患者さんの治療を行うにあたって、歯科医院が必要とする情報はたくさんあります。
STEP3では、治療に必要な情報について解説します。
*この記事は2023年4月5日に更新しました
第3章 患者さんの情報
STEP1 診療とカルテ
STEP2 紹介と対診
STEP3 治療に必要な情報
STEP4 口腔内写真5枚法の撮影
STEP5 う蝕と歯式(ししき)
STEP6 歯周病と歯周組織検査(ししゅうそしきけんさ)
STEP7 X線写真(デンタルの撮影)
STEP8 X線写真(パノラマとCT)と口腔内模型
1.患者さんの情報
患者さんには、名前や住所などの基本的な情報に加えて、「歯が痛い」「歯がグラグラする」といった来院のきっかけになった訴えがあります。これを主訴(しゅそ)といいます。
また、エイズや肝炎(かんえん)、高血圧、糖尿病、骨そしょう症、心臓病などをもつ患者さんの歯科治療においては、特別な注意や対応が必要です。
そのため歯科の病気でなくても、これまでどのような病気にかかってきて、現在の全身状態はどうかなどの情報も大切です。これを既往歴(きおうれき)といいます。
さらに、「保険治療でお願いしたい」「子どもの頃のトラウマで、歯科治療が怖くてたまらない」といった情報も大切です。
これらの情報を得るために、初診の患者さんに最初に質問することを問診(もんしん)といいます。
どれも大切な情報ですが、まずは歯科治療を行う上でなくてはならない、患者さんの口腔内の情報について学んでいきます。
2.口腔内の情報
歯科医師・歯科衛生士・歯科助手は、患者さんの口腔内の情報をきちんと把握しておかなければいけません。その上で、初めて治療の計画を立てることができ、患者さんに口腔内の状態や必要な治療についての説明ができるようになります。
口腔内の情報は、基本的に以下の5点があげられます。
口腔内写真
歯科医院では、口腔内の状態を写真として保管します。口腔内写真(こうくうないしゃしん)にはさまざまな撮影方法があります。
歯式
それぞれの歯について、
- 過去にどのような治療がされているか
- 現在、どの程度のう蝕にかかっているか
などを書いた情報を歯式(ししき)といいます。
歯周組織検査
それぞれの歯の歯周病の状態を記録することを、歯周組織検査(ししゅうそしきけんさ)といいます。
X線写真
目では直接確認することができないう蝕の広がり方や、骨の状態などの情報を確認するため、歯科医院ではX線写真を使用します。
X線写真には、矯正治療用や顎関節用など、さまざまな種類のX線写真があります。
口腔内模型
患者さんの口腔内を再現した模型。スタディーモデルともよばれ、歯科医師が、治療計画を立てる際などに使用します。
患者さんの口腔内の情報をきちんと把握することは、口腔内の状態や必要な治療についての説明をする上で必要不可欠です。
必要な項目を理解して、いつでもきちんとしたデータを採取できるように心がけましょう。
STEP4からは、より具体的なデータの取得方法について説明します。
やってみよう!知識チェック
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第3章 患者さんの情報
STEP1 診療とカルテ
STEP2 紹介と対診
STEP3 治療に必要な情報
STEP4 口腔内写真5枚法の撮影
STEP5 う蝕と歯式
STEP6 歯周病と歯周組織検査
STEP7 X線写真(デンタルの撮影)
STEP8 X線写真(パノラマとCT)と口腔内模型