人の成長にともなって、乳歯の下から永久歯が生えてきます。乳歯の歯根は、下から永久歯に押しあげられて溶けていき、最後には抜け落ちます。
歯が生えることを萌出(ほうしゅつ)といい、乳歯が永久歯に生え変わることを交換といいます。
STEP3では、歯が萌出する順序や交換時期についてお伝えします。
*この記事は2023年6月12日に更新しました
第2章 歯について
STEP1 歯の構造と面
STEP2 口の構造と歯番の書き方
STEP3 歯の生え変わり
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1.歯の交換
乳歯が永久歯に生え変わることを「交換」といい、生え変わりの時期を「交換期」といいます。
一般的に、Aの下から1番、Bの下から2番、Cの下から3番、Dの下から4番、Eの下から5番が生えてきます。
STEP2で学んだ通り、乳歯と永久歯では全体の本数が異なります。6、7、8番があるのは、永久歯のみです。
2.歯の萌出時期
歯の萌出時期は個人差があります。とくに乳歯列の場合は、前歯部で約1歳、臼歯部で約2歳の差があるといわれています。
以下に年齢ごとの口腔内の状態をまとめました。小児患者さんの保護者への説明に役に立つポイントを紹介しているので、参考にしてみてください。
年齢 | 口腔内の状態 | 特筆事項 |
---|---|---|
8ヶ月 | 乳前歯が生えはじめます | |
1歳4ヶ月 | 乳臼歯が生えはじめます | |
3歳 | 乳歯列が完成します | |
6歳 | 6番は6歳前後に生えてくるため、「6歳臼歯」とよばれ、大人の歯への生え変わりのはじまりのサインです 前歯部の生え変わりも、この時期にはじまります |
|
9歳 | 永久歯の前歯部が咬み合います | |
12歳 | 永久歯列がおおよそ完成します |
なお、口の中に乳歯と永久歯の両方がある歯列を混合歯列(こんごうしれつ)とよび、その時期のことを混合歯列期(こんごうしれつき)といいます。
3.混合歯列期における乳歯と永久歯の見分け方
混合歯列期には口腔内に乳歯と永久歯が混在しますが、乳歯は白色に近く、永久歯は白色の中でも黄色味を帯びています。
また、両者では大きさも異なり、永久歯は乳歯と比較して二回りほど大きいところが特徴です。
(参考:今さら聞けない!小児歯科の基礎知識 #01 乳歯列・永久歯列の生え変わり)
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とくに小児歯科や矯正歯科では、歯の生え変わりについて説明する機会が多いかと思います。
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第2章 歯について
STEP1 歯の構造と面
STEP2 口の構造と歯並び
STEP3 歯の生え変わり