細菌が入り込み、感染してしまった根管内をきれいにする治療のことを、感染根管治療といいます。歯髄が失活している場合や、以前抜髄した歯に、再び細菌が入ってしまった場合などがあります。
治療する際は、まず補綴物などをはずし、細菌をすべて取りのぞく治療が必要です。細菌を取りのぞいた後は再度薬をつめ、コアを立ててから、補綴物を装着していきます。
術後には、鎮痛剤や抗生物質を処方することがあります。
STEP6では、以前抜髄した歯の再治療を例にとって、準備する器具や、治療の流れについて説明します。
1.感染根管治療の準備
治療の準備については、基本的に抜髄と同じですが、表面麻酔や浸潤麻酔は行わない場合もあります。
ただし、歯にさわるだけで強い痛みを生じる場合などには使用することがあります。麻酔を使用することによってより強烈な痛みを誘発することもあるので、最終的には術者の判断になります。
ここでは、感染根管治療のみに使用される器材を紹介します。
神経の生死を確認する検査に使用するもの
歯の神経が死んでいるかどうかの判断を間違えると、抜かなくてもよい神経を抜くという医療事故になりかねません。その判断のために歯の神経に電気を流す機械を歯髄電気診断器といい、EPT(イーピーティー)ともいます。
神経が生きている場合は、電気が流されることで軽い違和感・痛みを感じますが、死んでいる場合は、何も感じません。
術者より「EPTを持ってきてください」などと指示があった場合、EPTとフッ素などのペーストをセットで持っていきます。ペーストについては、ごく少量をトレーに出しましょう。
また、EPTの使用後は、先端や口にかけるフックなどをアルコールガーゼで拭き取りましょう。
以前、抜髄をした歯に使用するもの
① | ダッペングラス |
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② | GPソルベント |
2.治療の流れとアシスタント
アシスタントからの目線で見ると、治療の流れは抜髄とほぼ同じです。
感染根管治療の場合は、まず根管充填材を除去します。
ダッペングラスを裏にして置き、GPソルベントを数滴入れておきます。GPソルベントは揮発するため、使用の直前に入れましょう。
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第9章 C3の治療
STEP1 抜髄と麻抜①基本的な知識
STEP2 抜髄と麻抜②準備・アシスト
STEP3 根管治療
STEP4 根管充填(側方加圧法)
STEP5 除去
STEP6 感染根管治療
STEP7 支台築造の間接法①コア形成・印象
STEP8 支台築造の間接法②コアセット・形成
STEP9 支台築造の直接法
STEP10 TeCの作製