世界の歯科衛生士仲間たち vol.1 スウェーデンのDH Jessica

他国の歯科衛生士はどんな風に働いているのだろう・・?

そう思ったことはありませんか?

私は10年間アメリカで歯科衛生士として勤務し、2012年に日本に帰国しました。

そして帰国してからも変わらず、世界と繋がっています。すると、日本の歯科医院で働く上で活かせるヒントがたくさんあることに気づきます。

私はいつも、そんな海外研修や国際会議で得た情報を、少しでも日本の歯科衛生士仲間に届けたいと思っています。

そこでこのコーナーでは、これまでに出会った、各国で活躍する歯科衛生士さんをご紹介したいと思います。

今回は、予防先進国と言われているスウェーデンで働く現地の歯科衛生士、Jessica Andersonさんです。

Jessica Anderson

私の親友で、家族ぐるみでお付き合いのあるJessica。

イェテボリ大学歯周病学科の博士号を取得しており、現在は母校で准教授をつとめ、有名なLindhe教授の歯周病専門クリニックでも活躍しているすばらしい歯科衛生士です。

彼女から、スウェーデンにおける歯科衛生士教育と、歯科衛生士の働き方について、お話を聞いてきました。

スウェーデンの歯科衛生士教育について

スウェーデンの歯科衛生士教育プログラムは、3年で取得する180の単位と、1年間の臨床実習で構成されています。

歯科衛生士学校を卒業し、試験に合格した学生は、歯科衛生士の職業資格と、口腔衛生科学の学士号という学位を受け取ります。

スウェーデンでは、歯科業界全体がより多くの歯科衛生士に勉強熱心でいてもらいたいと考えています。
そのため、追加で180単位の教育プログラムを修了することで、修士号を取得できます。
その後さらに240単位を取ることで、博士号(PhD)を取得することもできます。

現在スウェーデンでは、35名の歯科衛生士が博士号を取得しています。

博士号を持つ歯科衛生士は、研究者や大学の講師、または准教授、主任教授といった職業に就いている人が多いです。

イェテボリ大学で准教授をつとめるJessica(左)と私
イェテボリ大学で准教授をつとめるJessica(左)と私

スウェーデンの歯科衛生士の働き方

スウェーデンの歯科衛生士の多くは、卒業後は公立または私立のクリニックで働きます。

クリニックでは、口腔衛生指導だけではなく、う蝕や歯周炎の予防や治療を行っています。

また、麻酔をすることも認められているため、専門家として自分自身の責任の下で働いています。

歯科衛生士の主な患者さんは歯周炎の方ですが、小児や高齢者の診察も行います。

スウェーデンの歯科診療所は、多くの地域で一般診療所と専門診療所の2種類がありますが、どの診療所であっても、歯科衛生士が在籍しています。

また、人々の口腔の健康を維持するために、保育所や学校、老人ホームで働いている歯科衛生士もいます。

sweden

Jessicaが働くクリニックには、日本からもいくつかのツアーが見学に来ているようで、もっと日本の歯科衛生士のみなさんと話したかったとつぶやいていました。

このように、世界中に歯科衛生士の仲間がいると、日本とは異なる環境で頑張っている歯科衛生士がたくさんいることがわかります。

私がスタートさせた「歯科衛生士国際交流会TeamGrin’n」という交流会では、日本全国の学びたい歯科衛生士が集まり、定期的に勉強会を開催しています。

2年に一度行っている海外研修では、海外の情報を得るだけではなく、日本の歯科事情も海外に向けて発信しています!

近年中にJessicaの元にも訪れる予定です。

希望者には、研修前にプロの英会話講師から指導を受け、現地でしっかり英語を使って歯学を学べるようにトレーニングも行っています。

興味のある方は、ぜひ参加してみてください。Come and join us!

お問い合わせはこちら

歯科衛生士国際交流会 TeamGrin’nのfacebookページへ
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世界の歯科衛生士仲間たち

vol.1 スウェーデンのDH Jessica
vol.2 ハンガリーのDH Maria