歯科衛生士ってどんな仕事?【2020年版】

「医療系」の仕事はたくさんありますが、もっとも身近なところでいえば、病院で働いている医師や看護師、歯科医院で働いている歯科医師がイメージしやすいのではないでしょうか。

そのうち「国家資格」であり、3年で手に職をつけられる職業としても、女性に人気の「歯科衛生士」という職業について詳しく紹介していきますね。

[目次]

1.歯科衛生士って何?
2.歯科衛生士の仕事内容は?
3.歯科衛生士に向いている人は?
4.歯科衛生士になるためにはどうすればいいの?
5.歯科衛生士学校の費用はどのくらい?
6.国家試験の合格率
7.歯科衛生士の給料
8.歯科衛生士の数と求人状況
9.歯科衛生士としての働く場所は?
10.歯科衛生士のステップアップ
11.世界の歯科衛生士事情_歯科衛生士が認められている!

1.歯科衛生士って何?

歯科衛生士(Dental Hygienist/略してDHとも呼ばれる)は、厚生労働省が認定している国家資格です。

国家資格とは国の法律に基づいて証明されている資格で、歯科医院においては欠かすことのできない重要な職種です。

一度資格をとれば更新は不要ですので、一生「歯科衛生士」としての肩書きを持つことができます。以前は最短2年で取得可能でしたが、医療に関わる大切な資格だということもひとつの理由に、2010年からはすべての学校が3年制以上になりました。

現在では、歯科衛生士課程を学べる学科が、さまざまな4年制大学で新設されており、歯科衛生士として活躍する場がますます広がっています。
(参考:明海大学も新規開設!4年制大学による歯科衛生士養成課程を徹底解説!

歯科衛生士って何?

2.歯科衛生士の仕事内容は?

歯科衛生士法 第2条では、次のように定義されています。

歯科衛生士は、厚生労働大臣の免許を受けて、歯科医師(歯科医業をなすことのできる医師を含む。以下同じ。)の指導の下に、歯牙及び口腔の疾患の予防処置として次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
(歯科衛生士法より抜粋)

また、歯科衛生士の主な業務内容は「 歯科予防処置」「 歯科診療介助」「 歯科保健指導」とされています。

これらの業務は、一体どんな内容をさすのでしょうか?

歯科予防処置

健全な歯を対象に行われる、むし歯や歯周病を予防するための処置のことをさします。具体的には、歯についたプラークや歯石をとったのち、再び汚れがつきにくいように仕上げる行為のことをいいます。

また、フッ素塗布やシーラントとよばれるような、むし歯予防の処置を行うことも、歯科衛生士業務のひとつです。

むし歯や歯周病を予防することは、患者さんが何歳になっても口から食事ができる手助けとなるため、重要な役割をになっています。

歯科診療補助

歯科医師の治療をサポートすることをさします。主に、患者さんの口にたまった液体を吸う「バキューム操作」や、器具の受け渡しのことをいいますが、患者さんの歯型をとったり、仮歯の調整や作製を行ったりすることもあります。

また、歯科医師が外科処置を行う際に、アシスタントとして手術をサポートすることも歯科衛生士の仕事のひとつです。

「歯科診療補助」は、歯科医師が治療をスムーズにすすめるために必要不可欠な業務です。しかし、歯科医師が行う治療を先読みできなければ、正しいアシストができないため、 治療に対する深い理解が必要です。

治療中はアシストだけでなく、患者さんの不安や緊張をやわらげるための声かけ、配慮を行うといったサポートも必要です。これは、治療に集中している歯科医師では気づきにくい部分でもあるため、広い視野を持ち、臨機応変な対応ができるように心がけます。

また、「スケーリング・ルートプレーニング(SRP)」とよばれる業務は、歯科衛生士業務の中ではとても重要です。目に見える歯石だけでなく、歯ぐきの中にまでついてしまった歯石をとり、歯周病の進行を防ぎます。高い技術力が必要なため、学校や勤務先で繰り返しトレーニングすることが大切です。

歯科保健指導

一般的に 歯磨き指導のことをさします。「歯科保健指導」では、歯磨きの習慣をはじめ、生活上のあらゆる問題点を発見し、改善策を提案します。

そのため、食生活や喫煙、睡眠時間などを含めた生活習慣について問診し、患者さんの背景を知るところからはじまります。

通り一遍の指導ではなく、患者さんの生活に合わせた指導を行わなければいけないため、患者さんの話をよく聞き、理解する力が必要です。

また、保健所や歯科医師会が開催する「母親教室」で、歯科保健指導を行うこともあります。

最近では、小児の口腔機能発達不全症や、高齢者の口腔機能低下症を改善するために、口腔機能訓練を行う歯科医院も増えてきています。そのため、さまざまな年代に応じた指導ができることを望まれます。

3.歯科衛生士に向いている人は?

