歯科助手として働きながら、歯科衛生士にキャリアップしてみませんか?
近年、歯科検診・口腔ケアが注目されはじめ、社会全体から歯科衛生士の力が今まで以上に求められはじめています。
現役の歯科衛生士へのアンケートからは、「人や社会の役に立つ医療職」「手に職がつけ働き続けることができる」という歯科衛生士という仕事の魅力が見えてきます。
そして、歯科衛生士は就職にとても強い資格です。
そんな思いをチャンスに変えていく一手を提供しはじめている歯科衛生士学校があります。
WHITE CROSSでは、新宿鍼灸柔整歯科衛生専門学校で働く方々に “歯科助手から歯科衛生士へのキャリアアップチャンス” について取材をしました。
新宿医療専門学校の取り組み
新宿医療専門学校は、東京メトロ丸ノ内線の四谷三丁目駅から徒歩2分のアクセスの良い立地にある歯科衛生士学校です。
元々、中学校だった建物だけあって、都心の専門学校とは思えない、広々とした作り。鍼灸師や柔道整体師、そして歯科衛生士学校が入っており、専門学校というよりは大学のキャンパスに近い雰囲気です。
2018年2月某日、取材当日、歯科衛生学科長の利根川 幸子先生と、広報部の小倉 芳裕さんが取材に応じてくださいました。
社会人の受け入れに対応した歯科衛生士学校を開設した理由をお聞かせください。
小倉さん:本学の特徴の一つは、カリキュラムを午前部(9:00-12:15)と午後部(13:00-16:15)に分けており、社会人として働きながら歯科衛生士を目指せる体制にしていることです。
午前中は学生として学び、午後は歯科医院で歯科助手として働きながら歯科衛生士を目指している学生も多数在籍しています。またその逆の学生も数多くいます。もちろん、高校卒業してすぐに入学をしている学生もいます。
例えば今の3年生の午後部では、高校卒業後すぐに入学した学生と、歯科助手経験者も含む社会人経験のある学生が半々くらいですね。
歯科助手さんにとって、一度働きはじめてから手に職をつけるために学校に入るというのは相当なハードルです。
この枠組みを上手く活かしてもらうことができれば、歯科助手さん向けのキャリアパスの作成にもつながるのでないでしょうか?
今年、最初の卒業生が出ますが、この時代において本当に求められる大切な人材を輩出しているという意識を持ち、歯科業界に貢献できる学校でありたいという思いは強まっています。また、入学いただいた学生さんには、しっかりとした受け入れ態勢がある歯科医院に就職できるように指導していくことは学校としての義務だと感じています。
歯科助手経験者を多く受け入れられているとのことですが、クラスの雰囲気はいかがですか?
利根川先生:働きながら通える歯科衛生士学校ということもあり、年齢層は幅広くなっております。
高校卒業してすぐに進学してくる学生もいますが、歯科助手さんのキャリアの先に本学にきている学生さんは、歯科医院で経験を積んでから入学してきます。そのためか、特に歯科医療がどういうものかを知っており、学ぶことに対するモチベーションも高く、落ち着いています。
手に職をという思いの20代の学生もいますし、歯科衛生士という仕事に志を重ねた30代以上の学生もいます・・・いずれにせよ社会人経験を持つ学生の落ち着いた雰囲気が、より若い学生に良い影響を与えていると感じています。
SSJSのもう1つの特徴として、歯科衛生士の再就職支援を行われているとお伺いしました
小倉さん:歯科衛生士には、資格を持っていながら働いていない方が数多くいらっしゃいます。
その中に、歯科衛生士として働きたいという意欲をお持ちの方がいらっしゃいますが、臨床現場を離れて時間が経っていることが不安な方向けに、一般社団法人 人材教育支援機構様にご協力いただき、再就職支援トレーニングを提供しています。
本校には、10台のトレーニング用のチェアーがあります。平日は学生実習で使用しているのですが、学校がお休みの休日に、再就職支援トレーニングを提供することもあります。
社会人の受け入れに対応した歯科衛生士学校の学科長としての経験はいかがでしょうか?
