2018.05.16

皆さん、こんにちは。メディカルアロマスペシャリストの大工原忍です。

メディカルアロマテラピーの1番の効能はというと、前回も述べましたが、全ての精油に抗菌作用があります。
掘り下げると、菌に対しては、抗菌・抗真菌・抗ウイルスと精油によっても、どの菌かで選択肢がちがいます。

抗生物質というのは、体内で代謝されているものではなく、人工的に合成された化学物質が大部分です。
そのため、体内に長くとどまって効果も発揮するのですが、体の生理反応では抑制する方向に働いてしまいます。

また、特定の菌をターゲットにするので、その菌に効かない抗生物質を摂取すれば、もちろん副作用もあり、腸内細菌叢を乱し、免疫を下げてしまう可能性もあります。

一方、メディカルアロマは多成分の植物由来ですので、体内で代謝でき、個々の芳香成分は抑制に働いても、全体としてはバランスを取りながら協調し支持する方向に働きます。
そのため、効果が期待できても副作用が少ないというメリットがあります。

腸内細菌叢の悪玉菌は叩き、善玉菌は残してくれるため、耐性菌にも効果が期待できると言われています。


次に、メディカルアロマは脳に直接作用します。

大脳辺縁系は、香りの好き嫌いをジャッジする扁桃体があるため『本能の脳』と呼ばれています。香りをかいだ時は、この大脳辺縁系に直接作用します。

反対に『考える脳』である大脳新皮質は、人間が発達していて、発生学的に新しい部分の知能や思考・理性などの機能を担っています。

香りの成分は鼻から入り、大脳辺縁系の扁桃体に伝わり、さらに視床・視床下部に情報が伝わり、自律神経系・内分泌系・免疫系へと人体の生理機能に影響を与えます。

香りが脳に伝わる伝達経路と、ストレスが脳に伝わる伝達経路は同じとされているので、良い香りを嗅ぐことで脳に直接作用し、ストレスオフに繋がると言われています。



歯の痛みが脳に行くまでに、0.9秒以上かかるのに対し、香りが脳に行くのは0.2秒位以下なので、香りを嗅いで精神面に作用するのは、即効性があると言われています。

そして、精油は嗅ぐことで体の中に入るので、ロットごとにきちんとした分析データが公表されている精油を選ぶ必要性があります。



今後、メディカルアロマを取り入れるメリットとして、以下の3つが挙げられます。

① 嗅覚療法で脳に刺激を与え、内分泌系のホルモンに作用すること
② 香りがあることで心理面に働きかけること
③ 皮膚塗布することで経皮吸収し直接臓器に働きかけること

メディカルアロマは、薬をたくさん飲んでいてこれ以上薬が飲めない方や、妊婦さんやお年を召した方などに、特におすすめです。
嗅ぐだけでいい、塗布するだけでいい新しい分野であるのではないかと思います。

さいごに、きちんとした精油を選ぶ際の条件をご紹介します。

1.学名がきちんとされていること

植物の学名は世界共通です。学名がきちんとされている事は植物名がきちんと特定されています。
ラベンダーでも数種類あり、どのラベンダーか特定するには学名がLavandula angustifoliaとラベンダーのアングスティフォリア種である事がわかる事が重要です。

よく”妊婦さんはラベンダー使えないのでは”といった質問を受けます。
実際には、妊婦さんがラベンダーのすべてを使えないのではなく、ラベンダー種の中のラベンダーストエカス種はケトン類であるので堕胎作用があり、妊婦さんは流産の危険性があり使えません。

同じようにローズマリーやユーカリも、どの種のものなのかが分からないと、効果も違い使い方も違ってきてしまいます。

2.ロットごとに精油の成分分析されていること

植物は、土壌や天候でその内容成分が変わってきます。

私はよくワインに例えているのですが、その時の土壌や天候で成分は左右されますし、香りも変わってきてしまいます。
その土地が無農薬だとしても、偏西風で農薬が入る可能性もありますので、精油にしてから分析していること、またそれを公表している事が重要です。

3.オーガニックはいいの??

オーガニックというのは化学合成農薬や化学肥料に頼らず、有機肥料で栽培することを言うので完全無農薬ではありません

オーガニックで栽培した植物でも蒸留すると高濃度になるので、農薬が検出されたり、たとえ無農薬の畑でも偏西風で残留農薬が検出されたりしてしまいます。

確かな精油は、精油になってからきちんと分析し、分析は目では見えないので分析データを公表していることが消費者にとってよいメーカーだと思います。

今回は、メディカルアロマの効能と選び方でしたが、次回からは実際に使えるお話もしていきたいと思います。

著者


歯科に役立つヨーロッパでのメディカルアロマ

第2回 メディカルアロマの効能と選び方