歯科衛生士として働く人のうち、約9割は歯科医院で働いています。歯科医院は “医療施設”ですので、ある程度の清潔さは必要になります。

また、歯科医院は一般的な医療施設とは違い、一人の患者さんにしっかりと時間をお取りして治療や予防処置をするため、患者さん一人ひとりとコミュニケーションをとることが必要になります。

歯科衛生士には「患者さんのお口の中の悩みを聞きだす」ことが求められますので、患者さんに向き合って真剣に話を聞いてあげられる方や、お口の中のお悩みを一緒に解決して、患者さんに元気になってもらいたい!と思えるような方が向いているでしょう。

また、お口の中で細かい作業をすることが多いので、手先が器用な方や、物事に集中するのが得意な方にはとくに向いているお仕事です。

歯科衛生士に向いている人は?

4.歯科衛生士になるにはどうしたらいいの?

歯科衛生士になるには、歯科衛生士国家試験に合格する必要があります。

歯科衛生士国家試験の受験資格は、歯科衛生士養成課程が設置された教育機関(いわゆる歯科衛生士学校)に入学し、3年以上専門の知識や技術を学ぶと得られます。歯科衛生士学校に入学するには、高校卒業の資格が必要です。

① 歯科衛生士学校に入学するには

高校卒業の資格が必要です。高卒認定をもって、歯科衛生士学校を受験することが可能になります。

一般入試だけでなく、推薦入試やAO入試などの制度が設けられているため、歯科衛生士学校に入学することを決めた時期が早いほど有利です。

専門学校であれば、AO入試はだいたい6月ごろからはじまり、書類審査や面接に通れば8月ごろには入学が決まります。また、推薦入試は10月ごろからはじまることが多く、一般入試は11月ごろからはじまります。

選考では、簡単な実技試験や面接、小論文が行われることが多く、筆記試験を設けている学校もあります。

4年制の大学の場合は、センター試験や前期試験、後期試験といった通常の大学入試と同じ手順と思って動くといいでしょう。

② 歯科衛生士学校の種類と期間

歯科衛生士養成課程が設置された教育機関は、主に歯科衛生士養成専門学校、歯科衛生士養成短期大学、歯科衛生士養成大学に分かれています。

卒業まで、基本的には3年間の教育を必要としていますが、大学や大学に附属している学校では、4年間かけて歯科衛生士業務や必要な知識をしっかりと学んでいきます。

「夜間部」を併設している学校では、社会人になってから、 歯科医院で歯科助手として働きながら学校に通う方もたくさんいます。

他にも、在学中に介護職や医療事務の資格を取得できる学校や、留学支援を受けられる学校など、歯科衛生士としてさまざまな分野で活躍できるようなカリキュラムを組んでいるところもあります。

大学では、専門学校では学べない、一般教養の科目を学ぶことができます。各学校の特徴を知って、自分が通いたいと思う学校を見つけてくださいね。

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③ 歯科衛生士学校に通っている人

基本的には女性が大多数ですが、男性でも資格を取ることが可能ですので、男性が在籍している学校もあります。
(参考:男性歯科衛生士について調べてみました!

年齢層は、昼間部だと高校卒業後の10代、夜間部だと10代〜40代といった幅広い年齢層の方が通っています。

夜間部の場合は、歯科助手を経験してから歯科衛生士の資格取得にチャレンジする方が多いようです。ほかにも医療系や福祉系の仕事や、接客業の経験がある方などがいます。

④ 歯科衛生士学校で学ぶこと

大学の教授を務めている先生や、多くの臨床経験をもつ歯科医師や歯科衛生士の先生といった、プロの講師による講義や実習が行われます。

勉強内容は、解剖学や生理学、栄養学など、全身に関わることから歯科の知識全般など多岐にわたり、それらはすべて国家試験で出題される内容です。

ほかにも社会学や化学、歯科英語など、国家試験にはあまり出題されない科目もありますが、ひとつでも試験に通らなければ、進級が危うくなるため、まんべんなく勉強することが大切です。

⑤ 歯科衛生士学校での実習

歯科衛生士学校では、実際に歯科医院で使用する器具や、マネキン、顎模型を使った実習が行われます。

校内での講義や実習を終えたら、一定の期間、臨床実習を行う期間が設けられています。大学病院や総合病院、一般の歯科医院で、歯科衛生士の卵として診療のお手伝いをします。

実習先での評価は、就職活動にも影響するため、わからないことやできないことについては、なるべく早く解決しようとする姿勢が大切です。

dStyleでは、臨床実習生としてよい評価を受けるためのポイントをお伝えしています。こちらも参考にしてみてください♪
(参考:歯科衛生士 臨床実習生としての良き振る舞い vol.1 〜態度編〜

歯科衛生士になるにはどうしたらいいの?

