どの組織でも必要であるにも関わらず属人的な側面を持つ採用業務について、解説と深掘りをしてまいります。
1〜4章と、なぜ採用し、どのような手段があり、募集時の注意点の確認もしてまいりました。
第5章では、見事応募があった!その後の話を解説いたします。お付き合いいただけますと、幸いです。
第3回目は、面接の場で実際に起きてしまったNG例を元に、よい面接を考えていければと思います。
求人票では読み取れない部分を、面接で見られている
応募者は、求人広告、人材紹介、スカウトメール、ハローワークなどの求人情報ではわからない「非言語的な情報」を、面接で感じています。
そのような場で実際にあったNG例を交え、3つのパターンに分けて紹介します。
① 面接内容が原因の場合
● 面接官が開始時間に遅刻したにも関わらず、特に何も言わずに面接開始・・・
● 面接中にかかってきた電話に出て、その間放置された・・・
● 面接が10分で終了した。何を見られているのかわからなかった・・・
(こう伝わるおそれがあります)人材を大切にしていない?
もちろん目の前の業務が忙しいとは思いますが、面接の時間帯は面接に集中しましょう。
応募者はなんとか時間をやりくりして面接に来ています。そのことに対しての敬意をはらった対応を心がけることが大切です。
② 面接官が原因の場合
● 話している途中、何度もあくびをされた・・・
● ずっとパソコンやタブレットの画面を見ており、目線をまったく合わせてくれなかった・・・
(こう伝わるおそれがあります)自分に興味がない?採用が大切ではない?
面接官自身の態度やマナーは、応募者が一番気にするポイントです。
自分の上司≒院長先生が面接官であるケースがほとんどのため、応募者は「どんな人と一緒に働くのか」を見ています。
一度「常識がない…」「雑な対応だな…」などのイメージを持たれてしまうと、選考辞退だけでなく、医院そのものへ悪い印象を与える危険もあります。
応募者の友人知人が候補になることもありますし、いつどこで関わるのかわかりません。相手を尊重したコミュニケーションを心がけるようにしましょう。
③ 面接官以外が原因の場合
● すれ違うスタッフから挨拶がない・・・
● 面接をしている部屋の壁の向こうから、スタッフへの怒号が聞こえた・・・
● 受付対応してくれたスタッフが疲れていた、イライラしていた・・・
(こう伝わるおそれがあります)歓迎されていない?人間関係が悪い?
応募者が面接に求めることに「何気ないありのままの医院情報」があります。
そのため、すれ違う職員さんや受付さんがどのような人か、雰囲気はどうか、患者さんとの関係は?などを気にして見ています。
「挨拶を必ずする」「明るい対応を心がける」などを意識するだけでも、よい印象を与えられます。
普段の来客対応から意識しておくことが、一番の近道かもしれませんね。
いかがでしたか?
もっとも大切なのは医院の「一貫性」です。
面接当日のみよい対応をしても、仮に採用して入社後に面接時と様子が異なれば、違和感を感じて短期離職に繋がってしまいます(デートの日だけ、よい顔をするようなものです)。
応募者は一貫した流れと全体を見ていると認識し、医院全体で採用する意識を心がけてください。
貴院の採用がうまくいくことを祈っております。