2018.09.05

“予防歯科の先進国”と呼ばれ、歯科衛生士が憧れる国の一つでもあるスウェーデン。

スウェーデンの歯科衛生士資格保持者は約4,000人ほぼ全てが現役で就業しています。
国としての医療制度が整備されているだけでなく、歯科衛生士が一生働き続けていきたいと思える魅力はどこにあるのでしょうか?

前回は、私が訪れたマルメ大学の教育プログラムについて紹介しました。今回はカリキュラムの内容をもう少し詳しく紹介していきます。



マネキン実習室


スウェーデンの歯科衛生士学校は国内でわずか6校のみ!

日本の歯科衛生士学校は現在165校ありますが、それに対しスウェーデンの歯科衛生士学校は6校しかありません。

イェテボリ大学、ウメオ大学、カロリンスカ大学、クリスチャンスタッド大学、マルメ大学、ヨンショーピン大学の6校です。
現在、カロリンスカ大学とマルメ大学は2年制ですが、その他の大学は3年制。

ちなみに、スウェーデンの人口は約1,000万人で、これは東京都の人口(約1,380万人)よりも少ないです。


スウェーデンの大学一覧

マルメ大学のカリキュラム

マルメ大学では、入学後最初の5週間は歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の学生が全員一緒の授業を受けます。

その後、1年生の前期・後期、2年制の前期・後期は、それぞれの専門分野のカリキュラムが組まれています。

カリキュラムは大きく4項目に分けられており、前回紹介したPBL(Problem Based Learning=問題解決型学習法)による①グループ学習、②相互実習・マネキン実習、③大学内クリニックでの実習、④公立デンタルクリニックでの臨床実習をそれぞれ行なっていきます。

まず、1年生前期のカリキュラムでは以下の4項目を行います。


そして、1年生後期のカリキュラムでは、以下の4項目を行います。

前回の記事でもお伝えしましたが、マルメ大学の学生は1年生の後期に入ると、大学内のクリニックで単純な歯周炎の治療に携わりはじめます。

実際に学生さんの実習の様子を見学しましたが、説明の仕方などがとても堂々としていて、すでにプロフェッショナルとしての自覚を持っているように見受けられました。

日本の歯科衛生士学校では、大抵の場合2年生から臨床実習がはじまるかと思います。
その上、臨床実習先でも実際に患者さんのスケーリングやルートプレーニングなどができる機会は少なく、見学がメインになってしまう実習先もあります。

そのため、歯科衛生士としての技術力をどのくらい身に付けられるかというのは、実際に勤務する就職先によって大きく左右されます。
ここも日本とスウェーデンとで大きく異なる点だと感じました。



レジン充填の実習

次回は、2年生時のカリキュラムについて紹介します。

第4回は2018年10月5日公開予定です。





予防大国、スウェーデンの歯科衛生士事情

第1回 歯科衛生士就業者数の比較
第2回 教育プログラムの違い
第3回 マルメ大学のカリキュラム