ホワイトニングの基礎知識 vol.5 ホームホワイトニングの種類

歯を白くしたい!芸能人みたいにきれいな歯にしたい!

患者さんのこんな要望を叶えるために行われるホワイトニング。

年々、ホワイトニングを行う歯科医院が増えている中、ホワイトニングエキスパートやホワイトニングコーディネーターといった、それに特化した資格を取得する歯科衛生士の方も増えてきているのではないでしょうか?
(参考:ホワイトニングコーディネーターになるには?

この連載では、これからホワイトニングを行いたいと考えているみなさんに知っておいてほしい、ホワイトニングの知識についてお伝えしていきます。

今回は、ホームホワイトニング材の種類について詳しく解説しようと思います♪

ホームホワイトニング

ティオンホームプラチナ(株式会社ジーシー)

過酸化尿素濃度:10%
pH:6.3(弱酸性)
保管方法:要冷蔵
使用期限:製造より2年

従来製品「ティオンホーム」をリニューアルし、2018年に発売された新製品。

ジェルの性状が水になじみやすい成分に改良されたため、唾液の影響を受けにくくなったようです。さらに、有効成分の放出スピードが速くなったことで、従来製品より高いホワイトニング効果を実現したとのこと。

ジェルが白色のため、トレーからはみ出ても確認しやすく、拭きとりやすいところも特徴です。

従来製品より白くなりやすい!と実際に感じる歯科衛生士さんや患者さんの声が多く、人気製品のひとつです。

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オパールエッセンス(ウルトラデントジャパン株式会社)

過酸化尿素濃度:10%
pH:7(中性)
保管方法:要冷蔵
使用期限:製造より3年

オパールエッセンスのホームホワイトニングジェルには、無味無臭のレギュラータイプと、ペパーミントオイル配合でスッキリした使用感のミントフレーバータイプがあります。患者さんの好みに応じて、種類を選択しましょう。

ジェルのpHが7と、中性に保たれていることも特徴のひとつです。

また、オパールエッセンスのトレーは、ジェルの貯留スペースとして「レザボア(液だまり)」を付与することが推奨されています。

オパールエッセンスの詳細はこちら

ビヨンドホワイトGEMINI(株式会社JBA)

過酸化尿素濃度:10%
pH:7〜8(中性〜弱アルカリ性)
保管方法:直射日光と湿気を避け、30℃以下で暗所に保管
使用期限:製造より3年

こちらのホームホワイトニングシステムは、患者さん自身にオキシドール液を用意してもらう必要がありますが、印象採得の必要がないため、石膏模型やトレーの作成といった技工操作が省けます

専用のトレーにLEDライトを装着し、スイッチを入れるといった簡単な操作でホワイトニングが可能です。

また、トレーを装着する時間が20〜30分/回と短時間で行えることも特徴です。期間は4週間と長めの設定ですが、装着時間が短い分、日課として取り入れやすいと考えられます。

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松風ハイライトシェードアップ(株式会社松風)

過酸化尿素濃度:10%
pH:約6.5(弱酸性)
保管方法:直射日光を避け、15〜25℃で暗所に保管
使用期限:製造より3年

ホームホワイトニング材は要冷蔵の製品が多い中、松風ハイライトシェードアップは冷蔵庫保管の必要がありません。

また、トレーについてはオパールエッセンスと同様に、レザボア(液だまり)を付与することが推奨されています。

オフィスホワイトニング材である「松風ハイライト」とは併用できないため、デュアルホワイトニングを希望している患者さんには使用しないように気をつけましょう!

松風ハイライトシェードアップの詳細はこちら

NITEホワイトエクセル(デンツプライシロナ株式会社)

過酸化尿素濃度:10%
保管方法:直射日光を避け、15〜30℃で暗所に保管
使用期限:製造より2年

日本で初めて認可されたホームホワイトニング材で、20年近く使用され続けています。

また、海外ではさまざまな濃度の製品が販売されており、歴史がある製品です。

海外製品を輸入している歯科医院では、より高濃度の過酸化尿素16%・22%の製品を取り扱っている場合がありますが、知覚過敏を発症しやすくなるため注意が必要です。

ホームホワイトニング

一口にホームホワイトニング材といっても、メーカーによって保管方法や使用期限に違いがあることはご存じでしたか?間違った保管方法で保管すると、製品の早期劣化などをまねく原因となってしまいます。

どんな薬剤を使用するにしても、その製品の特徴をしっかりとつかんだ上で施術することが大切です。

歯科衛生士として、患者さんのあらゆる疑問に答えられるよう、ホワイトニングの基本となる知識を身につけておきましょう。

次回は、ホワイトニングについての論文をご紹介します♪

参考資料:東光照夫・古川匡恵(2011)『ホワイトニングに強くなる本』久光久監修,クインテッセンス出版株式会社
『ホワイトニングコーディネーター講習会テキスト(第9版)』日本歯科審美学会

ホワイトニングの基礎知識

vol.1 ホワイトニングとは
vol.2 オフィスホワイトニングとは
vol.3 オフィスホワイトニングの種類
vol.4 ホームホワイトニングとは
vol.5 ホームホワイトニングの種類