こんにちは、歯科衛生士の竹下と申します。
若手歯科衛生士によるスタディーグループLeafを運営しており、都内を中心に気軽な勉強会や座談会を開催しています。
先月より、さまざまな著書を歯科衛生士としての視点でレビューしております。みなさまの明日からの臨床にお役に立てれば幸いです。
さて今月は、安藤俊介さんの著書『自分の「怒り」タイプを知ってコントロールする はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック(2016年発行)』をレビューしていきます。
現在、全世界的に新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各医院ではさまざまな対応がとられていることと存じます。
この記事を書いている現在令和2年4月18日は、日本全国に緊急事態宣言が発令され、都内での1日あたりの感染者数もいまだに3桁と、収束の見込みは遠いように感じます。
毎日暗いニュース、外出制限により出かけることもできず、そろそろ心身ともにストレスでこたえてきているのではないでしょうか。
こんな時は、いつも気にならなかったことや普段は見えなかったことに対しても、急にイライラしてしまうことが予想されます。
海外では厳しい外出制限によりDVが急増しており、日本国内でも児童虐待や「コロナ離婚」なんて話題も出てくるくらいになってしまっています。
おそらくこの記事がアップされる頃にはまた状況が変化していると推測していますが、こういった「イラッ」には、ぜひアンガーマネジメントをおすすめします!
2.自分の怒りタイプを把握しよう
3.怒りの癖をコントロールする
4.アンガーマネジメントができるようになるトレーニング各種
アンガーマネジメントとは?
アンガーマネジメントとは、「怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング」のこと。
怒らないようにするのではなく、「怒ってしまうことが問題なのではない。問題はそれをコントロールできないことだ」という考え方が根底にあります。
日本アンガーマネジメント協会代表理事を務める著書の安藤氏は、怒りの発生までには次の3ステップをたどるといいます。
- 怒りの対象のできごとに遭遇する
- できごとの意味づけ
- 怒り
みなさんは日々の仕事中に「イラッ」とすることとして、思い当たることはなんですか?スタッフの行動を例に挙げてみましょう。
この例のポイントは何でしょう?「取りかかってくれない」というできごとに対する意味づけです。この意味づけは、それぞれ人によって違います。
同じできごとであっても、腹立たしいと捉えることも、そうでもないことと捉えることもできます。アンガーマネジメントでは、このような判断の価値基準を「コアビリーフ」と呼びます。
つまり、このコアビリーフに照らし合わせ、自分の価値観にそぐわなかったときに怒りを感じるメカニズムになっています。
「〜するべきだ」と思っていることが目の前で裏切られてしまうと、怒りの感情が発生してしまうのです。
そのため、「〜するべき」の許容範囲を広げれば、自分の感情をコントロールしやすくなると本書には書かれています。
アンガーマネジメントのトレーニング方法
アンガーマネージメントができるようになるトレーニングのひとつに、「自分の許容範囲を広げる」という方法があります。
先ほどの例でいうと、
「Aさんに仕事をお願いしたのに、まだ取りかかってくれない」
→お願いするときに、お昼休みまでに取りかかってもらうように伝える
というように変えてみると、少しは感情を抑えられるのではないでしょうか。
そのためには、まずは自分の怒りのタイプを知り、どんなことに怒りを感じるのかを把握しましょう。
本書では、特典として自分の怒りタイプ診断がありますので、ご興味のある方はぜひやってみてください。
そしてその怒りタイプを把握したら、いよいよ「自分の許容範囲を広げる」ことにチャレンジしましょう。
また先ほどの例ですが、「仕事をお願いした」ことに対するAさんの行動は、いくつか考えられます。
- 言ったことをすぐに取りかかってくれ、完了した
- 言ったことに対し後で取りかかるといった
- 途中までやって残りは後でやると言った
- まったく何もしてくれない
これらの行動が、上の図のどのゾーンに当てはまるかは、人それぞれですね。
OKゾーンや許容ゾーンを広げることは、すぐにできることではありません。
自分が怒りを感じたことに対し、一つひとつ検討していく地道な作業が必要ですが、自分が気持ちよく生活するためにも、ぜひおすすめの方法です。
NGゾーンを上手に伝えよう
最後に、自分のNGゾーンを相手に伝えることも必要です。
本書には、良好なコミュニケーションを構築する方法として、必要なときに上手に怒ることが大切だと書かれています。つまり、「自分の感情に責任を持つ」ということ。
「これだけはイヤ」ということを相手にしっかり伝えましょう。そのときの伝え方も大事です!相手に不快感を与えないような言い方ができるとベストですね。
「Aさん、忙しいところを申し訳ないのだけど、お昼休みまでにこの仕事をお願いできますか?もし難しいようであれば教えていただけますか?完了できないと、明日の仕事にも影響が出てしまい、患者さんに迷惑がかかってしまうので、避けたいのです。」
というように、相手を尊重しつつ、自分のNGゾーンも伝えられるといいですね。
現在アンガーマネジメントは、ビジネスの場でも必要とされ、注目を集めている心理トレーニングのひとつです。
家にいる時間が長くなる今だからこそ、ゆっくり自分の感情に向き合うのはいかがでしょうか。
今回はスタッフ間で発生しがちな「怒り」をテーマにしましたが、家庭や友人との関係など、生活のすべての場面で活用できるでしょう。
楽しく仕事を続けるためのスタディグループLeaf
スタディグループLeafでは、アンガーマネジメントを少しずつ学び、自分の感情をコントロールし上手に怒れる、しかれる技術を身につけるための勉強会を不定期で行っております。
勉強会といってもカリスマ有名DHさんをお招きするのではなく、学校で知り合った同期、セミナーで出会った先輩などに教えてもらうなど、本当に気軽に学べる環境を作りたいのです。
会議室などで模型を使いながらコツを教えてもらう。
メンタルが弱ってきたら、ちょっと励ましてもらう。
そんなスタディグループLeafで、一緒に楽しく歯科衛生士を続けませんか?
ご興味のある方はぜひブログにコメントをくださいね。
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現役歯科衛生士のBookレビュー
DaiGoさん著『自分を操る超集中力』
安藤俊介さん著『はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック』