ミラーテクニック【歯周治療ベーシックセミナー 第7回】

こんにちは。株式会社Tomorrow Link の濱田智恵子です。

歯科衛生士として臨床の現場に立つ傍で、歯科衛生士をはじめとしたスタッフ向けの人材育成をしています。

今回はミラーテクニックについて解説します。

[目次]
1.ミラーの使用目的
2.使用上の注意点・ポイント

 

1.ミラーの使用目的

普段何気なく使っているミラーの役割を考えたことはありますか?ミラーはただ患部を写すだけではなく、4つの目的があるんですよ。

  1. 鏡視(きょうし):見えにくい部分を映します
  2. 照明:暗い部分に光を当てるためにミラーを使います
  3. 透過照明:隣接面カリエスなどがあった場合にエナメル質に光を当てて透過照明として使い、カリエスのチェックをします
  4. 排除:頬粘膜や舌の排除をします

2.使用上の注意点・ポイント

① ミラーを歯肉に当てない

使用上の注意点・ポイント① ミラーを歯肉に当てない

夢中になると、左の写真のように歯肉の上にミラーを当ててしまうことがあります。少しでも触れていると患者さんはすごく痛く感じるので必ず、当たらないように配慮しましょう。

② 粘膜の排除の仕方(口角)

使用上の注意点・ポイント② 粘膜の排除の仕方(口角)

頬粘膜は広く開いた方が口腔内を見やすいという理由からか、左のように口角を強く引っ張ってしまう傾向があります。もちろん患者さんは痛みや違和感を感じますよね。

右のように、ミラーを入れて内側から上に引っ張るような形で使っていただければいいですね。

③ 粘膜の排除の仕方(口唇や舌の圧が強い患者さんの場合)

④ 上顎臼歯部遠心の見方

使用上の注意点・ポイント④上顎臼歯部遠心の見方

とても見えづらい場所です。特に上顎臼歯部の遠心頬側の部分ですね。普通に口を開けていただくだけでは、左のように頬粘膜がかぶって見えません。

右のように、左側を見る時には下顎を左に、右側を見る時には下顎を右にずらしていただくと上顎臼歯部遠心の頬側を見ることができます。

拡大図

拡大図です。左のように普通に口をあけてもらうだけでは頬粘膜によって一部分が見えにくく清掃するときにも邪魔になってしまいますが、患者さんに下顎をずらしていただくだけでしっかりと見ることができますので、ぜひ覚えておいてくださいね。

使用上の注意点・ポイント

歯周治療ベーシックセミナー

第1回 歯科衛生士とは
第2回 プロービング編  
第3回 超音波スケーラー編
第4回 ルートプレーニング編
第5回 PCR編
第6回 PMTC編
第7回 ミラーテクニック編