歯科治療では、抜歯をはじめとした小手術を必要とすることが比較的多くあります。
第11章では、外科治療の種類と必要な器具、アシスタントワークについて解説します。
第11章 外科治療
STEP1 注意点と切開・排膿
STEP2 抜歯の方法と器具
STEP3 P抜歯・普通抜歯
STEP4 残根抜歯
STEP5 埋伏抜歯
STEP6 歯根端切除術
STEP7 SP・抜糸
1.外科処置における注意点
抜歯は外科処置であり、その難易度によらずさまざまな注意が必要です。たとえば、つぎのような注意点が挙げられます。
- 患者さんは、肉体的・精神的に抜歯できる状態か
- 難易度的に、口腔外科へ紹介が必要ないかどうか
- 薬剤アレルギーはないか
- 術前の説明をしっかり行い、患者さんからの同意は得たか
このような注意点をふまえて、事前に患者さんからの同意を得てから、抜歯の準備を行いましょう。
2.切開・排膿
強い炎症が起きると、歯肉や根尖に膿がたまることがあります。強い痛みをともなうことが多いですが、炎症部位にメスを入れ、膿を出してあげることで痛みがやわらぎます。これを切開・排膿といいます。
排膿を行うと一時的に痛みはおさまりますが、根本的な治療ではありません。そのため、後日あらためて痛みの原因となっている炎症を取り除く治療が必要になってきます。根本的な治療が必要であることも、しっかりと説明しておきましょう。
STEP1では、切開・排膿を行う際に準備する器具や、治療の流れについて説明します。
P急発の場合
歯肉の内部で膿がたまると、風船のように歯肉が腫れることがあります。これをP急発といいます。歯肉の内部にたまっている膿を、粘膜を切って排出することで、痛みがやわらぎます。
C3 perの場合
骨の内部で膿がたまると、行き場のない膿が骨をつきやぶり、風船のように歯肉が腫れることがあります。
この場合も、歯肉の内部にたまっている膿を、粘膜を切って排出することで、痛みがやわらぎます。
3.切開・排膿の準備
① | メスホルダー(ブレード) + 替刃メス |
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② | 表面麻酔 + 浸潤麻酔 |
③ | 外科用バキューム |
② 表面麻酔 + 浸潤麻酔、③ 外科用バキュームは必要に応じて準備します。
4.治療の流れとアシスタント
① 麻酔を行う
必要に応じて麻酔を行います。麻酔をすることで、痛みがより強くなることがあるため、麻酔を行うかどうかは術者の判断に従います。
- 小綿球に表面麻酔を適量塗布しておく
- 注射を組み立てておく
- 注射中にもれた麻酔薬をバキュームで吸う(術者による)
② 切開する
- メスホルダーに替刃をセットしておく
- 外科用バキュームで血液や膿を吸い、術野をみやすく保つ
③ 次回の予約をとる
SPまたは抜糸で次回の予約をとります。
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抜歯をはじめとした小手術は、患者さんの肉体的負担だけでなく、精神的負担も大きな治療です。治療に際しては、その気持ちにぜひ寄り添ってあげましょう。
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患者さんとコミュニケーションをとる上で、ぜひ役立ててくださいね♪
第11章 外科治療
STEP1 注意点と切開・排膿
STEP2 抜歯の方法と器具
STEP3 P抜歯・普通抜歯
STEP4 残根抜歯
STEP5 埋伏抜歯
STEP6 歯根端切除術
STEP7 SP・抜糸