記事 > シリーズ > 歯ブラシとフロス、どっちから先に使うべき?〜歯科衛生士さん向けおすすめ論文 No.1〜
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2019.03.11

歯科衛生士のみなさんは、日頃どんな方法で勉強していますか?

歯科衛生士向けの月刊誌や本を読む、講演会やセミナー、学会に参加するなど、さまざまな方法があると思います。その中にはたくさんの「参考文献」が記載されているかと思います。

ところで、その「参考文献」について調べたことはありますか?

「文献」や「論文」と聞くと、むずかしそうなイメージがあると思います。
しかしよく調べてみると、私たち歯科衛生士にとって興味深い資料がたくさんあります。

このシリーズでは、歯科衛生士さんに役立つおすすめの論文を紹介していきます!


歯ブラシとフロスの使用順序について研究した論文

今回解説するのはこちらの論文です。
歯間部プラークの減少とフッ化物保持におけるブラッシングとフロッシングの順番の違いによる効果:ランダム化対照臨床試験.
(『Journal of periodontology』)
という論文について解説していきます。

この研究は、歯ブラシ→フロス、フロス→歯ブラシのそれぞれの順番で口腔清掃を行う場合、どちらの方が歯間部プラークを除去できるか。
また、どちらの方が歯間部にフッ化物が残るか。ということを調べています。


どんな方法で調べている?

まず、25人の歯学部生に48時間ブラッシングを中止させました。

その後2週間は、歯ブラシをしてからフロスを使用し、次の2週間は、フロスをしてから歯ブラシを使用して口腔清掃を行わせました。

それぞれの期間の前後に、デンタルプラークインデックスとフッ化物濃度を計測し、その結果を比較しました。




先にフロスをした方がいいという結果に!

歯間部だけでなく全顎的にも、フロスをしてから歯ブラシを使用する方が、有意にプラークが減少するという結果が出ました。
しかし、歯頚部のプラークについては、2グループ間で有意な差はなかったようです。

また、フッ化物濃度については、歯間部において、フロス→歯ブラシの順番の方が有意に高かったようです。

ちなみに「有意」とは…統計学の用語で、“確率的に偶然とは考えにくく、意味があると考えられる”ことを指します。


この研究に対する考察

研究に参加している25人が歯学部生ということから、実験対象者は10〜20代が多いと考えられます。
そのため歯間空隙が狭い方が多く、フロスでも十分に歯間部プラークが除去できるでしょう。

しかし、50〜60代の方となると、歯間空隙も広くなってきます。
その場合は、同じ結果になるとは限らないのかもしれません。

また、こういった研究結果が出ているからといって、歯ブラシから先に使用している患者さんがいても、否定する必要はないと思います。

その患者さんのプラークコントロールが確立されていて、口腔疾患にかかっていなければ、なにも問題はないでしょう。

患者さんひとりひとりの口腔内の状況を理解した上で、適切な指導をすることが歯科衛生士の役目だと思います。


***


いかがでしたか?

論文で言われていることがすべてとは思いません。
しかし、こういったエビデンスを一つの知識として自分の頭の中に入れておくと、患者さんからの質問に自信を持って答えることができるようになると思います。

この記事を書いた人
森 寛子 | 歯科衛生士

大阪出身の歯科衛生士歴9年目。歯科医療の社会的価値を高めるビジョンに強く魅力を感じ、WHITE CROSSへ参画。勤務先の歯科医院では、臨床実習生の指導を担当し、約3年間、歯科衛生士学校で非常勤講師を務めた。現在も北九州の歯科医院で、スタッフ教育と担当患者のメインテナンス業務を行なっている。



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