利根川先生:私は、本学の歯科衛生士学科長としては2代目となります。私自身、実は大学を出た後に、金融機関で仕事をしておりました。
その後、歯科衛生士になり臨床経験を積んだ後に、恩師の先生のアドバイスで市町村の保険業務に携わる仕事を経験しました。
そこで、国・都・市の公衆衛生的な視点などを学びました。どのように口腔衛生の大切さをより多くの人に伝えていくかを真剣に考え行動をする仕事は楽しかったのですが、数年前にまたその恩師から、そろそろ今までの学びを活かして教育に携わってはどうかとのアドバイスをいただき今のキャリアに至ります。
本学には、歯科助手を経験し、歯科医療に対する理解が高い学生が多くいるのですが、学生にはより広い視野を持って欲しいと願いながら教育をしています。
目の前の患者さん、そして歯科医院に価値をもたらすのは当然です。それを越えて、この社会における歯科衛生が果たす役割の大きさや、歯科衛生士会の組織率の重要性についても知ってもらいたいと思っています。そういう意味で、これまでの経験が教育に活きています。
私が誇りに思っている歯科衛生士という職業を目指している学生さんは年齢を問わず可愛いです。学生さんが3年生にもなると、本学での3年間の間での成長を感じられます。それは本当に嬉しいことです。
教育を越えて、その先にある歯科衛生の価値を知ってもらい、広げていくことができたら・・・そう思い、日々学生と向き合っています。
また、私自身、臨床現場で働いていた際に、素晴らしい姿勢をお持ちの歯科助手さんに何人もお会いしました。同僚として、「この子、歯科衛生士に向いているし、そうなってくれたら・・・」と思うことがありましたが、社会人として生きているとどうしても目の前のことに必死になってしまいます。
その人材を活かせる・・・つまり歯科助手が歯科衛生士へとキャリアアップできる仕組みがあれば、それは人の人生を大きく変える素晴らしいものになります。サポートしてくれる環境さえあればトライしたいと思う方は沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
本学だけの取り組みで終わるのではなく、こういう取り組みが日本全体に広がってくれることを願っています。
学生さんへのインタビュー
WHITE CROSSでは、歯科助手から歯科衛生士へのキャリアを歩みはじめている現役在校生のYさんに話を伺った。
「私が歯科助手として働きはじめたのは、親が医療関連の仕事をしていたことがきっかけです。昔歯科医院で予防の処置を受けたことがあり、関心を持っていました。矯正の際に使う器具はどういったものがあるのかといったところにも興味があり、歯科助手になろうと決めました。
歯科助手として実際に働きはじめて、歯科助手は業務内容が限られており患者さんと関われる機会が少ないことを知りました。
自分に知識があれば・・・資格があればもっと患者さんの力になれるのに、それができない現状がもどかしかったです。
自分の持ってる知識、技術で患者さんがより健康になってほしい、もっと患者さんと関わりたいといった気持ちから歯科衛生士を目指しました。
今は、覚える量は多く、大変に感じていますが、治療計画を理解することができるようになり、大変さ以上にやりがいを感じることができています。
一通りの仕事の流れは助手でも理解することができるのですが、『この患者さんはこの薬を飲んでいるからこの治療をする』といった理屈の部分までの理解はできません。衛生士の勉強をはじめて、そういった部分を理解しはじめて、より患者様の力になれていると感じることができています。
今はまだ学生です。その先の遠い将来になるかもしれませんが、世界で通用する歯科衛生士になりたいと思っています。
日本のライセンスだけでは、通用しない部分が世界にはあるためたくさんの経験を積み、知識を身につけることができたら予防主体の考え方を広げていきたいです。患者さんには、健康な身体で人生を送って行ってほしいと強く思います。それができるのであれば、何歳になっても構わないと思っています。 」
当記事内容に関するお問い合わせ
* メールでのお問い合わせは、同じく広報部 小倉芳裕 y-ogura@ssjs.ac.jp 宛にてご連絡ください。