“予防歯科の先進国”と呼ばれ、歯科衛生士が憧れる国の一つでもあるスウェーデン。
スウェーデンの歯科衛生士資格保持者は約4,000人ほぼ全てが現役で就業しています。
国としての医療制度が整備されているだけでなく、歯科衛生士が一生働き続けていきたいと思える魅力はどこにあるのでしょうか?
マネキン実習室
スウェーデンの歯科衛生士学校は国内でわずか6校のみ!
日本の歯科衛生士学校は現在165校ありますが、それに対しスウェーデンの歯科衛生士学校は6校しかありません。
イェテボリ大学、ウメオ大学、カロリンスカ大学、クリスチャンスタッド大学、マルメ大学、ヨンショーピン大学の6校です。
現在、カロリンスカ大学とマルメ大学は2年制ですが、その他の大学は3年制。
ちなみに、スウェーデンの人口は約1,000万人で、これは東京都の人口(約1,380万人)よりも少ないです。
スウェーデンの大学一覧
マルメ大学のカリキュラム
マルメ大学では、入学後最初の5週間は歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の学生が全員一緒の授業を受けます。
その後、1年生の前期・後期、2年制の前期・後期は、それぞれの専門分野のカリキュラムが組まれています。
カリキュラムは大きく4項目に分けられており、前回紹介したPBL(Problem Based Learning=問題解決型学習法)による①グループ学習、②相互実習・マネキン実習、③大学内クリニックでの実習、④公立デンタルクリニックでの臨床実習をそれぞれ行なっていきます。
まず、1年生前期のカリキュラムでは以下の4項目を行います。
そして、1年生後期のカリキュラムでは、以下の4項目を行います。
レジン充填の実習
次回は、2年生時のカリキュラムについて紹介します。
予防大国、スウェーデンの歯科衛生士事情

歯科衛生士歴9年目。大阪府の歯科医院2軒に勤務するかたわら、なにわ歯科衛生士学校で非常勤講師を務める。2016年11月にクロスフィールド株式会社が主催するスウェーデン研修旅行に参加し、“予防歯科の先進国”スウェーデンの歯科医療制度に感銘を受ける。