完成した義歯を調整し、患者さんに装着する治療のことを義歯セットといいます。
STEP6では、義歯セットの際に準備する器具や、治療の流れについて説明します。
1.義歯セットの準備
① | 完成した義歯 |
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② | ストレート + バー(カーボランダム・ビックポイントなど) |
③ | レジン用研磨剤 |
④ | 咬合紙 |
⑤ | フィットチェッカー あるいは PIP |
⑥ | デンフィット |
⑦ | 技工用ゴミ袋 あるいは 口腔外バキューム |
⑧ | プライヤー |
⑧ プライヤーは、部分床義歯のセットの場合に準備します。
2.治療の流れとアシスタント
義歯セットの作業の多くは、術者一人での作業になります。そのため、アシスタントは術者が効率的に治療を行えるように、器具を適切に準備したり、技工物ノートの記入を行ったりする。
治療後は、義歯調整(ぎしちょうせい)で、次回の予約をとります。
3.補綴物維持管理
保険治療で新たに製作した義歯については、一定の期間、再装着や作り直しにかかる保険請求ができません。
歯科医院ごとに、いつセットしたかなどといった情報の管理の仕方が異なるため、働いている歯科医院のルールにしたがう必要があります。
4.義歯調整
義歯をセットした後でも、患者さんには調整で何回か通院してもらう必要があります。
義歯を口の中に合うように調整する治療のことを義歯調整(ぎしちょうせい)といい、デンチャー調整、義調(ぎちょう)ともいいます。
義歯セット後、患者さんはさまざまな不調を訴えます。術者は、その不調の原因を見つけ、クラスプや咬み合わせの調整を行います。痛みがある場合などは、粘膜を強く圧迫している部分を削るなどの対応をします。
義歯調整の準備や治療の流れは、義歯セットと同様です。「1.義歯セットの準備」、「2.治療の流れとアシスタント」をご覧ください。
ロウでできた義歯(完成品ではない)の試着をする治療のことを試適(してき)といいます。試適を通じて見た目や咬み合わせの最終確認を行いますが、症例によっては行わない場合もあります。
STEP5では、義歯の試適を行う際に準備する器具や、治療の流れについて説明します。
1.試適の準備
基本的に準備するもの
① | ロウ義歯 |
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② | 咬合紙 |
③ | 技工指示書 + 技工ノート |
必要に応じて準備するもの
試適後、人工歯を並べなおす必要があった場合にはつぎのものを準備します。
① | 技工ナイフ |
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② | ワックススパチュラ |
③ | エヴァンス彫刻刀 |
④ | 古新聞紙やエプロンの紙など |
⑤ | パラフィンワックス |
⑥ | ガスバーナー + お湯 |
2.治療の流れとアシスタント
試適の作業の多くは、術者一人での作業になります。そのため、アシスタントは術者が効率的に治療を行えるように、器具を適切に準備しておく必要があります。
① 指示書の記載
- ロウ義歯の指示書や技工物ノートの記入を行う
- 術者が技工指示書に義歯の最終的な設計を書くため、それ以外の部分(患者名・発注日など)の情報を記載する
※ 部分床義歯の指示書(右上)については、試適時の設計のままで良い場合、「再度セット」とだけ記載することがあります。
② 次回の予約をとる
義歯のセットで、次回の予約をとります。
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第10章 失われた歯を補う治療
STEP1 ブリッジ
STEP2 義歯の概形印象
STEP3 精密印象
STEP4 バイト
STEP5 試適
STEP6 セットと義歯調整
STEP7 粘膜調整
STEP8 リベース
STEP9 義歯修理