問題がみつかるとすぐに修正にとりかかることで、院内のシステムがしっかりとしたものになっていきます。

そのため、見直しの習慣をつけることは必須です。


年に2回の感染対策の従業員研修を活用する

医療法では、院内安全管理の項目のひとつに、年に2回「感染対策の従業員研修」を行うことが定められています。この研修には、従業員全員の参加が必須で、開催日時や内容、出席者の記録をすることが義務づけられています。
(参照:医療法-厚生労働省

研修内容は決められたものではなく、歯科医院に必要な感染管理についての講習を行うことはもちろん、外部のセミナーなどで学んだ感染管理の方法や手段を院内のメンバーに伝達する講習を行うことでも、研修とみなされます。

当院では、医療法で定められている従業員研修の時間を活用して、メンバー全員で院内の感染管理の振り返りと検討を行う時間を確保し、意識統一をはかるようにしています。

従業員研修時の様子
従業員研修の様子


問題が起こったときの考え方

感染管理について、歯科医院内で新たな試みを提案したり、改善を目的に従来の方法とは違ったことをはじめたりすると、なんらかの問題が生じることがあります。

問題が生じた場合は、まず現状を確認してみましょう。

私の経験上もっとも多い問題は、「慣れないから作業しにくい」というものです。「慣れない」ということだけが問題なのであれば、少し時間をおき、様子をみることで徐々にできるようになっていきます。

次に多いのは、器材が足りなくなるケースです。安価な器材であれば、購入することで比較的早期に問題が解決しますが、高価な器材であれば十分な検討が必要です。

また、作業工程がメンバーにとって負担になっているのであれば再検討を行います。

大切なのは、問題が生じた際に、即座に無理だと諦めないことです。冷静に状況を把握し、他の方法を検討する余裕をもち、「最初から完璧を目指さない」「以前よりも良くなった」の積み重ねを行うことが感染管理を継続する秘訣です。


歯科医院のメンバー全員で行う感染管理

感染管理は1人で行うものではありません。1人で頑張っても歯科医院のしくみにはならず、メンバー全員で行ってこそ、歯科医院の清潔が保たれるものです。

反対に、メンバーの中に1人でも感染管理への理解を共有できていない人がいれば、感染管理のしくみは不安定なものになるでしょう。感染管理は歯科医院のメンバー全員で行うものです。そのため、メンバー全員の共通理解が必須になります。

歯科医院のメンバー全員で行う感染管理


まとめ

感染管理の成功の秘訣は、一人ひとりが感染管理の「意識」をあげることです。意識をあげるだけで、歯科医院における現在の問題点に気づきが生まれ、改善できることが見えてきます。

感染管理を行い、環境を整えることは、患者に安心した歯科医療を提供する基本です。そして、安心して働ける環境を作ることにもつながります。

ひとつひとつの積み重ねが、歯科医院内の感染管理のしくみをつくるため、改善できたことは、マニュアルに落とし込み、歯科医院の決まりごととして守り続ける風土を作りましょう。マニュアル化された感染管理のしくみは、歯科医院の財産になります。

試行錯誤をしながらシステムを改善し、歯科医院にとって最善の感染管理の構築に携わった歯科衛生士は、「感染管理ができる歯科衛生士」になります。それによって、「感染管理におけるマネジメント力」が、歯科衛生士としての大きな強みになるのではないでしょうか。

ぜひ一度、それぞれの歯科医院にとって適切な感染管理について考える機会をつくってみてください。
この記事を書いた人
長谷川 雅代 | 歯科衛生士

歯科衛生士資格を取得後、さまざまな臨床の現場を経験。臨床現場で実践的な感染管理に携わりながら、一般社団法人DHマネジメント協会のインストラクターとして、定期的に感染管理対策講座を開催している。 感染管理を通じて、長期にわたり、安全に働ける歯科医院の環境づくりを支援する。



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