2018.08.15

マウスピース矯正研修講師の穴沢有沙と申します。

第6回の今回は現代のSNS影響力についてお話します。(前回の記事はこちら


簡単に手に入る情報

2017年夏時点のスマートフォンの利用率は全体で約8割ともいわれ、わたしたちは常に情報とともに移動していると言っても過言ではありません。

以前はホームページやブログから情報を得ていましたが、最近はSNSが広まり情報収集だけでなく気軽に発信できるようになってきました。



SNSとはなにか?

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(social networking service, SNS)とは、Web上で社会的ネットワーク(ソーシャル・ネットワーク)を構築可能にするサービスである。 
出典:Wikipedia「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」
 
現在SNSには以下のものがあります。
Ameba、Facebook、Google+、GREE、Instagram、LINE、mixi、Myspace、Skype、Twitter* and more...

LINEは世代を問わず非常に幅広いユーザーがいます。
オープンなSNSとしては、10代から20代の若者に人気なのはInstagramで、年齢に限らず仕事での繋がりを求める人にとっては実名性の高いFacebookを利用しているイメージです。

さらに歯科クリニックとしてFacebookページとInstagramを利用しているところが多いですね。
(Facebookページとは‥‥広告も打ち出せる企業ページのこと)

*Twitter公式では、通信網の一種であると規定し、SNSではないとしている。




一般ユーザーのSNS心理

今回のコラムの内容は、“どのような記事が読まれやすいか"という内容ではありません。
一般ユーザー側の心理を考えてみたいと思います。

歯科クリニックのSNSを活用している先生も多くいらっしゃると思いますが、発信ばかりでなくSNSでの情報収集もされていますか?

私はマウスピース矯正研修講師として矯正治療に携わっていますので、“歯列矯正”や“アライナー矯正”、“インビザライン”などのワードで一般ユーザーの投稿を日々読んでいます。

ここでいう「一般ユーザー」とは、歯科医療従事者ではなく矯正治療中の投稿をしている一般の方々のことです。

比較的更新頻度の高いInstagramの投稿からは、非常に興味深い特徴が読み取れます。




一般ユーザーのInstagram投稿からわかる2つの特徴

特徴1
ブラケット矯正、アライナー矯正に関わらず自身の矯正治療に関する投稿を匿名(別アカウント)でやっていることが多い。

感情としては、

 ● 普段の友達には気付かれたくない
 ● 治療の経過やその時の感情を備忘録として残したい
 ● 共感できる仲間がほしい
 ● 顔出しはあまりしたくない


特徴2
一般ユーザー同士のコミュニティを形成している。

具体的には、同じ治療をしている人をフォロー、リフォローする。
質問をすると同じような経験者(一般ユーザー)からのレスポンスがくる。

こんな時どうしたら?という疑問や、十分な説明がないという不満を、直接主治医には伝えずSNS上で吐き出す。
それに対して医療従事者ではない治療経験中の方々が「私の時はこうでしたよ!」「ひどいですね、私のクリニックでは〇〇です」「〇〇を使うといいですよ」などの情報交換が行われています。


情報の独り歩き

ここでの問題はふたつ。
問題1
一般ユーザー同士での情報交換のため間違った知識に左右される可能性がある
治療がうまく進まない


問題2
口コミの拡散
ネガティブな情報ではクリニックの評判が下がる 


SNSにより匿名で気軽に情報交換ができるようになりました。
それに伴い正しい情報も間違った情報も一瞬で拡散します。情報が独り歩きしている状態です。

診療室で主治医に対して質問がないのは本当に質問がないからなのか、それとも解決の糸口を主治医ではなく会ったことのないSNS上の人に求めているのか。

なにより危機感を感じることは、この現状をわたしたち医療従事者が把握していないということです。




今わたしたちに必要なことは患者がどんな情報を持っているかを把握すること

特にインビザラインなどのマウスピース矯正はまだエビデンスが確立されていない部分も多く、何が正しいのか歯科医療従事者ですら分かっていないこともあります。

また情報のアップデートがされていなかったり、独自の判断で患者教育をしている現状も垣間見えます。

過去に「インビザラインのアライナーはお風呂に入るときに外すように指示された」という方がいらっしゃいました。

私自身が臨床に携わっていて心がけていることは、患者と同じ目線で治療に取り組むことです。
情報を「教えてあげる」のではなく「交換する」

矯正相談で来院された方には、

「どんな情報をご覧になりましたか?」
「その情報をご覧になってどう感じましたか?」

などのヒアリングをし、何を思っているのかを確認します。

自院で治療途中の方には、

「実際矯正治療を始めてみてどんな気持ちですか?」
「だれかと共有しましたか?」
「困ったことや不安なことはありませんか?」

とヒアリングし、解決に向けたアドバイスを送ります。

そこで、
「インターネットやInstagramなどでもたくさん情報が出ていますよね!ご覧になりましたか?」
など聞いてみると、ご覧になっている方は多くのことを教えてくれます。

「こんな情報が載っていたけど本当ですか?」
「アライナーの交換頻度がクリニックによって違うけどどうしてですか?」などです。

ここで情報交換をし、正しい指導ができれば患者は安心することでしょう。
逆に曖昧な返答や、話を遮ってしまったりすると信頼関係は築かれず、今後患者は主治医に相談ができなくなるでしょう。そして解決の糸口をSNS上に求めていきます。

ヒアリングは歯科スタッフでもできます。スタッフの方が得意かもしれません。
その情報を主治医と共有することで患者は安心して治療を継続できますので、ぜひチームとして患者と同じ目線で取り組んでほしいです。

私のFacebookページで実際の一般ユーザーの方々の記事を掲載させていただいています。
生の声を感じるには便利な情報源になっていますので、もしよろしければご覧ください。



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著者


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マウスピース矯正のチーム医療とは?

第1回「矯正治療に対する患者のイメージ」
第2回「矯正治療のネガディブイメージを払拭するには」
第3回「チーム医療での要」
第4回「インビザライン治療における役割とやりがい」
第5回「光学印象と医院マネジメント」
第6回「現代のSNS影響力について」