2018.04.05

歯科医師、歯科衛生士、歯科助手と呼ばれる人がいるのは知っているけど、歯科技工士って聞いたことないな・・という方も多いのではないでしょうか。
でも歯科技工士はとっても身近な職業で、おじいちゃんの入れ歯も、おかあさんの白い被せ物の歯も、スポーツ用のマウスピースだって作る、お口のなかに入るもののスペシャリストなんです! 

[目次]

1.歯科技工士って何?
2.歯科技工士の仕事内容は?
3.歯科技工士に向いている人は?
4.歯科技工士になるためにはどうすればいいの?
5.歯科技工士学校の費用はどれくらい?
6.国家試験の合格率
7.歯科技工士の給料
8.歯科技工士の数と求人状況
9.歯科技工士の離職率は?
10.歯科技工士として働く場所は?
11.世界の歯科技工士事情_すごいぞ世界のセラミスト!

歯科医師が口の中で台の形をつくり型をとったものを歯科技工士が受け取り、歯を再現する

1.歯科技工士って何?

歯科技工士(Dental Technician/Dental Technologist/略してDT)は厚生労働省が認定している国家資格の名称です。
国家資格とは国の法律に基づいて証明されている資格で、歯科医院においては欠かすことのできない重要な職種です。
一度資格を取れば更新は不要ですので、一生『歯科技工士』としての肩書きを持つことができます。

2.歯科技工士の仕事内容は?

歯科技工士法第2条では “「歯科技工」とは、特定人に対する歯科医療の用に供する補てつ物、充てん物又は矯正装置を作成し、修理し、又は加工することをいう。ただし、歯科医師(歯科医業を行うことができる医師を含む。以下同じ。)がその診療中の患者のために自ら行う行為を除く” と定義されています。

現在の歯科医療保険制度では銀歯(インレー・クラウン・ブリッジ等)や入れ歯の製作、矯正装置などの製作を行うなど、歯科医療の一端を担う重要な役割です。近年では歯科用CAD/CAMシステムや3Dスキャナーの普及により歯科技工士の業務内容はデジタル化しています。

デンタルテクニシャン/テクノロジストと呼ばれる通り、歯科技工士の技術力には繊細な業務が求められ、直接患者さんと触れ合う機会は少ないものの、食べることに直結する “咀嚼(噛む)” を支える非常に重要な役割を担っています。
また、セラミックを使いこなすテクニシャンはセラミストと呼ばれ、歯科医師からも一目置かれる存在です。


3.歯科技工士に向いている人は?

何よりも小さな歯を正確に再現するお仕事ですので、細かい作業が必須になります。
特に前歯を再現するという意味では色を再現するセンスも必要になり、歯科技工士はアーティストのような美的感覚の側面も少なからず必要です。
これからの時代は歯科用コンピュータを使うデジタル時代になっていきますので、最先端の技術に興味がある方やものづくりを得意とする方に向いています。


4.歯科技工士になるにはどうしたらいいの?

① 歯科技工士学校に入るには

高校卒業の資格が必要です。高卒認定をもって、歯科技工士学校を受験することが可能になります。

② 歯科技工士学校の種類と期間

主に歯科衛生士養成専門学校、歯科衛生士養成短期大学、歯科衛生士養成大学に分かれています。基本的には2-3年間学校に通う必要がありますが、養成大学では4年間かけて歯科技工についてしっかりと学んでいきます。
学校によっては「夜間部」を設けているところもあります。


③ 歯科技工士学校に通っている人

男性の職場というイメージを持たれている方も多いですが、女性も多く在籍しています。
講義を教えてくれる先生は歯科医師の先生、歯科技工士の先生、そのほか大学の先生や、その道の講師の先生による講義や実習が行われます。

5.歯科技工士学校の費用はどのくらい?

歯科技工士は学費以外にも実習費や材料代がかかるため、歯科衛生士学校より学費が少し高額になる傾向があるようです。2年制から4年制までが存在しているため一概に平均を出せませんが、初年度納入金は130-160万円ほどが必要になります。

学校によっては奨学金制度や教育ローンなどを用意しているところもあります。


6.国家試験の合格率

国家試験は1年に1回のみ、平成30年では2月中旬に行われました。
平成30年に行われた歯科技工士国家試験の合格者数は902名で、全体として受験者の合格率は 94.7%でした。
国家資格の中でも高い合格率を誇り、安定して合格できる資格といえます。


7.歯科技工士の給料

歯科技工士の働き方は様々で歯科技工所の規模や開業によって大きく異なりますが、全国平均の年収は434万円(平均年齢43歳)で、内訳としては月給:32万円+年間賞与:42万円でした。(平成28年賃金構造基本統計調査/厚生労働省)

技術職のため経験の浅い歯科技工士の賃金は低く、経験を積むことで年収も上がる傾向にあります。


8.歯科技工士の数と求人状況

現在、実際に歯科技工士として働いている技工士さんは全国で3万5千人と言われています。(平成26年衛生行政報告例)

歯科医院は全国に6万9千件で、各歯科医院から毎日数個の技工物の依頼が出ますので単純計算で2つのクリニックを1人で請け負っていることになります。そのように歯科技工士の数は全国的に不足しているため、求人倍率は高くなっています。



9.歯科技工士の離職率

専門の学校を卒業して5年以内の離職率は8割と言われています。
7. 給与のパートにも記載した通り、卒後の年収は低い傾向にあり、かつ人材不足でハードな労働環境を強いられることが原因の一つにあるようです。


10.歯科技工士として働く場所は?

勤務先は主に歯科技工所(ラボと呼ばれる)・歯科医院(専属で働く)・独立開業の3つに分かれます。また、9. 歯科技工士の離職率でも記載した通り、現状では離職されてしまう歯科技工士が多く、離職した方は歯科の知識をいかした職種(事務長や歯科関連企業)に勤める方もいらっしゃるようです。


11.世界の歯科技工士事情_すごいぞ世界のセラミスト!

歯科技工士は給与面や離職率など決してネガティブな現状ばかりではありません。
日本人歯科技工士の繊細さと日本の技術はアメリカやヨーロッパなど世界中で、“飛び抜けて素晴らしい” と評価されています。日本には一流のセラミスト(歯科技工士)がたくさんいますから、歯科技工士として学ぶには他国にはない恵まれた環境です。

歯科医師や患者から「一緒に仕事をしたい」「私の歯をつくってほしい」と指名されるセラミストも多く存在し、各国からその技術を学びに来日する歯科医師や歯科技工士がいるほどです。歯科技工士は自分の腕と努力次第で、歯科業界で最も飛躍できる職業です。

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