2018.04.05

澤泉先生は、歯科助手として社会人をスタートさせた後、母校である学校法人三幸学園にて教員として勤務し、歯科医療事務・歯科秘書を担当。1,500名の卒業生を歯科業界へ送り出しました。

1997年からは株式会社オフィスウエーブを設立し、歯科医療における歯科助手の大切さ、仕事のやりがい、歯科助手だからできる仕事の幅の広さについて真剣に考え、その教育に尽力し、「働くモチベーション」「患者接遇」「デンタルコーチング」のスキルアップを専門としています。


ダイジェスト

 

 

Q.歯科助手になった経緯について教えてください

何か自分にしかできないことをやりたいと思ったときに歯科というものを意識し始め、大学を辞めて歯科の専門学校に進みました。

本当に笑ってしまう話なのですが、就職してからそこが歯科衛生士の学校じゃなかったということを知ったんです。

入学金が70万円で、簿記学、秘書学、PCのスキルから、医療事務、口腔介護、レセプト請求とかありとあらゆるいろいろなものを学び、まるで衛生士の資格を取ったのではないかというような認識で就職をしました。 


Q.歯科助手としての勤務と原点について教えてください

就職してから「あなたには資格がないんだよ」ということを言われ、そこで初めて“歯科業界には資格のある人と資格のない人がいるんだ”ということを知りました。

全員が有資格者の中、自分だけが無資格者で、与えられたものに向き合うことで道が開きステージが変わっていくということを、ぜひ今の世の中の歯科助手たちに伝えられたらいいなというのが原点で、歯科助手の教育をしています。




Q.歯科助手に必要なものとは何ですか?

歯科助手というのはコミュニケーターだなということをすごく感じました。
先生方よりもずっと、トイレ掃除をしている私の方が患者さんとお話することができたので、そこで“歯科助手というのはコミュニケーション能力が重要だな”と感じました。

もちろんスキルや知識も大事なんだけれどもそれ以上に人としてのあり方、人間として可愛がっていただける、人に愛していただけるような歯科助手というのを私は伝えたかったんです。


Q. 歯科助手としての得意分野を生かした転職

自分が守られていないところでどれだけ通用するのか試してみたくなって、精神が鍛えられそうな営業職をやりたくなりました。

そこで初めて「先生方はしっかり施術されているのに、保険請求をきちんと算定できないことがあるのだな」と感じました。私は仕事柄、赤本なり青本なりをすべて、生き字引のように頭に入れておりました。そして、先生が施術されたことを聞いて、それの請求方法を先生にお教えするようなことを歯科助手時代に開拓していたので、レセプトの請求から返戻の業務までを全て行うことで、先生たちにも喜んで頂けました。

このような業務を私たちがやることによって、先生方が本来の医療業務を行えるんだなと感じました。また先生方がそんなに詳しく保険の請求を知らなくても、自分たちがなさったことをなさったようにカルテに書けば、保険の請求が正しくできるようなシステムを開発し、それを歯科医院に提供できるような流れにしたらとても社会に貢献できるのではないかと思い、その後レセコン会社に就職しました。 


Q.営業成績ナンバーワンだったとお伺いしましたが?

“商品に自信を持つ”ということ、“会社の考え方や理念やビジョンに自信を持つ”ということ、“自分自身に自信を持つ”ということ、“販売するお客様を信頼して大事にする”ということ。そういったことが今、歯科で歯科助手教育をしているカウンセリングの礎になっています。

「こんな高額なものをお伝えしたら申し訳ない」
これは一見相手のことを思っているようで、意識の矢印は自分に向いているんですね。価値のあるものに関して相手のために伝えて差し上げる。選ぶのは相手なので、それをお伝えする。けれどその代わりに「NO」も言わせてあげられることがすごく大事だと思っています。

Q.その後起業した経緯について教えていただけますか?

レセコンの中って売上や保険点数から医院の課題まで、組織の中が丸見えなんですね。
行く先々でレセコンを見ていると、先生方が困っていることがすごく浮き彫りになってきて、特に共通しているのがスタッフ教育だったんです。

男性の先生方が女性のスタッフ教育にすごく悩まれていたりですとか、ご年配の先生ではスタッフとの年齢差やジェネレーションギャップの埋め方ですとか、そういう質問が増えてきました。

そのようなサポートも始めるうちに、人材育成や能力開発のやりがいを感じ、オフィスウェーブの開業に至りました。



Q.師匠、上間京子先生との出会いについて聞かせてください

上間先生は歯科衛生士教育に命を削りながら携わっていらっしゃいます。上間先生は、「衛生士を衛生士として教育していくのにどうしても歯科助手が必要なんです」「歯科助手が支えてくださることが、衛生士が社会的な意義や価値をみいだしていくことだから、どうか仲美子先生助けてちょうだい」と私にこんな言葉を投げてくださったんですね。

「あなたは歯科助手だから、だから歯科助手の教育をしてください」「どうかその使命をこれからのあなたの人生で燃やしてほしい」という強い思いを伝えてくださいました。私は上間先生からバトンを受け取ったと思っています。このバトンは絶対離さないし、これにしがみついて生きていこうとその時に決めました。

Q.歯科助手のやりがいとは何ですか?

例えば戦場に行って相手が武器を持っているのに私たちが何も持っていなかったら怖いじゃないですか。コミュニケーション能力や技術や知識がなかったら怖いんですよ。電話が鳴ってもどうでていいかわからなかったら逃げたくなるし、患者さんがいらしてもどう喋っていいかわからなかったら怖いですよね。

だから彼女たちはそういう意味でまだ知らないだけ、知識や情報量が足りていないだけで、ここが入ってくれば必ず仕事は楽しくなるしやりがいは感じられると思います。私は歯科助手には資格がないからこそ総合職として可能性のある分野だと思っています。

Q.今後の目標と思い描く未来について聞かせてください

ミッションとして歯科助手教育を掲げていますが、もっと大きく言うと働く女性を応援したいんです。

女性が社会に進出し成果を出せることは、世界を変えていくことだと思っています。そのためには、女性がもっと長いスパンで働けたらいいなと思います。結婚して辞めてやめてしまうのではなく、結婚しても出産してもまた戻ってこれる、そんな歯科医院の母体や環境作りというものにご一緒に取り組んでいきたいと思っています。

一方で、「そうは言っても歯科医院の主役は先生だよ」という話はします。患者さんにとっては先生がスターで、どういう先生かというのがとても大事です。そこでスターマーケティングをさせて、「先生はこういう人だから安心して治療を受けてくださいね」と自信を持って伝えられるような教育もしています。





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