歯科のお仕事完全マニュアル 第12章 小児患者さんの治療 STEP3 根管充填

生活歯髄切断法、または抜髄によって清掃された根管に、最終的なペースト状の薬をつめる治療のことを根管充填といい、RCF(アールシーエフ)根充(こんじゅう)ともいいます。

充填された後は、セメントでフタをします。その上から、CRまたは乳歯冠をかぶせることもあります。

生活歯髄切断法の場合

生活歯髄切断法の場合

抜髄の場合

抜髄の場合

STEP3では、小児患者さんの根管充填を行う際に準備する器具や、治療の流れについて説明します。

第12章 小児患者さんの治療 STEP3 根管充填

1.根管充填の準備

基本的に準備するもの

超音波スケーラー あるいは タービン + ポイント
根管貼薬剤(こんかんちょうやくざい)
超音波根管洗浄チップ
超音波根管洗浄チップ
ペーパーポイント あるいは 綿栓
ペーパーポイント あるいは 綿栓
セメント

ベースセメントで仮封している場合や、治療後に乳歯冠を被せる場合、タービンを準備します。

根管貼薬剤(こんかんちょうやくざい)として、水酸化カルシウム製剤(ビタペックスなど)を使用します。

必要に応じて準備するもの

表面麻酔 + 浸潤麻酔
ラバーダムセット
ラバーダムセット
CRセット あるいは 乳歯冠セット

CRセットは「第8章 STEP1 CR」、乳歯冠セットは「第12章 STEP4 乳歯冠とクラウンループ」の準備の項目をご覧ください。

2.治療の流れとアシスタント

① 麻酔を行う

前回の治療が生活歯髄切断法の場合、表面麻酔や浸潤麻酔を行います。

  • 小綿球に表面麻酔を適量塗布しておく
  • 注射を組み立てておく
  • 注射中にもれた麻酔薬をバキュームで吸う(術者による)

② 仮封材をはずす

アシスタントスタッフは、タービンをセット、または、スケーラーのパワーを最大にしておきます。

③ 根管充填の準備

術者が根管内を洗浄、乾燥します。

④ 根管充填

水酸化カルシウム製剤(ビタペックスなど)を根管内に注入します。

根管充填

⑤ 根管充填材を密封する

練和したセメントを使用し、根管充填材を密封します。

根管充填材を密封する

⑥ CR充填、インレー・乳歯冠の製作を行う

  • 同日に行う場合 → つづけてCR、インレー・乳歯冠の作成を行う
  • 別日で行う場合 → CR、またはインレー・乳歯冠で予約をとる

CR充填、乳歯冠の製作を行う

セメント充填で治療終了とする場合、⑥は行いません。

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第12章 小児患者さんの治療

STEP1 シーラント
STEP2 大きなう蝕の治療
STEP3 根管充填
STEP4 乳歯冠とクラウンループ