根尖病巣が感染根管治療では治らない場合、病気を外科的に直接切りとる治療をすることがあります。これを歯根端切除といい、根切やアンプタ、アピコともいいます。
術後は、必要に応じて鎮痛剤や抗生物質を処方します。
STEP6では、歯根端切除を行う際に準備する器具や、治療の流れについて説明します。
第11章 外科治療
STEP1 注意点と切開・排膿
STEP2 抜歯の方法と器具
STEP3 P抜歯・普通抜歯
STEP4 残根抜歯
STEP5 埋伏抜歯
STEP6 歯根端切除術
STEP7 SP・抜糸
1.歯根端切除術の準備
① | 表面麻酔 + 浸潤麻酔 |
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② | 消毒用綿球(ヨードなど) |
③ | メスホルダー(ブレード) + 替刃メス |
④ | 外科用バキューム |
⑤ | 剥離子(はくりし) |
⑥ | 鋭匙(えいひ) |
⑦ | ガーゼ |
⑧ | ストレート + ラウンドバー |
⑨ | 生理食塩水 + シリンジ |
⑩ | 縫合(ナート)セット |
2.治療の流れとアシスタント
① 麻酔を行う
- 小綿球に表面麻酔を適量塗布しておく
- 注射を組み立てておく
- 注射中にもれた麻酔薬をバキュームで吸う(術者による)
② 術野を消毒する
消毒用綿球で術野(じゅつや)を消毒します。
③ 歯肉を切開する
メスで歯肉を切開(せっかい)します。
- メスホルダーに替刃をセットしておく
- 外科用バキュームで血液を吸い、術野を見やすく保つ
④ 歯肉を剥離させる
歯肉を剥離(はくり)させます。外科用バキュームで血液を吸い、術野を見やすく保ちます。
⑤ 骨切除と歯根端切除
- 通常のバキュームで、ストレートから注水される水を吸う
- エキスカベーターでフラップをおさえ、術野を見やすく保つ
⑥ 逆根管形成
マイクロスコープやCT画像を用いることもあります。
⑦ 逆根管充填
マイクロスコープやCT画像を用いることもあります。
⑧ 生理食塩水で術野を洗う
- 通常のバキュームで、生理食塩水を吸う
- 生理食塩水が入ったコップを、術者がシリンジで生理食塩水を吸引できる位置で持つ
⑨ 縫合
⑩ 次回の予約をとる
SPまたは抜糸で次回の予約をとります。歯根端切除後は、時間をかけて歯槽骨の回復を待ちます。
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第11章 外科治療
STEP1 注意点と切開・排膿
STEP2 抜歯の方法と器具
STEP3 P抜歯・普通抜歯
STEP4 残根抜歯
STEP5 埋伏抜歯
STEP6 歯根端切除術
STEP7 SP・抜糸