歯を白くしたい!芸能人みたいにきれいな歯にしたい!
患者さんのこんな要望を叶えるために行われるホワイトニング。
年々、ホワイトニングを行う歯科医院が増えている中、ホワイトニングエキスパートやホワイトニングコーディネーターといった、それに特化した資格を取得する歯科衛生士さんも増えてきているのではないでしょうか?
(参考:ホワイトニングコーディネーターになるには?)
この連載では、これからホワイトニングをやりたいと考えている歯科衛生士さんに知っておいてほしい、ホワイトニングの知識についてお伝えしていきます。
今回は、オフィスホワイトニング材の種類について詳しく解説しようと思います♪
もっとも多く使われているオフィスホワイトニング材は?
先日、dStyleでは、WHITE CROSS会員と、公式Twitter・公式facebookのフォロワーさんを対象に、オフィスホワイトニング材についてのアンケートを実施いたしました。
この結果によると、いちばん多くの歯科医院で使われているオフィスホワイトニング材は、株式会社ジーシーから販売されている「ティオンオフィス」でした!
今回は、アンケート結果のランキングに沿って説明していきます♪
1位 ティオンオフィス(株式会社ジーシー)
過酸化水素濃度:23% pH:約6(弱酸性) |
ティオンオフィスは、ホワイトニングジェルを歯面に塗布する前に、可視光応答型光触媒(光を受けることにより触媒作用を起こす物質)「V-CAT」を含んだリアクター®️を塗布します。
オフィスホワイトニング材の過酸化水素濃度は35%のものが多い中、この「V-CAT」の応用により、比較的低濃度の23%過酸化水素でも、ホワイトニング効果を得ることができます。
濃度が低いことによって、歯質への刺激を少なくできるところも、支持されている理由のひとつかもしれません!
ティオンオフィスの詳細はこちら
2位 オパールエッセンスBOOST(ウルトラデントジャパン株式会社)
過酸化水素濃度:35% pH:7.5(中性〜弱アルカリ性) |
オパールエッセンスBOOSTの最大の特徴は、ホワイトニングジェルが赤色のため、塗布部分が明瞭になり、除去後の確認も容易にできること。
ホワイトニングジェルの塗布後は、5分間放置してから、光照射を行います。光照射後も7分間放置し、専用バキュームでホワイトニングジェルを吸引するなど、ほかのオフィスホワイトニング材とは操作のステップが少し異なります。
35%過酸化水素を使用しているため、ホワイトニング効果を得られやすい上、ホワイトニングジェルがほぼ中性のため、歯質の脱灰リスクが低いと考えられます。
また、水分量を多く含むため、エナメル質の脱水を防ぎ、知覚過敏が起こりにくいとされています。
オパールエッセンスBOOSTの詳細はこちら
3位 Beyond(ビヨンドホワイトニング)
過酸化水素濃度:35% pH:約7〜8(中性〜弱アルカリ性) |
ジェルもしくはパウダーと、35%過酸化水素水を少しずつ混和して、ホワイトニング材を作ります。ジェルとパウダーどちらを使用するかで、操作性が変わるため、取扱説明書をしっかりと読みましょう。
また、適度な粘性になるまで混和する必要があるので、慣れるまでは注意が必要です。
導入医院向けのハンドブックの内容がとても充実しており、注意事項だけでなく、オペレーション方法なども掲載されています。
Beyondの詳細はこちら
4位 松風ハイライト(株式会社松風)
過酸化水素濃度:35% pH:約3.1(酸性) |
日本で初めて認可されたオフィスホワイトニング材で、20年以上使用され続けています。
施術する歯数に応じて、1:3の割合で粉と液を練和します。ホワイトニング材は、塗布時にはあざやかな青緑色をしていますが、光照射後は白色に変化します。
ホワイトニング材塗布後、5分間放置してから光照射を行います。光照射後も10分間放置し、湿綿球でホワイトニング材を拭き取ります。
松風ハイライトは、pHが約3.1と強い酸性の薬剤です。術後の脱灰を防ぐため、酸性の飲食物を摂取することは強く禁じてください。
松風ハイライトの詳細はこちら
5位 ピレーネ(株式会社モリタ)
過酸化水素濃度:3.5% pH:6.0(弱酸性) |
光触媒である二酸化チタンを配合することにより、3.5%とかなり低濃度の過酸化水素を用いてホワイトニングの効果を図っています。
現在日本で販売されているオフィスホワイトニング材の中で、もっとも低濃度・低刺激の製品ではないでしょうか。
ホワイトニング効果があらわれにくい症例もあるため、比較的難易度が低い症例からはじめるといいかもしれません。
ピレーネの詳細はこちら
すべてのオフィスホワイトニング材において、1回の来院で3回までホワイトニングジェルの塗布、光照射ができるとされています。
患者さんの希望や、知覚過敏などの症状が出ていないかを確認しながら、丁寧に施術していきましょう。
アンケートで「その他」と回答した方は、「ナイトホワイト」「ポーラデイ」「Zoom」といった海外製品や、「ボーテの製品」「ポリリン酸ホワイトニング」といった、新しい薬剤を使用していました。
どんな薬剤を使用するにしても、その製品の特徴をしっかりとつかんだ上で施術することが大切です。
歯科衛生士として、患者さんのあらゆる疑問に答えられるよう、ホワイトニングの基本となる知識を身につけておきましょう。
次回は「ホームホワイトニング」について詳しく解説します♪
参考資料:東光照夫・古川匡恵(2011)『ホワイトニングに強くなる本』久光久監修,クインテッセンス出版株式会社
『ホワイトニングコーディネーター講習会テキスト(第9版)』日本歯科審美学会
ホワイトニングの基礎知識
vol.1 ホワイトニングとは
vol.2 オフィスホワイトニングとは
vol.3 オフィスホワイトニングの種類