歯科のお仕事完全マニュアル 第6章 予防・治療の知識 STEP3 歯周病の治療

歯周病の治療には、さまざまな方法があります。

歯科では、歯肉の見えるところを歯肉縁上(しにくえんじょう)といい、歯肉の見えるところについた歯石を縁上歯石(えんじょうしせき)とよびます。また、歯肉の中を歯肉縁下(しにくえんか)といい、歯肉の中についた歯石を縁下歯石(えんかしせき)とよびます。

STEP3では、歯周病治療の代表的なものをご紹介します。

*この記事は2023年11月22日に更新しました

1.歯周病の治療方法

歯周病の治療方法

スケーリング

スケーリングとは、歯に付着した歯肉縁上および歯肉縁下のプラークや歯石、その他の沈着物を機械的に除去することをいいます。

① スケーリング

ルートプレーニング

ルートプレーニングとは、歯根面の細菌や病的な歯質(主にセメント質)を除去し、滑沢な歯根面に仕上げることをいいます。スケーリング後の歯根面をルートプレーニングすることにより、歯肉と歯根面の付着を促すことができます。

また、スケーリングとルートプレーニングをまとめて、SRP(エスアールピー)といいます。

② ルートプレーニング

フラップ手術

FOP(エフオーピー)オープンフラップキュレタージともいいます。歯周ポケットが深くSRPによる歯石除去がむずかしい場合に、歯肉を剥離して、直接歯根面を見ながら操作する外科的治療のことを指します。

術後は、鎮痛剤や抗生物質を処方します。

③ フラップ手術

2.歯周病のその他の治療法

咬合調整

咬み合わせのことを、咬合(こうごう)といいます。

歯周病にかかり、歯が揺れるようになると、咬合の位置が変わってしまいます。その結果、上下の歯が不適切な場所であたるようになると、歯は突き指のような状態になります。

それを避けるために、歯を少し削って咬み合わせを調整することを咬合調整(こうごうちょうせい)とよびます。

① 咬合調整

暫間固定

暫間固定(ざんかんこてい)とは、歯周病に罹患し、揺れるようになった歯を動かないよう、隣の歯と専用のボンドなどで固定する治療のことをいいます。

② 暫間固定

切開・排膿

歯周病で急性の炎症が起き、生じた膿が歯周ポケットから排出されずにどんどん溜まってくる場合に、強い腫れと痛みを生じることがあります。

その膿を、粘膜を切って排出し、痛みがやわらぐのを促すことを切開・排膿(せっかい・はいのう)といいます。

術後には、鎮痛剤や抗生物質を処方します。

③ 切開・排膿

妹サイト『WHITE CROSS』では、今回学んだ内容について、理解度チェックを行うことができます。ぜひご活用ください♪

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第6章 予防・治療の知識

STEP1 予防
STEP2 投薬
STEP3 歯周病の治療
STEP4 知覚過敏の治療
STEP5 小さなう蝕の治療
STEP6 歯の神経をとる治療
STEP7 かぶせ物を作る治療
STEP8 感染根管の治療
STEP9 TeCを作る治療
STEP10 ブリッジを作る治療
STEP11 義歯を作る治療
STEP12 義歯の調整
STEP13 歯を抜く治療
STEP14 小児患者さんの治療
STEP15 その他の治療