歯科食育士の視点から考える、歯にいい食事のポイント PART6 ハロウィン編

こんにちは。歯科衛生士の岡崎と申します。

歯科食育士やホワイトニングコーディネーターなどの資格も有しており、歯科界だけでなく幅広い方と情報共有ができれば幸いです。

口腔の健康は身体の健康のはじまりといわれています。そして、なにを食べるかの選択も等しく大切です。

患者指導においても、食に対する意識が高まれば、身体に対する意識も高まり、それは口腔環境への意識の高まりにもつながります。

この連載では、食品にどんな栄養素があり、どのような調理方法や組み合わせが効果的かなどについて、歯科食育士の視点からお伝えします♪

歯科食育士の視点から考える、歯にいい食事のポイント PART6 ハロウィン編

歯にいい食事のポイント PART6 ハロウィン編

歯にいい食事のポイント、第6回目のテーマはハロウィンです。

みなさんのハロウィンのイメージはどういったものですか?

かぼちゃ、おばけ、トリックオアトリート、仮装…などなど、さまざまなイメージがあると思います。

しかし、そもそもハロウィンとはどんな日なのかと聞かれると、よくわからない人も多いかもしれません。

ハロウィンの発祥はアイルランド。古代ケルト人などが行っていた「サウィン」というお祭りが、元となっているそうです。

  •  2月1日〜2月2日「インボルク(春のはじまり)」
  • 4月30日〜5月1日「ベルティネ(夏のはじまり)」
  • 8月1日「ルーナサ(秋のはじまり)」
  • 10月31日〜11月1日「サウィン(冬のはじまり)」

出典:アイルランド大使館 公式HP

また、ケルト暦では10月31日は年の終わりの日のことをいい、あの世とこの世の境界が弱まり、霊が帰ってくると思われていました。

霊はさまざまな姿に変わり降りてきます。ご先祖様の霊には食べ物や飲み物を用意しておもてなしを、悪霊は近づかないように焚き火や仮装によって悪霊を追い出すようになったようです。

その後アメリカに伝わったハロウィンは、現在の形へと変わっていきました。

今回は歯科衛生士がおすすめする、ハロウィンを盛り上げる料理や調理のポイントをご紹介します。

歯科食育士の視点から考える、歯にいい食事のポイント PART6 ハロウィン編

歯科衛生士の視点から考えるハロウィンのおすすめメニュー

① ボクスティ

ボクスティはアイルランドの伝統料理のひとつです。じゃがいも、卵、牛乳、小麦粉などを加えた甘くないパンケーキです。

じゃがいもはアイルランドでは昔から食べられていたもので、“ボクスティを作れないとお嫁にはいけない”と言われるほど、なじみのある料理でした。

また、アイルランドのサウィンでは肉料理を食べないという風習があったといわれています。そのため、じゃがいもを使用した料理が、ご馳走として重宝されたようです。

じゃがいもは象牙質を強くするビタミンCや代謝を助けるビタミンB1だけでなく、塩分の摂り過ぎを調整するカリウムも含まれています。

でんぷんが多く含まれているため、じゃがいもの栄養素は加熱にも強く、調理しやすい野菜といえます。

ボクスティ

② コルカノン

コルカノンはマッシュポテト、ケール、牛乳、バターなどの材料でつくられるアイルランドの伝統料理です。アイルランドのハロウィンの定番の料理としても知られています。

ケールは青汁の原材料として知られ、スーパーフードと呼ばれることもあるほど、栄養が豊富な野菜です。

キャベツと比較して、コラーゲン繊維合成効果のあるビタミンCは約2倍、歯や骨の強化に役立つカルシウムは約5倍、エナメル質を作るビタミンAへ変換されるβ-カロテンは、なんと約50倍以上含まれています。

ペースト状にすると苦味が増しますが、生で食べたり、加熱する際には苦味は少ないので、お子さんでも食べやすい野菜です。

ケールの苦味が気になる場合は、下茹でしたあとにマッシュポテトに混ぜましょう。

少し噛みごたえを出すために、ケールの茎もしっかり加えましょう。

コルカノン

③ パプリカの大豆ミート詰め

パプリカやピーマンに含まれるビタミンCは、熱に強く、コラーゲン繊維の再生を促進し、歯肉炎の予防に役立ちます。

ジャック・オーランタンのように顔をくり抜いて、ハロウィン感を演出してみました。

また、今回はひき肉の代わりに大豆ミートを使用しました。大豆食品は良質なタンパク質を含み、歯や顎骨などの成形に不可欠な栄養素であるカルシウムも豊富です。

大豆ミートはまとまりにくいので、加熱によって固まりやすい「つなぎ」が必要です。今回は、すりおろした山芋を使用してふわっと仕上がるようにしました。

大豆ミート食品は、加熱時に酸化した油の匂いが料理より目立ってしまうことがあります。そのため、加熱の際は熱に強く酸化しにくい菜種油か米油を使用するのがおすすめです。

パプリカの大豆ミート詰め

④ かぼちゃのクリームパスタ

ハロウィンといえばかぼちゃ。今回は、ビタミンAが豊富なかぼちゃに、まろやかなクリームを合わせたパスタを作りました。

ポイントはヨーグルトを加えること。酸味は唾液分泌を促し、口腔環境の保持・増進を助けます。また、さわやかな酸味とコクは、料理のアクセントにもなります。

具材にはかぼちゃ、玉ねぎ、アボカドを使用しました。

アボカドは免疫力向上、タンパク質の産生・分解・合成、脂質の代謝のサポートなどを行うビタミンB6が豊富です。ビタミンB6が不足すると、口内炎や貧血になりやすいといわれています。

他にも整腸作用のある食物繊維、抗酸化作用のあるビタミンE、コレステロールを下げる作用のある不飽和脂肪酸など、多くの栄養素が含まれています。

かぼちゃのクリームパスタ

⑤ アップルパイ

アイルランドでは、りんご飴のようにキャラメルをコーティングした「アップルキャラメル」を食べたり、タライに張った水に浮かぶりんごを口だけで取り出す「アップル・ボビング」というゲームがハロウィンの定番であるぐらい、りんごが目立つ存在となっています。

日本においても、りんごの収穫は8月下旬から11月中旬に行われており、10月には多くのりんごが旬を迎えます。

りんごに含まれるフッ素は歯の強化を手助け、ビタミンAはエナメル質を強くします。

旬のりんごは糖度も高いので、砂糖なしでも十分甘味が出ます。お好みでシナモンやハチミツ、レモンでアクセントをつけるのも良いですね。

アップルパイ

最後に

いかがでしたか?

今回はハロウィンの起源となったアイルランドの伝統料理も交えながら、5つの料理をご紹介いたしました。

なかなかお出かけのできない日々が続いていますが、おいしいご飯と健康な身体は、心を元気にします。

ぜひこの機会に今までとは違うハロウィンをお家でお楽しみください。

歯科食育士の視点から考える、歯にいい食事のポイント PART6 ハロウィン編

歯科食育士の視点から考える、歯にいい食事のポイント

PART1 クリスマス編
PART2 ひな祭り編
PART3 こどもの日編
PART4 七夕編
PART5 重陽の節句編
PART6 ハロウィン編