C3とは、う蝕が歯の神経(歯髄)まで進んでいる状態のことをいい、患者さんは強い痛みを訴えることが多くなります。
第9章では、C3の治療の種類と必要な器具、アシスタントワークについて解説します。
1.抜髄と麻抜
う蝕の細菌で汚染された歯髄を抜く治療のことを、抜髄(ばつずい)、麻抜(まばつ)といいます。
抜髄の治療では、細かい器具をたくさん使用します。そのため、アシスタントは使用する器具について詳しく知っておく必要があります。
STEP1では、抜髄で使用する器具について詳しく説明します。
2.ファイルについて
根管内を掃除する道具をファイルといいます。治療中に術者から、「Hファイルの25号、21mmを持ってきてください」といった指示がでるので、それぞれの特徴を覚えておきましょう。
ファイルの種類
ファイルには3種類(リーマー・Kファイル・Hファイル)あり、それぞれ使い方が異なります。ファイルのヘッドには、△・□・◯のいずれかの中に数字が書かれています。
△:リーマー
□:Kファイル
◯:Hファイル
リーマーとKファイルは、先端がねじったような形状になっており、根管の拡大や形成に使用されます。一方でHファイルは、のこぎりのようなギザギザの形状をしており、基本的に根管の形成に使用されます。
ファイルの長さ
ファイルには、21mm・25mm・28mm・31mmなどがありますが、それ以上の長さのファイルもあります。
ファイルの太さ
ファイルはカラーコード化されており、号数が大きいほど太くなります。
紫色 | 白色 | 黄色 | 赤色 | 青色 | 緑色 | 黒色 |
#10 | #15/#45 | #20/#50 | #25/#55 | #30/#60 | #35/#70 | #40/#80 |
3.ファイルの扱い
アシスト時のファイルの受け渡し
アシストが必要な場合は、ファイルの受け渡しを行います。
ファイルのチェック・破棄
ファイルの受け渡しや後片づけの際に、各ファイルの先端をチェックし、危険な状態のものは捨て、新しいものに取り替えます。
正常なファイル
危険なファイル 例① 真ん中から折れかかっている
危険なファイル 例② 先端がよれて折れかかっている
危険なファイル 例③ 先端がよれて折れかかっている
4.ラバーダム
治療中に唾液が根管内に入ると、唾液中の細菌が侵入し、根尖病巣ができやすくなります。
それを防ぐために、ラバーダムという唾液を防ぐゴムのバリケードを作ります。根管治療以外にも、CRや除去など、さまざまな治療で使用されます。
5.綿栓、ペーパーポイント
綿栓(めんせん)は、根管内を乾燥させるために使用します。綿栓の準備は、アシストの基礎です。
綿栓の巻き方
やってみよう!知識チェック
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第9章 C3の治療
STEP1 抜髄と麻抜①基本的な知識
STEP2 抜髄と麻抜②準備・アシスト
STEP3 根管治療
STEP4 根管充填(側方加圧法)
STEP5 除去
STEP6 感染根管治療
STEP7 支台築造の間接法①コア形成・印象
STEP8 支台築造の間接法②コアセット・形成
STEP9 支台築造の直接法
STEP10 TeCの作製