チーフ歯科衛生士のおすすめアイテム集 No2.歯周治療の基礎を網羅『歯周病学』

みなさん、こんにちは。歯科衛生士の一之瀬です。

今回の連載では、歯科衛生士として長く働く中で見つけた、私の愛用品をご紹介させていただきます。

第2回目は、患者さんを担当するにあたり、歯周組織・歯周病・歯周治療の基礎知識としてかならず知っておいてほしいこと、知っておかなければならないことを学ぶためにおすすめの書籍をご紹介させていただきます。

おすすめアイテムNo2.『歯周病学』(永末書店)

『歯周病学』詳細はこちら
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20年前、私が新人の頃に初めて患者さんを担当させていただき、歯周治療を施術するにあたって不安や疑問を解消する手段の一つがこの書籍でした。

お昼休みや診療後に毎日手に取り、気が付けば付箋だらけになっていたのを覚えています。

多くの歯科衛生士は、入職後にさまざまな経験を経て患者さんを担当するようになり、その後は毎日のように歯周治療を施術していることと思います。

私の場合、入職後3ヶ月間は主に先生の治療のアシスタント業務を行っていました。それと並行して矯正治療やインプラント手術の見学、アシスト補助そして受付業務も経験させていただきました。

この3ヶ月間では、後に患者さんを担当するにあたってとても大切なことを学んだ期間でした。その後、1ヶ月が経過してから、先輩歯科衛生士と一緒に初めて患者さんを担当しました。

このとき、学校で学んだことがすべてだった私は、患者さんを担当し歯周治療を施術するにはすべてにおいてこと欠く状態でした。

そのため、歯周ポケット検査・スケーリング・SRPといった歯周治療の技術面においては歯科衛生士の先輩に指導していただき、顎模型やスタッフの口腔内で練習に励みました。

加えて知識面において、自分が行う施術の目的、意味を学ぶためにもっとも重要で大きな役割を果たしてくれたのが、この書籍でした(前回の連載でもお話ししましたが、私には「理由なき行動はしない」という信念があります)。

『歯周病学』のおすすめPOINT

① 歯周組織の成り立ち、基礎知識を学べる

これから歯周治療をはじめる新人歯科衛生士の方にとっては、歯周組織の成り立ち、基礎知識を学ぶために役立つ一冊です。

これから歯周治療を施術するにあたって視診で得る情報に加え、診査・診断(通常の診療では歯科医師が行うもの)を行うために必要用不可欠な知識を学ぶことができます。

② 原点に立ち返ることができる

臨床経験の長さに関係なく、自分が行っている施術に不安や疑問を抱くことがあるかと思います。

なぜ、この施術を行っているのか。目的や選択理由に迷いが生じた場合は、まずは原点に返り、自分自身の基礎知識の理解度を確認することが重要です。その一役を担うことができる書籍です。

③ 歯周治療の導入や患者さんからの質問対策に役立つ

歯周治療をこれからはじめる患者さんへ、その必要性を検査結果とともに詳細かつ具体的にお話しするときがあるかと思います。

患者さんのモチベーション維持や信頼関係構築のためには、専門家としての助言が必要です。その際に必要な知識を得るために役立ちます。

④ 勉強会で活用できる

歯周組織、歯周組織の病態、また歯肉炎や歯周病の治療法についての知識を深めるため、項目ごとに勉強会で取り上げるのも良いかと思います。

私自身、後輩歯科衛生士から質問を受けたときや院内の勉強会でこの書籍を活用することがあります。

身近にいる大切なスタッフには私がこれまでにいただいた良縁(人・物・環境)をどんどん引き継いでいきたいと思っています。

同じ書籍でも他人、感覚、学び方、活用方法は異なるもので、間近でその様子を見ることが、私の学びにもなっています。

episode talk

この書籍は前クリニックに入社当初、院長先生が購入してくださいました。「この本で歯周病を勉強しなさい」と、医局で手渡しされたのを覚えています。

初見では書籍の重厚さと文字の多さに驚き、「読めるのかなぁ~」と不安になりました。

何度か「よし、勉強するぞ」と、気合を入れてはみるものの、一枚一枚ページをめくっては閉じるという挫折を繰り返した過去があります。

厚みのある当書は歯科衛生士人生において永久保存版の一冊
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ですが、いざ自分が患者さんを担当し歯周治療を施術することになったとき、不安や疑問を解消するために大いに役立ちました。また、経験を積んでからも、改めて基礎知識などを確認したいときには欠かせない大切な書籍となりました。

もちろん今でも、現役で活躍しています。いざというときにはかならず手に取るので、歯科衛生士という仕事を続けている限りは一生お付き合する書籍なのだと思っています。

このような出会いを下さった院長先生には感謝しています。

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『歯周病学』は、第一刷が発行されてから25年が経つ書籍です。

この数年の間に発行された書籍に比べると、カラー写真が少なく白黒の病態図や顕微鏡像などがあり、初見では難しく感じてしまうかもしれません。

ですが、項目ごとに繰り返し読むことで、本物の知識を得ることができると思います。

歯周治療に携わるすべての歯科衛生士の皆様におすすめいたします。

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