歯科のお仕事完全マニュアル 第5章 歯科技工とよく使用する材料 STEP6 レジン

レジンとは、前装冠(ぜんそうかん)仮歯義歯の材料、小さなう蝕を削ってできた穴につめるなど、さまざまな用途に使用される医療用のプラスチックのことをいいます。

STEP6では、レジンの種類や使用目的について説明します。

*この記事は2023年8月9日に更新しました

第5章 歯科技工とよく使用する材料

STEP1 技工物
STEP2 印象採得とバイト
STEP3 歯の模型
STEP4 石膏
STEP5 セメント
STEP6 レジン

1.レジンの種類

歯科技工とよく使用する材料 STEP6 レジン

光をあてると固まるレジン

光重合型レジン(ひかりじゅうごうがたレジン)あるいは、CR(コンポジットレジン)といいます。最初はやわらかい粘土状(ペースト)、あるいは液体状(フロー)であり、強い光をあてると固まります。

光重合型レジンには、A1・A2・A3などさまざまな色があります。

ペースト(上)とフロー(下) 左からA1・A2・A3
ペースト(上)とフロー(下) 左からA1・A2・A3

粉と液を混ぜると固まるレジン

即時重合レジン(そくじじゅうごうレジン)あるいは、即重(そくじゅう)といい、歯科医院によっては、商品名でよぶこともあります。

モノマーとよばれる液と、ポリマーとよばれる粉末を混ぜると、短時間で固まります。

モノマーは透明な液体で、ポリマーには白色や赤色などの種類があります。粉末の色が、そのままできあがるプラスチックの色になります。

モノマー(左)とポリマー(右)
モノマー(左)とポリマー(右)

即時重合レジンでは、モノマーとポリマーをその都度、必要な量だけ出して使用します。とくに、モノマーは出したまま置いておくと劣化が進みます。使用後は、ティッシュなどで拭き取り、再使用しないようにしましょう。

モノマーとポリマーは再使用しないこと
モノマーとポリマーは再使用しないこと

両方の性質を持つレジン

レジンの中には、光をあてると固まる性質と、混ぜると固まる性質の両方をもつ材料があります。

2.レジンの使用目的

それぞれのレジンは、使用目的によって種類を変えて使用します。

種類 使用目的 イメージ
光をあてると固まる レジンで歯の溝を埋めてう蝕を予防する(シーラント レジンで歯の溝を埋めてむし歯を予防する(シーラント)
う蝕を削ってできた穴にレジンをつめるCR むし歯を削ってできた穴にレジンをつめるCR
粉と液を混ぜると固まる 仮歯を作る 仮歯を作る
① 外注・既製の仮歯から作る
② その場で仮歯を作る
③ 印象から仮歯を作る
割れた入れ歯の修理 割れた入れ歯の修理
両方の性質を持つ 差し歯におけるプラスチックの土台を作る治療 差し歯におけるプラスチックの土台を作る治療

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第5章 歯科技工とよく使用する材料

STEP1 技工物
STEP2 印象採得とバイト
STEP3 歯の模型
STEP4 石膏
STEP5 セメント
STEP6 レジン