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舌がんの特徴って?歯科衛生士がメインテナンス時に診るべきポイント

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2019.03.07

芸能人の堀ちえみさんがステージⅣの舌がんであったことを公表し、数週間が経ちました。
メディアでは連日、舌がんやその他の口腔がんについて報道されています。

口腔がんのうち、舌がんの発生割合は約60%と、もっとも高い割合を占めています。調査によっては、約90%を占めるというデータもあるようです。

歯科衛生士である私たちには、患者さんのメインテナンス時に、がんや前癌病変を発見できるチャンスがあります。

しかし、一般の歯科医院で勤務していると、臨床現場で口腔がんに遭遇する機会は多くありません。

そのため、臨床的な特徴や所見を理解しておらず、病変を見逃してしまっているケースもあるかもしれません。

そこで今回は、舌がんの特徴について調べてみました。


そもそも舌がんとは?

日本口腔腫瘍学会学術委員会「舌癌取扱い指針」によると、舌感有郭乳頭より前(舌の前方3分の2)の舌背面と舌縁、またその裏側である舌腹に発生した扁平上皮癌のことをいいます。

『臨床解剖学的な図譜(1.舌背)』を元に編集(引用:舌癌取扱い指針)
日本口腔腫瘍学会学術委員会「舌癌取扱い指針」 臨床解剖学的な図譜(1.舌背)を元に編集

口腔がん患者の男女比は3:2と男性に多く、年齢的には60歳代に最も多いようです。しかし、舌がんにおいてはやや年齢層が若い人であっても発症するのがひとつの特徴です。

舌は自己観察しやすい臓器のため、舌がんの約3分の2は比較的早期の状態で発見されます。


舌がんの症状

舌がんの典型的な症状は、舌の側縁にできるしこりです。がんが進行すると痛みをともない、出血することがあります。2週間以上治らない口内炎にも要注意です。

さらに進行がすすむと「食べ物が飲み込みにくい」「話しづらい」といった嚥下障害や構音障害が出ます。

また、舌がんの前癌病変といわれる、白板症・紅板症・扁平苔癬といった疾患にも注意が必要です。中でも、白板症は比較的頻度が高く、とくに舌にできたものは悪性化する可能性が高いと言われています。

公益社団法人 日本口腔外科学会HPより引用
白板症(引用:公益社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科相談室)


舌がんの診査・診断

まず視診・触診を行います。その後、診断を確定するために、生検組織の一部を切除して病理検査を行います。

進行度の診断には、超音波によるエコー検査や、CTやMRIを撮影して、画像によって診断します。

舌がんのステージを規定する臨床的な因子には、TNM=腫瘍の大きさ(T)、頸部リンパ節転移(N)、遠隔転移(M)というものがあります。
このTNMの組み合わせでがんのステージが決定するため、治療方法を選択するときには重要な因子となります。


舌がんのリスクファクター

舌がんを含む口腔がんのリスクファクターとしては、以下のようなものが挙げられます。

① 喫煙
② 飲酒
③ 慢性の機械的刺激
④ 食事などの化学的刺激
⑤ 炎症性サイトカインによる口腔粘膜の障害
⑥ ウイルス感染

これがそれぞれ作用し、口腔内にダメージを蓄積させることで、発癌にいたると考えられています。

③ 慢性の機械的刺激には、傾斜歯やう歯、不良な充填物、不適合義歯などが挙げられます。
また、⑤ 炎症性サイトカインによる口腔粘膜の障害については、歯周疾患が他の因子と複雑に絡み合いながら、発癌にかかわっている可能性があるようです。

リスクファクターについて科学的根拠のあるものは少ないようですが、③ や⑤ の状態を放置しておくメリットは決してありません。


まとめ

今回の報道により、舌がんやその他の口腔がんについても、患者さんからの問い合わせや質問が今後増えていくと考えられます。

私たち歯科衛生士が今日からの臨床で気をつけたいポイントとしては、
① 普段からラポールを築いておき、何でも相談していただける関係をつくっておくこと

② 施術だけでなく問診を重視し、生活の変化に注意を払うこと

③ 歯や歯周組織だけでなく、舌や粘膜を含めた口腔内全体を観察すること

④ 口腔がんのリスクファクターを知り、適切な情報提供をすること

⑤ 異変を察知したときには、自己判断せずかならず歯科医師に相談すること
です。

口腔がんの予防という意味でも、う蝕や歯周疾患に対しては適切な治療をすすめる必要があります。
また、これらが がんのリスクファクターとなることを、治療の動機付けの一つとして説明することもできるでしょう。

もし私たちが患者さんの口腔がんを早期に発見することができれば、患者さんは命を落としたり、手術後にQOLが大幅に低下したりすることを避けられます。

今回の記事が、歯科衛生士としての業務や役割を改めて見直すきっかけとなればと思います。

今後もd.Styleでは、世の中で話題になっている歯科に関するニュースについて取り上げていきます!

この記事を書いた人
森 寛子 | 歯科衛生士

大阪出身の歯科衛生士歴10年目。歯科医療の社会的価値を高めるビジョンに強く魅力を感じ、WHITE CROSSへ参画。勤務先の歯科医院では、臨床実習生の指導を担当し、約3年間、歯科衛生士学校で非常勤講師を務めた。現在も歯科医院で、スタッフ教育と担当患者のメインテナンス業務を行なっている。



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