2018.08.06

“予防歯科の先進国”と呼ばれ、歯科衛生士が憧れる国の一つでもあるスウェーデン。

スウェーデンの歯科衛生士資格保持者は約4,000人ほぼ全てが現役で就業しています。
国としての医療制度が整備されているだけでなく、歯科衛生士が一生働き続けていきたいと思える魅力はどこにあるのでしょうか?

前回につづき、日本とスウェーデンの歯科衛生士就業者数の比較についてお伝えいたします。




歯科衛生士学校での教育プログラムの違い

歯科衛生士の教育プラグラムにおいても、日本とスウェーデンとでは大きく異なる部分があります。

私が訪れたマルメ大学では現在、PBL(Problem Based Learning=問題解決型学習法)という教育方法を採用しています。

グループ学習の中で、あるテーマ(う蝕や歯周炎)について話し合い、問題解決の方法を各自持ち帰って調べ、その内容をまたグループにフィードバックし、共有するといった方法です。

この授業は10人程の学生でディスカッションが行われます。
先生は、話が間違った方向に進むのを修正する程度にしか発言しないようで、学生が中心となって活発に意見しあう授業です。

マルメ大学では、このPBLという教育方針に変更してから退学者が減り、学生の知識が定着しやすくなったそうです。


PBLでディスカッションしている内容が書かれた黒板


また、実習の授業においても、スウェーデンの歯科衛生士教育は、より臨床に直結した内容だといえると思います。

学生たちは1年生の後期に入ると、大学内の診療室で、歯肉炎や軽度歯周炎の患者さんを実際に診察し始めます。

診療前と診療後に、インストラクターの先生とディスカッションを行い、診療前には、当日の治療の注意点、診療後には当日の反省点、改善点などを話し合うそうです。

この大学内の診療室では週3回臨床実習があり、ここで診察する患者さんの症例はどんどん複雑な症例になっていくそうです。


プロジェクタに映されている先生の見本を見ながら学生が実習を行う


2年生になると患者さんについてのケースプレゼンテーションも行います。
そのため、大学を卒業する頃には一人前の歯科衛生士として働くことができるようになっています。

このように、スウェーデンの衛生士学校では、学生が自発的に学習する教育プログラムが充実しており、臨床現場にすぐに活かせる知識や技術を習得できる印象を受けました。

次回は、スウェーデンの歯科衛生士学校についてお伝えいたします。

第3回は2018年9月5日公開予定です。





予防大国、スウェーデンの歯科衛生士事情

第1回 歯科衛生士就業者数の比較
第2回 教育プログラムの違い