世界の歯科衛生士仲間たち vol.2 ハンガリーのDH Maria

他国の歯科衛生士はどんな風に働いているのだろう・・?

そう思ったことはありませんか?

私は10年間アメリカで歯科衛生士として勤務し、2012年に日本に帰国しました。

そして帰国してからも変わらず、世界と繋がっています。すると、日本の歯科医院で働く上で活かせるヒントがたくさんあることに気づきます。

私はいつも、そんな海外研修や国際会議で得た情報を、少しでも日本の歯科衛生士仲間に届けたいと思っています。

そこでこのコーナーでは、これまでに出会った、各国で活躍する歯科衛生士さんをご紹介したいと思います。

今回は、ハンガリーで働く現地の歯科衛生士、Mariaです。

Maria

今回は、初回で皆さんにご紹介したスエーデンの歯科衛生士 Jessicaとも仲良しの、ハンガリーの歯科衛生士 Mariaをご紹介します。
(vol.1はこちら:世界の歯科衛生士仲間たち vol.1 スウェーデンのDH Jessica

Mariaは1996年に歯科衛生士免許を取得し、1998年からハンガリーで歯科衛生士の講師をしています。現在は、歯科衛生士だけでなく、医療専門学校の講師もつとめています。

離れていても、常に繋がっている世界の歯科衛生士仲間の1人です。

彼女から、ハンガリーにおける歯科衛生士教育と、歯科衛生士の働き方について、お話を聞いてきました。

Maria(左)と私
Maria(左)と私

ハンガリーの歯科衛生士教育について

ハンガリーでは、1996年に歯科衛生士の臨床実習が開始され、これまでにおよそ3,000〜4,500名の歯科衛生士が、この臨床プログラムを卒業しています。

この臨床実習では、EU基準に従って座学の講義と実習を行っていましたが、現在ハンガリーには、歯科衛生士業務を行うためのコースが2つ用意されています。

1つ目は、440時間のプログラムを受講すると取得できる認定資格で、歯科助手として1年間の実務経験があれば、受講することができます

このプログラムでは、予防歯科、歯の解剖学、歯周病などといった座学の講義と、チェアサイドでの実習や、保健指導のトレーニングを行います。

講義修了後には、筆記試験・口頭試験・実技試験の3つの難しい専門試験があり、合格すると認定資格を取得できます。

2つ目は、歯科衛生士の学士(BSc)コースです。

BScは2014年にセゲド大学からはじまった学位で、このトレーニングは、スイスやアメリカ、イギリスのモデルに基づく非常に新しいプログラムです。

トレーニングは8学期まで、フルタイムで実施され、修了時には、卒業証書が発行されます。

このプログラムでは、生命科学、歯科学、保健科学、行動科学といった科学分野から、保健指導や保健開発の知識を学びます。

BScコースの最大の特徴として、より広い範囲の分野を学ぶことで、理論的基礎に基づく実践的な知識を身につけられることが挙げられます。

学生に指導するMaria
学生に指導するMaria

ハンガリーの歯科衛生士の働き方

1つ目の認定資格を取得した歯科衛生士は、公営または私営の診療所で働くことができ、歯科医師の立ち会いの下で予防歯科処置ができます。

一方で、2つ目のBScの学位を取得した歯科衛生士は、歯科医師の監督がなくても、予防歯科処置を行うことができます。また、歯科医師の管理下では、補綴物の研磨や裂溝の封鎖、歯科検診といった臨床的介入を行うこともできます。

世界の歯科衛生士仲間たち vol.2 ハンガリーのDH Maria

世界中に歯科衛生士の仲間がいると、日本とは異なる環境で頑張っている歯科衛生士がたくさんいることがわかります。

私がスタートさせた「歯科衛生士国際交流会TeamGrin’n」という交流会では、日本全国の学びたい歯科衛生士が集まり、定期的に勉強会を開催しています。

2年に一度行っている海外研修では、海外の情報を得るだけではなく、日本の歯科事情も海外に向けて発信しています!

希望者には、研修前にプロの英会話講師から指導を受け、現地でしっかり英語を使って歯学を学べるようにトレーニングも行っています。

興味のある方は、ぜひ参加してみてください。Come and join us!

お問い合わせはこちら

歯科衛生士国際交流会 TeamGrin’nのfacebookページへ
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