一般歯科での治療がむずかしい患者さんや、外部の専門家に治療の判断をあおぎたい患者さんについては、紹介状や対診書という書類を介して、外部の医療機関と連携をとります。
紹介状や対診書のコピーは、カルテに保管します。
STEP2では、それぞれの医療機関の位置づけや、紹介状または対診書を用いた診療のステップを解説します。
*この記事は2023年3月29日に更新しました
第3章 患者さんの情報
STEP1 診療とカルテ
STEP2 紹介と対診
STEP3 治療に必要な情報
STEP4 口腔内写真5枚法の撮影
STEP5 う蝕と歯式(ししき)
STEP6 歯周病と歯周組織検査(ししゅうそしきけんさ)
STEP7 X線写真(デンタルの撮影)
STEP8 X線写真(パノラマとCT)と口腔内模型
1.歯科医院と外部の医療機関
外部の医療機関との連携について理解するために、まずは各機関の位置づけについて学びましょう♪
① 病院
入院などで使用されるベッド数が20床以上ある医療機関で、医師が多く勤務しています。
② 病院の口腔外科
病院の中の口腔外科では、口腔がんやむずかしい抜歯など、外科領域を専門とした歯科医師が勤務しています。
③ 診療所
一般的にイメージされる歯科医院は、大小問わず「診療所」とよばれています。
2.紹介の手順
歯科医院から、病院(口腔外科を含む)に患者さんを紹介するための書類のことを「紹介状」といいます。口腔がんの疑いがある患者さんや、むずかしい抜歯の患者さんなどについては、病院や病院の口腔外科に紹介します。
Part1.歯科医院で紹介状を書いて、患者さんに渡す
紹介状は歯科医師が記入しなければいけませんが、紹介状を入れる封筒の宛名などは、スタッフが記入する場合もあります。
記入を代行する際は、次のポイントに気をつけましょう。
Part2.患者さんは、紹介状を持って病院に行き、より専門的な治療を受ける
3.対診の手順
歯科医院から、内科などの診療所や病院に、患者さんの健康状態などについて問い合わせることを「対診」といいます。
たとえば、エイズや肝炎(かんえん)、高血圧、糖尿病、骨そしょう症、心臓病などをかかえた患者さんの歯科治療においては、特別な注意や対応が必要です。そのため、患者さんの健康状態をしっかりと把握した上で、治療を行わなければいけません。
そこで、かかりつけの医師に「対診書(照会状)」を書き、その患者さんに歯科治療を提供できるかどうかや、治療における注意点などを問い合わせます。
Part1.歯科医院で対診書を書いて、患者さんに渡す
Patr2.患者さんは、対診書を持ってかかりつけの診療所・病院に行き、担当医に渡す
Part3.担当医が歯科医師宛に返事を書き、患者さんに渡す。その返事を患者さんが歯科医院に持っていく
Part4.歯科治療が行われるか、歯科医院で治療ができない場合は、対応できる病院に紹介する
* 対診書は、歯科医師が記入しなければいけませんが、封筒の宛名などはスタッフのみなさんが記入を担当する場合もあります。書き方は紹介状と同じです。
日常の臨床現場では、あまり出会う機会がないかもしれませんが、いざという時のために覚えておくと便利です。
続いては、「治療に必要な情報」について説明します。
やってみよう!知識チェック
姉妹サイト『WHITE CROSS』では、今回学んだ内容について、理解度チェックを行うこともできます。ぜひご活用ください♪
第3章 患者さんの情報
STEP1 診療とカルテ
STEP2 紹介と対診
STEP3 治療に必要な情報
STEP4 口腔内写真5枚法の撮影
STEP5 う蝕と歯式
STEP6 歯周病と歯周組織検査
STEP7 X線写真(デンタルの撮影)
STEP8 X線写真(パノラマとCT)と口腔内模型