5.歯科衛生士学校の費用はどれくらい?

一般に国立や県立の学校では3年間で100〜200万円、私立の学校では3年間で250〜350万円が学費の相場です。このほかに実習器材や消耗品(グローブ・マスクなど)の費用がかかることもあります。

また、学校によっては奨学金制度や教育ローンなどを用意しているところもあります。

6.国家試験の合格率

国家試験は1年に1回のみ、現在では3月上旬に行われています。平成31年に行われた歯科衛生士国家試験の合格者数は6,934名で、全体として受験者の合格率は96.2%でした。
(参照:第28回歯科衛生士国家試験の合格発表について-厚生労働省

過去5年の推移を見ても、歯科衛生士国家試験の合格率が95%を下回ったことはなく、この数値はほかの国家資格と比べても、とても高い合格率なので安定して合格できる資格といえます。

7.歯科衛生士の給料

とっても気になるお給料ですが、全国平均の年収は352万4,700円(平均年齢34歳)で、内訳としては月給(残業手当含む):26万200円+年間賞与:40万2,300円でした。
(参照:歯科衛生士の給与・年収・時給・退職金を徹底解説!

一般企業に勤める同年代の女性(30〜34歳)の平均年収は315万円ですので、歯科衛生士が37万円上回る結果となりました。
(参照:歯科衛生士の給与・年収は他の職業より高い?低い?

さらに歯科衛生士は「国家資格」ですので、子育てがひと段落してからまた働きはじめられるお仕事ですし、クリニックによっては時短勤務や週に数日の勤務など、ライフスタイルに合わせた働き方もできることを考えると、とても魅力的ですね。

8.歯科衛生士の数と求人情報

厚生労働省発表の平成30年 衛生行政報告例によると、現在実際に歯科衛生士として働いている歯科衛生士は全国で132,635人います。

やはり、女性として人生の大きな転機でもある結婚・出産を機に離職している方、そしてその後、復帰されている方が多いようです。

一方、歯科医院は全国に69,000軒ですので、単純計算でひとつのクリニックに2人の歯科衛生士が勤務しているということになります。しかし、他の職業と同様、歯科衛生士も首都圏や大きな都市に集中しますし、大きなクリニックにはより多くの歯科衛生士が勤務しているため、とくに地方では歯科衛生士が1人もいないクリニックも多数存在します。

歯科衛生士はクリニックにとって重要な職種ですから、歯科衛生士の勤務を望んでいる歯科医院は、これからもなくなることはありません。非常に就職しやすい職業といえるでしょう。

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9.歯科衛生士としての働く場所は?

多くの歯科衛生士の方々が各地の歯科医院で勤務していますが、少しめずらしい働き方をしている方もいます。本当にいろんな働き方がありますね!

10.歯科衛生士としてのキャリアアップ

歯科衛生士の国家資格を取得した後、さらなるキャリアアップを目指して学会などで制定している認定資格に挑戦することができます。

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身についた知識や技術は誰も奪わないので、歯科衛生士という仕事があなたにとって「 とってもやりがいのある素敵な仕事」になるといいですね。

11.世界の歯科衛生士

2019年に発表された、BEST JOBS 2019(アメリカの雑誌が発表した、なりたい仕事のランキング)では、たくさんある職業のうち歯科医師が4位に選ばれ、歯科衛生士は30位でした。

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世界では口元に対する意識の高さから、歯科に関わる仕事がとても人気。Dental Hygienist(歯科衛生士)はDentist(歯科医師)とDiscussion(話し合い)を積極的に行いながら患者さんの健康に向き合っているそうです。ちなみに、お給料もたくさんいただいているそうです!

今後日本でも、歯科の大切さはもっと広く国民に伝わっていきます。そしていつかなりたいランキングの上位に選ばれるように、盛り上げていけるといいですね。

あなたも「手に職」をつけてみませんか?

歯科衛生士はとっても素晴らしい職業ですよ♪