こんにちは。歯科衛生士の竹下と申します。この連載ではさまざまな書籍を歯科衛生士としての視点でレビューしております。
そして、若手歯科衛生士によるスタディーグループLeafを運営しており、都内を中心に気軽な勉強会や座談会を開催しています。
みなさまの明日からの臨床にお役に立てれば幸いです。
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DaiGoさん著『自分を操る超集中力』
安藤俊介さん著『はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック』
石田淳さん著『教える技術』
さて今月は、スペンサー・ジョンソンの著書『チーズはどこへ消えた?(2000年発行)」をレビューしていきます。
かなり有名な本なので、読んだことがある方もいらっしゃるかと思います。
今回は、新型コロナウイルスの影響を受け、歯科衛生士としてどのように変化に対応していくべきか、という視点でレビューします。
ざっくりとこの本のあらすじを紹介します。
ネズミたちは単純な思考回路のため、いつでも変化がないか嗅ぎ回っていました。なので、すぐに変化に対応することができました。
反対に小人たちは、物事を複雑に考え、いつまでも既存のものにしがみついているのでした。やがてそのうちの一人が行動を起こしはじめるのですが・・・。
この本で登場する「チーズ」とは、私たちが人生で求めるものであり、仕事や家族、財産、健康などの象徴です。
また、「迷路」とは、チーズを追い求める場所をあらわし、会社や地域社会、家庭などの象徴となっています。
すなわち、チーズを追い求める迷路の状況の変化に、いかに対応すべきかを説いた物語なのです。
今回は、「チーズ」を仕事、「迷路」を職場、「変化」を新型コロナウイルスによる影響と仮定して、3つのパートに分けてレビューします。
1.変化に素早く適応しよう
昨今の新型コロナウイルスの影響により、誰しも変化を強いられるようになってしまいました。
この状況において、過去にしがみついたり、以前と同じやり方をしていて良いと思う方はいるでしょうか?
こういう聞き方をすると、大抵の方は「NO」と答えるのではと思います。
ですが、実際はどうでしょう?変化に対応できていますか?
一時期ですが、歯科衛生士をはじめ歯科医療従事者は感染リスクが高いというニュースが流れました。
はたしてそれは本当なのでしょうか。また、そのために何か対策はしましたか?
未知の事態に不安にかられるのは、誰でも一緒です。
まずは現状を見直し、どうしたら安心して仕事ができるようになるのかを考えましょう。
そして同時に、患者さんが安心して来院できる仕組みができているかも考えましょう。
他にも、“非対面”でできることがないかを考えるなど、今後の不安に備えるために、自分たちができることを洗い出してみることをおすすめします。
2.変わろう!-一緒に前進する-
「withコロナ」「afterコロナ」という言葉もできましたが、変化を恐れず実行しましょう。先程のステップで検討したことを、実行に移すのです。
たとえば、エアロゾル感染対策のために、従来のようなスケーリングの手順を行えなくなってしまったのであれば、まずTBIから入って口腔内の細菌叢を減らす。
滅菌や消毒を徹底するために、院内のマニュアルを見直す。また、“非対面”でも行えるイベントとして、オンラインでのTBIや治療相談を行ってみる。
医院のSNSをはじめてみる、やりたかった勉強をはじめてみる・・・など、いろいろな行動を起こしてみることをおすすめします。
この新型コロナウイルスは、誰もが経験したことのない世界です。従来の方法に戻すことを考えるより、新しい行動を起こした方が、新しい考え方や新鮮な気持ちになれます。
3.変化を楽しもう
もし、新しい「チーズ(仕事)」が見つかっていなくても、そのチーズを楽しんでいる自分を想像してみてください。
想像することでそれが実現します。古いチーズに早く見切りをつければ、それだけ新しいチーズに出会える確率が上がるのです。
たとえば、新しい生活様式にそった歯科診療は、いまだ誰しもが模索中です。
それが分からなくても、「行動」に移すことを考えたり、実行している自分を想像してみてください。なんだかちょっとワクワクしてきませんか?
特に歯科衛生士は女性が多く、ライフスタイルや家族の事情で思うような勤務ができないことも多々あるでしょう。
もし、オンラインでの相談や勤務が認められたとしたら、もっと活躍できる歯科衛生士がたくさんいると思うのです。そういうアイデアを考えるだけでも、気持ちが前向きになれませんか?
いかがでしたか?
私はこれまでに、この本を何回か読んだことがあったのですが、今の状況にぴったりだなと感じ、深く読み込むことができました。
新型コロナウイルスは本当に、劇的に私たちの状況を根底から変えてしまいました。会いたい人に会えず、先行きも見えない状況。誰しもが経験したことのない事態に、疲弊しています。
ですが、この「変化」を受け入れて、自分や職場が変わるチャンスだと思えた人から、乗り越えられるのではないかと考えました。
従来のやり方でももちろん良いけれど、そこからステップアップできるような考え方をする方がずっと楽しいし、やりがいを感じませんか?
このレビューが少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。
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