こんにちは。歯科衛生士の岡崎と申します。
歯科食育士やホワイトニングコーディネーターなどの資格も有しており、歯科界だけでなく幅広い方と情報共有ができれば幸いです。
口腔の健康は身体の健康のはじまりといわれています。そして、なにを食べるかの選択も等しく大切です。
患者指導においても、食に対する意識が高まれば、身体に対する意識も高まり、それは口腔環境への意識の高まりにもつながります。
この連載では、食品にどんな栄養素があり、どのような調理方法や組み合わせが効果的かなどについて、歯科食育士の視点からお伝えします♪
歯にいい食事のポイント PART4 七夕編
歯にいい食事のポイント、第4回目のテーマは七夕です。
七夕といえば、織姫と彦星が年に一度天の川を渡って逢瀬を交わすというエピソードで親しまれています。このエピソードが日本に伝わったのは奈良時代だといわれています。
七夕は、もともと日本で行われていた禊行事である『棚機(たなばた)』と、中国から伝わった手習いごとの上達を祈願する『乞巧奠(きこうでん)』という中国の行事が融合したという説が有力とされています。
江戸時代には「七夕(しちせき)の節句」として五節句の一つに数えられ、その頃から全国的に庶民の間で広がり、現在の七夕という行事になったようです。
今回はそんな七夕をたのしく過ごすための、歯科衛生士がおすすめする料理や調理のポイントをご紹介します。
歯科衛生士の視点から考える七夕おすすめメニュー
① ミニピザ
七夕といえばお星さま!
餃子の皮を使って簡単にできるミニピザは、お子さんでも簡単に作れるのでおすすめです。丸型もお月様のようでかわいいですが、星形も簡単にできます。
パリパリ食感をたのしめる皮の上に乗せる具材は、歯の形成に重要なカルシウムを含むチーズ、腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進し、骨や歯の形成を促すビタミンDの豊富なきのこ類、お子さんの好きなシャケフレーク、魚肉ソーセージなど、お好みで味や食感を楽しめるものにしてみるといいでしょう。
② 肉巻き
肉巻きに使用したオクラは切ると星形になるので、見た目も可愛らしいです。また、夏野菜としても有名で、カロテン、ビタミンB1・B2・C、カルシウム、カリウム、鉄分など多くの栄養素を含みます。
また、独特のネバネバは血糖値の上昇を抑制するペクチンと、胃の粘膜を保護したり疲労回復に効果のあるムチンを含んでいます。
今回はもう1種類の肉巻きの具材として、歯のエナメル質を強化するビタミンAを豊富に含んだにんじんを使用しましたが、これらの他にもお好みで野菜を巻くと、色鮮やかな食卓も楽しめるのでおすすめです。
③ カップサラダ
生野菜が苦手なお子様にも挑戦してもらいたいカップサラダ。
見た目が可愛らしいので、通常のサラダよりも手が伸ばしやすいと思います。ぜひ七夕などのイベントを使ってチャレンジしてみてください。
カップサラダのカップの部分は、生でも食べやすいトマトやパプリカがおすすめです。中身はレタスやトマト、チーズなど、ビタミンやカルシウムの取れる具材を入れます。
さまざまな触感や味を小さい時から経験すると好き嫌いが少なくなること、食物繊維の豊富な野菜類を食べることでだ液分泌が促され、むし歯予防や顎骨の発育につながることなど、いいことづくしです。
加熱しすぎると逃げてしまう栄養素もあるので、なるべく生野菜を使用することをおすすめします。
どうしても生で食べられないものに関しては茹でたり、野菜によっては細かく刻んだり、すりおろしたりすると食べやすくなります。
④ オムライス、そうめんなど
みなさんは『おかあさんはやすめ』という言葉を知っていますか?
これは現代の子供たちが好みやすく、時間のない保護者にとっても比較的簡単に調理できてしまう8種類の食べ物の頭文字を取った語呂あわせです。
- 『お』オムライス
- 『か』カレーライス
- 『あ』アイスクリーム
- 『さん』サンドウィッチ
- 『は』ハンバーグ
- 『や』焼きそば
- 『す』スパゲッティ
- 『め』目玉焼き(または麺類)
これらの食べ物は、柔らかく、噛む回数が少なくても食べることができ、また糖分や動物性脂肪が多く、高カロリーであることも特徴です。
『おかあさんはやすめ』の食べ物ばかり食べていると、生活習慣病のリスクが上がったり、口腔内の発達が遅れてしまうことが懸念されています。
これらと対照的に『まごわやさしい』の食べ物は、栄養価が高く、よく噛む必要があるため、身体やお口の健康維持、増進に役立つ食材の組み合わせとして注目されています。
- 『ま』豆類
- 『ご』胡麻
- 『わ』わかめ(海藻類)
- 『や』野菜
- 『さ』魚
- 『し』椎茸(きのこ類)
- 『い』芋
しかし、『おかあさんはやすめ』の食べ物は子供にも人気で、保護者の方にとっても忙しい時には調理しやすいメニューになります。
もし『おかあさんはやすめ』の食べ物を食べるときは、『まごはやさしい』の食材を加えることで、栄養価を高め、よく噛める料理に近づけることができます。
ぜひ料理と、使用する食材を意識してみてください。
⑤ 七夕ドリンク
七夕は、デザート感覚のドリンクにも挑戦してみてはいかがですか?
七夕らしいブルーの色味は、着色料ではなく、「バタフライピー」というハーブから抽出しました。
バタフライピーはお水やお湯に入れるだけで、青い色味が出てきます。時間が経つと徐々に濃い青色になり、レモンなどを絞って入れるとピンク色になるなど、目で見ても面白いハーブです。
ハーブの一種であるバタフライピーは抗酸化物質、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富です。その量はぶどうの14倍ともいわれています。特に視力低下防止、生活習慣病の予防、冷え性の改善、花粉症対策などに有効なハーブです。
味にも癖がないので、今回は炭酸に入れてクリームソーダにして、金箔をアクセントにのせました。ホットでもアイスでも楽しめるハーブティーなので、おすすめです。
普段あまり触れることないハーブも、デザート感覚で取り入れると楽しみやすいと思いますので、この機会にぜひ試してみてください。
徐々に青色が濃くなる様子や、レモンを入れてピンク色に変わる様子など、色の変化を楽しむのも実験のようで面白いですよ。
最後に
今回は、七夕におすすめなお料理と調理のポイントなどのご紹介をいたしました。
今年はどんなお願いごとを短冊に書きますか?
星空を眺めながらゆっくり、おいしく、健康的に、七夕をお過ごし下さい。
歯科食育士の視点から考える、歯にいい食事のポイント
PART1 クリスマス編
PART2 ひな祭り編
PART3 こどもの日編
PART4 七夕編