こんにちは。dStyle編集部のSaitoです。
みなさんは、「デンタルエステ」と聞いてどのようなものを思い浮かべますか?
お口まわりのエステ?ホワイトニングのこと?など、曖昧な方も多いのではないかと思います。
そこで、私が自費のデンタルエステを行っていた経験をもとに、詳しくお伝えできたらと思います。
これまで、3回にわたりデンタルエステの解説や主な施術についてお話してきました。
最終回となる今回は、私が行っていたデンタルエステ「表情筋&唾液腺マッサージ」と「エッセンシャルクリーニング」を組み合わせた施術について、解説していきたいと思います♪
これまでの記事はこちら
part1.デンタルエステとは?
part2.歯肉マッサージ編
part3.リップエステ編
表情筋&唾液腺マッサージとは
その名の通り、表情筋と唾液腺のマッサージを行う施術です。
口腔周囲の表情筋をほぐし、唾液腺を刺激することで唾液分泌を促します。
また、口腔内の血行を促進し、歯周病や口臭予防になるほか、ほうれい線予防などの美容効果もあります。
私は、このマッサージを次に説明するエッセンシャルクリーニングと併用して、一つのコースとして施術を行っていました。
エッセンシャルクリーニング(EC)法
みなさんは、エッセンシャルクリーニング(EC)法という言葉を聞いたことはありますか?
EC法は、スウェーデン発の歯ブラシ「TePe」を用いた、もっとも効果的といわれているクリーニング法であり、歯科衛生士が行うプロフェッショナルケアの一つです。
歯ブラシと歯磨剤を用いて、きめ細かい泡で歯を包みこみながらバイオフィルムが限りなく薄くなるまで徹底的に歯を磨き上げます。
EC法を終えた患者さんからは、「ちゃんと磨けているってこういうことなんですね!」「こんなツルツル感、初めての感覚です!」といった感想をもらえることも。
患者さんのブラッシングの概念を覆すような、私も大好きなブラッシング法です。
EC法を知れば、このブラッシング方法しかできなくなる方が多いのではないかと感じるほどです(笑)。
施術方法
それでは、実際に行っていた施術方法を簡単に解説していきたいと思います♪
準備するもの
- TePe歯ブラシ:さまざまな色を用意し、患者さんに選んでいただくことも施術の楽しみの一つとなります。
- 歯みがきジェル:しっかり泡立つもの。(私は、LIONのCheck-Up standardを使用していました。)
- デンタルフロス:ブラッシング前の清掃用。
- デンタルミラー:ブラッシング時の口唇や頬側排除に使用。
- 口腔内バキューム:ブラッシング時の唾液吸引用。
1.表情筋&唾液腺マッサージ
まず、精神のリラックスとブラッシング前の準備として、マッサージを行います。
表情筋マッサージは、さまざまな表情筋を外側からアプローチしていきます。
オトガイ筋→咬筋→口輪筋→小頬骨筋→大頬骨筋→鼻根筋の順にゆっくりプッシュしていきます。
次は、唾液腺。三大唾液腺を舌下腺→顎下腺→耳下腺の順にプッシュします。
3.デンタルフロス
外側からのマッサージを終えたら、全体的にフロスを通します。
ここで、大まかな食渣やプラークを落としておきます。
4.エッセンシャルクリーニング
そして、最後にEC法を行っていきます。
今回は、それぞれの箇所の歯ブラシのあて方についてお伝えできればと思います。
EC法は、歯ブラシのいちばん端の列を歯頸部へ置き、歯の丸みに対して密着させるように当てます。
また、2本ずつ磨くことで、歯面全体に毛先があたり、歯間部にも毛先が届きやすくなります。
臼歯部のあて方(咬合面、口蓋側面、頬側面)
咬合面は咬頭に合わせて、頬側内斜面→口蓋側内斜面の順に磨きます。
口蓋側面は、EC法の歯ブラシのあて方で磨きます。
頬側面も同様です。歯肉にヘッドがあたると痛いので気をつけます。
前歯部のあて方(咬合面、口蓋側面、唇側面)
咬合面は、歯ブラシを垂直にあてて磨きます。
口蓋側面は、動作範囲が狭いため、歯ブラシを斜めにして細かく動かしながら磨きます。頬側面は臼歯部頬側面と同様です。
下顎も同様の手順でブラッシングを行いますす。
EC法は、歯ブラシのあて方以外にも、磨く順番や歯ブラシの動かし方、舌の排除法、ポジショニングなどもとても重要なブラッシング法です。
施術側としては、効率的にバイオフィルムを除去することができ、患者さんには、エステのような感覚で受けてもらえるので、リピートにも繋がりやすいです。
私の勤めていた歯科医院では、デンタルエステの一貫として取り入れており、う蝕や歯周病の予防として、定期的に施術を受けられる方が多くいらっしゃいました。
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いかがでしたか?
少しでも、デンタルエステに興味をもっていただけると嬉しいです。
今後、デンタルエステがさまざまな歯科医院に普及することで、歯科衛生士にとっても患者さんにとっても、モチベーションアップや心地よい時間を増やすことができるのではないかと感じています。
ぜひ、みなさんの今後の施術のアイデアの一つとして、視野に入れてみてくださいね♪