みなさんこんにちは、中原三枝です。
歯科医院には、「就業規則」といった少しかたいものから、「暗黙のルール」とよばれるようなものなど、さまざまなルールがあるかと思います。
みなさんの歯科医院にはどんなルールがありますか?
この連載では、歯科医院ではたらくみなさんが日ごろ守っている院内ルールについて、客観的な視点から考えてみたいと思います。
第5回は、「患者さんからのいただきもの」のルールについて。
みなさんが勤務している歯科医院ではどうかということを考えながら、読みすすめてみてください。
その他のルールはこちら
患者さんからのいただき物に関してのルールってあったほうがいい?
みなさんの歯科医院には、患者さんからのいただき物リストってありますか???
患者さんから「感謝」の印として、色々なものをいただくことってありますよね。
- お菓子や飲み物
- 果物
- 畑でとれたもの
- 小物
- 手作りの食べ物
- 絵画
- 写真
- 趣味の作品
スタッフさんにとっても、
- 超嬉しいもの
- そうでもないもの
- 分けるのに困るもの
- 処分に困るもの
いろんなものがありますよね。
では、いただき物をした時の「流れ」ってどうなっていますか?
その流れは、スタッフ全員でシェアできていますか?
よくある事例
院長はいただいたことを知らなかった
スタッフが勝手に食べてしまっていた
その日に出勤していないスタッフの分が何も残っていない
担当に知らされておらずお礼が言えなかった
「美味しかった?」の患者さんからの問いに答えられない
いただいた絵が壁に貼ってあり10年経っても処分できない
「私のあれはどこに飾ってあるの?」に困った
院長が「俺は甘いものが苦手なんだ!」と本人に聞こえるように言ってしまった
手書きのお礼状が結構負担になっている
こんなことまで?と思うかもしれませんが、「食べ物の恨みは怖い」のです。
ある医院でバイトをしていた衛生士専門学校の生徒が、自分にお菓子を分けてくれなかったことを、学校の友達に「ひどい!」と言っていました。
他の生徒も「えーありえない!ひどい!!かわいそう」なんて盛り上がっていて、その医院は「ひどい医院」というレッテルが貼られてしまったのです。医院にとってはお気の毒な話。
受け止める側がそう感じてしまったら、それは事実になってしまう「逆セクハラ」みたいなものですね。
同様に、バイトのスタッフに限らず、他のメンバーがどう感じているのかを考えてみましょう。
ルールがないと、何気に「被害者」が出る原因になってしまいます。
では、お礼に関してのルールってありますか?
食べた人だけがお礼を言う
たまたまその患者さんを担当した人が言う
その患者さんがいらした時に受付が言う
院長が代表して言う
スタッフ一人ひとり患者さんのところに行って言う
お礼を言った後にお礼状を書く
受付が気持ちのお返しで歯ブラシを渡している
奥様が相応のちょっとしたお返しをしている
お土産を持ってきていただいた患者さんに対して、その場ではお礼を言えたものの、中身を食べた感想は、いつ言えばいいのでしょう。
次回来院の予約を取った段階で、みなさんでルール化したことをチェックしましょう。
さらに患者さん来院の当日は朝礼にて全員に周知し、どのような形でお礼を言うのか、話し合って決めておくといいでしょう。
お礼を言うタイミングも大切ですが、その時にいらっしゃる他の患者さんにも気を使ってくださいね。話を聞いて不愉快になる患者さんもいるかもしれませんから。
心遣いに対して、きちんと「気遣い」をしましょう。
細かいことですが、そんなことまで気を使えるスタッフが育っていくといいですね。
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