歯科のお仕事完全マニュアル 第4章 診療用チェアーと準備・片づけ STEP3 準備

歯科治療では、すべての治療において基本的に準備するものがあります。

STEP3では、歯科治療でよく使用する器具や材料について詳しく説明します。

*この記事は2023年5月31日に更新しました

第4章 診療用チェアーと準備・片づけ

STEP1 歯科診療用チェアー
STEP2 歯を削る道具と超音波スケーラー
STEP3 準備
STEP4 後片づけ

1.治療時に準備するもの

  1. 紙コップ
  2. エプロン
  3. バキューム
  4. トレー
    使い捨ての紙のトレーではなく金属トレーを使用している歯科医院もあります。

    治療時に準備するもの
    トレーの中の5つの治療器具は「基本セット」とよばれ、歯科治療においてもっとも基本的な器具です。

  5. ピンセット
  6. ミラー
  7. エキスカベーター
    先が小さな刃物になっており、う蝕を細かく削るときなどに使用します。
  8. 充填器(じゅうてんき)
    銀歯を歯に接着するためのセメントを歯に塗りつけるなどで使用します。
  9. 探針(たんしん)
    先が針のようになっており、銀歯を歯にセットしたときの余計なセメントを取り除くときに使用します。

2.準備の手順

基本的な準備物に加えて、予定されている治療に必要な器具や材料を事前に準備しておくことは、アシスタントの大切な仕事です。

その日に予定されている治療は、予約表またはカルテに書かれています。(治療ごとに必要な器具や材料については、第7章以降で説明します。)

適切な器具をすばやく準備できるよう、よく使用する器具についてはできるだけ早く覚えましょう。

3.高頻度で準備するもの

歯科治療で幅広く使用するため、準備することが多いものをここで説明します。

ロールワッテ

ロールワッテ

ガーゼ

治療中に器具についた汚れや、技工物を歯に装着した際の余分なセメントを取るほか、抜歯後の出血をおさえるなどの目的で幅広く使用されます。

ガーゼ

小綿球

小綿球

麻酔

歯科治療において麻酔はよく使用されます。代表的な麻酔には、表面麻酔(ひょうめんますい)浸潤麻酔(しんじゅんますい)があり、伝達麻酔(でんたつますい)を行う歯科医院もあります。

① 表面麻酔

粘膜の表面を麻痺させるゼリー状の麻酔薬。アシスタントは、小綿球(しょうめんきゅう)に表面麻酔薬を適量しみこませて、トレーの隅に置いておきます。

表面麻酔の手順
表面麻酔の手順

② 浸潤麻酔

注射で、口の中の一部を麻痺させます。う蝕治療や外科処置時に使用されます。

浸潤麻酔

また、患者さんの健康状態に合わせて、術者が指定したカートリッジ(左下)を適切に準備する必要があります。

浸潤麻酔の手順
浸潤麻酔の手順

③ 伝達麻酔

浸潤麻酔と同じ注射ですが、口の中のより広い範囲を麻痺させます。浸潤麻酔よりも麻酔が効いている時間が長く、智歯(親知らず)のむずかしい抜歯などに使用されることが多いです。

浸潤麻酔よりも長い注射針を使用します。

伝達麻酔

一日に何名もの患者さんが来院する歯科医院では、適切な器具をすばやく準備できることがとても重要です。

よく使用する器具についてはできるだけ早く覚え、明日からの臨床に臨みましょう。

やってみよう!知識チェック

姉妹サイト『WHITE CROSS』では、今回学んだ内容について、理解度チェックを行うことができます。ぜひご活用ください♪

クリックして回答
クリックして回答

次回は、「後片づけ」について解説します。

第4章 診療用チェアーと準備・片づけ

STEP1 歯科診療用チェアー
STEP2 歯を削る道具と超音波スケーラー
STEP3 準備
STEP4 後片づけ