子どもの歯並びを守る「口育士」の仕事とは?

子どもの歯並びを守る「口育士」の仕事とは?

こんにちは。

むし歯をつくらない“新・歯磨き時間”をプロデュースしております、歯科衛生士・口育士の奥井みきです。

ママとこどもの歯磨き時間を「楽しみ」に変えることをモットーに、むし歯予防+お口育ての要素を取り入れた“新・歯磨き時間”を提案しています。

子供の歯

 

“お口育て(口育)”とは?

近年では、お口が育っていない子どもたちが多く、その背景には、食生活や遊び方、また核家族などの家族形態が変わったことが要因として挙げられます。

いちばんの理想は、小さな時期からお口を育てていくことにより、より健やかな身体づくりの過程で、将来の土台となる歯並びを作っていくこと。

しかし、現実的には、歯列矯正を強いられる子どもたちがとても多く、何か工夫できることはないのかと、自身の妊娠をきっかけに学びはじめたのが“お口育て(口育)”です。
(参照:0歳からはじめるこれからの「口育」-一般社団法人 日本口育協会

一般的にむし歯予防というと、「歯磨き」や「甘いものを控える」などを指し、みなさんの医院でも、さまざまな指導をされていらっしゃることかと思います。

私は、お子さんのお口を守るために、歯磨きと同じくらい大事にしたいことが、「お口育て」だと考えています。

お口育てをすることで、だ液が出やすくなりむし歯予防につながったり、呼吸がしやすくなることで、睡眠の質も上がったとのお声もいただいています。

生きるための呼吸、身体をつくる食事、人との関わりにコミュニケーションなど、それらすべてには「口」が関わっています。

そのため、お口育てとは「人育て」であり、「口」を整えることこそが、全身を整えることにも繋がっていくのです。

子供の歯磨き

 

現在勤めている医院では、通常の治療や検診に加え、何か私にできることはないか?と考え、親御さんとのコミュニケーションに力を入れてきました。

お悩みをヒアリングした上で、主にむし歯予防の知識やワンポイントアドバイス、“お口育て”の要素を取り入れた歯磨き、仕上げ磨きの方法をわかりやすくお伝えしています。

具体的には、通常の歯磨きの動きに加え、お口周りやお口の中の粘膜などを触ってもらうようにして、頬や口唇、舌などの動きを促すようにお伝えしています。

また、このアプローチは、歯の生える前の赤ちゃんからしていただけるものなので、0歳から歯磨き時間への下準備にもつながります。

子どもたちの多くは、口に歯ブラシを入れることに抵抗を感じやすいため、上手く汚れが取れず、お母さんも力いっぱいゴシゴシ磨きたくなりがち。

しかしそれでは、本来“親子の楽しい時間”であってほしい時間が、お互いに苦痛になってしまいますよね。

むし歯予防の方法というのは「歯磨き」だけではなく、他のアプローチでもできるのだと分かれば、完璧にやりこなそうとするプレッシャーから解放され、お互いの心の余裕を生み出すことができると思います。

そのためにも、むし歯予防の正しい知識を身につけ、お口を育てる。

そんな新習慣を取り入れていただくことで、あんなに苦痛だった歯磨きの時間が、“楽しい親子のふれあい時間”に変わっていくことを体感していただけると思います。

親子時間

 

毎日続けられる「歯磨き習慣」と「お口育て」について、ご家庭にあった方法をご提案していくことが私の使命のひとつです。

また、お子さまごとにお口の悩みが違い、ご家庭におけるライフスタイルも異なることから、「ご家庭ごとに適したアドバイスをする」といったことを心がけています。

お口育ての要素を取り入れた“新・歯磨き時間”を通して、むし歯予防だけでなく、親子のコミュニケーションを育み、自己肯定感を底上げしていけることが、私自身の活動における喜びになっているのだと感じています。

できないことを責めるのではなく、「小さなできること」を積み重ねていくこと。

生きる上で大事なことを、お口を通してお伝えしていけたらと思います。

歯科衛生士としても、ひとりの母としても、より豊かな笑顔あふれる社会にしてけるよう、これからも使命感をもち活動していきます。