現役歯科衛生士のセミナーレポート 第8回〜そうだ、セミナーに行こう。〜

こんにちは、歯科衛生士の福田有花と申します。

歯科医療従事者向けのセミナーは、数多くあります。

この記事では、これまで実際に参加したセミナーの中から、「とても勉強になった!」と思った内容を、歯科衛生士の目線でご紹介していきます。

どんなセミナーがあるのか?どんなきっかけで受講したのか?またその内容は?などといった疑問を解消し、セミナーに足を運ぶきっかけになれば嬉しいです。

今回も、イエテボリ大学歯周病科研修コースについてレポートします。

Part1〜3はこちら

第5回 イエテボリ大学歯周病科研修コース Part1
第6回 イエテボリ大学歯周病科研修コース Part2
第7回 イエテボリ大学歯周病科研修コース Part3

スウェーデンのお菓子
講義の合間のフィーカ

イエテボリ大学研修3日目は、歯周病科スペシャルクリニックの見学へ。私はスウェーデン人、イラン人など3名の患者様を見学させていただきました。

さすが歯周病の専門クリニックというだけあって、ヘビースモーカーや重度の歯周病などの難症例が多く、他院からの紹介患者様ばかりです。

見学をしていて一番驚いたことは、ヘビースモーカーの患者様に禁煙のアプローチをしないということ。

その理由は、患者様は禁煙をするために歯医者にきたわけではないからということでした。こちらではそれが“余計なお世話になる”という考え方のため、禁煙を希望されている患者様は内科に紹介するそうです。

なるほど〜と深く納得しましたが、その裏にはそれぞれ分野のスペシャリストが責任を持って仕事をしているからこそできることだと感じました。

スウェーデンの歯科衛生士さんを見ていると、自分にしかできない技術をもっともっと研ぎ澄まし、力を分散させずにひとつの知識を深く広めていくことを実践していると感じました。

枝葉の部分の知識を広げるのではなく、自分の専門に特化していくことが“極める”ということなのだと教わった気がします。

日本の歯科衛生士さんも自分にしかできないことを深め極めていくことで、もっと自信を持って仕事ができるようになるだろうし、仕事が楽しくなることに繋がると思いました。

そして、臨床を30年続けている歯科衛生士さんからは、「患者様と接していく中で、患者様の不安を一つひとつ取り除きクリアにしていくこと、患者様に共感すること、患者様に正直であることを大切にするように心がけている」と教えていただけました。

やはり現地で活躍している歯科衛生士さんの声は、響きますね〜!!

私も臨床では、この心がけを大切にしていこうと思いました。

研修で仲良くなったメンバーと自由時間にクルージングへ
研修で仲良くなったメンバーと自由時間にクルージングへ

おまけ〜スウェーデンの歯科事情〜

余談ですが、スウェーデンのスペシャルクリニックでは、「スペシャリスト料金」がチャージされるそう。

また、自治体によっても違いますが、イエテボリは24歳まで医療費が無料。もちろん矯正治療も24歳まで無料ですが、機能障害のある人から治療を優先されるため、審美希望の矯正は後回しになり、3〜4年待ちになることも。

このように、24歳まで無料ですが、それ以降は低所得者であっても高齢者であっても公立のクリニックであれば料金は一律ということを考えると、やはり日本は恵まれているのかな?

物価や保険制度が違うので比較しようもないけれど、そんなことを感じた一日でした。

現役歯科衛生士のセミナーレポート〜そうだ、セミナーに行こう。〜

第1回 MPC 歯科衛生士コース コミュニケーションとセルフケア
第2回 MPC 歯科衛生士コース 対象患者別の予防歯科
第3回 MPC 歯科衛生士コース 総仕上げとプチ・プレゼン
第4回 フッ素セミナー
第5回 イエテボリ大学歯周病科研修コース Part1
第6回 イエテボリ大学歯周病科研修コース Part2
第7回 イエテボリ大学歯周病科研修コース Part3
第8回 イエテボリ大学歯周病科研修コース Part4