歯科のお仕事完全マニュアル 第10章 失われた歯を補う治療 STEP3 精密印象

概形印象をもとに作られた模型を使って個人トレーを作り、より精密な印象をとる治療のことを精密印象といい、個人トレーセット最終印象などともいいます。

第10章 失われた歯を補う治療 STEP3 精密印象

STEP3では、総義歯・部分床義歯の精密印象を行う際に準備する器具や、治療の流れについて説明します。

1.精密印象の準備

基本的に準備するもの

個人トレー
個人トレー
モデリングコンパウンド + お湯
モデリングコンパウンド + お湯
アルジネート印象材用接着剤 + 小筆
技工指示書 + 技工物ノート

必要に応じて準備するもの

ガスバーナー
シリコン印象セット
タービン + ポイント
コントラ + バー
パラフィンワックス
パラフィンワックス

部分床義歯の精密印象を行う際のみ、③・④・⑤が必要になることがあります。

2.治療の流れとアシスタント

① 印象の下準備

術者が、個人トレーとモデリングコンパウンドを用いて、印象をとる下準備を行います。下準備のことを、筋形成(きんけいせい)といいます。

筋形成を行う様子(総義歯)
筋形成を行う様子(総義歯)
  • お湯・ガスバーナーとモデリングコンパウンドを準備しておく
  • 個人トレーの技工指示書技工物ノートへの記入を行い、印象用の名札を作っておく
技工指示書の記入例
技工指示書の記入例

② トレーに接着剤を塗布する

個人トレーに接着剤を塗布し、エアーをあてて乾燥させます。

総義歯の個人トレー

総義歯の個人トレー

部分床義歯のトレー

部分床義歯のトレー

③ 印象をとる

  • アルジネートを練和する
  • シリコン印象材を使用する場合は、シリコン印象の準備を行う

印象をとる

④ 対合印象・バイトをとる

概形印象の際にとっていなかった場合のみ、対合印象をとります。

部分床義歯の場合、必要に応じてバイトをとります。アシスタントはお湯を準備します。

⑤ 次回の予約をとる

総義歯の場合、バイトをとるために次回の予約をとります。

症例によって、次のアポイント内容が変わるため、術者にかならず内容を確認するようにしましょう。

3.石膏の盛り方

精密印象は概形印象と同様に、義歯床を作る範囲を考える上で重要な情報をもっています。

歯科技工士に小帯や粘膜の情報を正しく伝えるため、印象の端までしっかりと石膏を盛りましょう。

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第10章 失われた歯を補う治療

STEP1 ブリッジ
STEP2 義歯の概形印象
STEP3 精密印象
STEP4 バイト
STEP5 試適
STEP6 セットと義歯調整
STEP7 粘膜調整
STEP8 リベース
STEP9 義歯修理