プロービングテクニック【歯周治療ベーシックセミナー 第2回】

こんにちは。株式会社Tomorrow Link の濱田智恵子です。

歯科衛生士として臨床の現場に立つ傍で、歯科衛生士をはじめとしたスタッフ向けの人材育成をしています。

今回は歯周組織検査のうちプロービングについて、動画も使って解説しますね。

[目次]
1.プローブの種類
2.プロービングの目的
3.プロービングテクニック
4.プロービングを行う順番

1.プローブの種類

プローブにはさまざまな種類があることはご存じでしょうか?

見た目の形だけではなく、目盛りの単位もそれぞれ異なりますし、分岐部病変用などのプローブも存在します。

まずは自分の働いているクリニックで使われているプローブが、どの目盛りのもので、どのような形状で、どのような用途に用いられるものかをきちんと把握することが正しくプローブを使うために重要です。

プローブの種類(画像提供:株式会社ジーシー)
プローブの種類(画像提供:株式会社ジーシー)

また、本来であればあらかじめ院内でプローブを統一しておくことが望ましいです。

つまり患者さんのメンテナンスの際、2度目以降のプロービング検査では1度目に使ったものと同じものを使うなどを日ごろから心がけましょう。

2.プロービングの目的

プロービングで得られる検査結果は口腔衛生環境のコントロールを考える上でとても重要な情報のひとつです。

まずはプロービングではどのような情報がわかるのかおさらいしましょう。

  1. ポケットの深さ(PD)
  2. 付着歯肉の測定
  3. BoP

この他にもアタッチメントロスなどの判定にも使われますが、プロービング検査によって得られるこの3つの情報によって「歯周病の治癒の測定」と「今後の歯周病の進行の予測」ができるという重要な役割を担っています。

*番外編* BoP(+)で考えられることとは?
プロービングをして出血をした部位に対してどのようなことが考えられるでしょうか?

実はBoP(+)、この出血には大きく分けて2つのパターンが考えられます。

まずはプローブを挿入した瞬間に血が出てくる場合。この場合は辺縁歯肉の炎症が原因だと考えられ、つまり歯肉縁上のプラークコントロールが不良であると考えられます。

このような出血がある際には来院時のPCRに惑わされないように注意して、患者さんのセルフケアの確認とTBIをしっかり行うと良いですね。

それ以外の出血がある場合は、ポケット内に炎症があるということが考えられます。ただし注意点として、プロービング圧が強すぎることが原因になって出血することがあります。

プロービング圧が強いためにポケット底部を突き破ると出血してしまいますので注意して見直してみましょう。

3.プロービングテクニック

測定には6点法を導入しているクリニックが多いのではないかと思いますが、たくさんの衛生士さんを見ていると、測定点がずれたまま計測している方を見かけます。

測定ポイントは下記に図示しますが、コンタクトに近い箇所での測定をお勧めします。

また、歯列不正の歯牙の場合はコンタクトぎりぎりのところで測定し、その所見(例:下顎舌側の歯石のため測定不能など)をきちんと記録しておくことが必要になります。

プロービングテクニック

プローブの測定ポイント

おさらいとなりますが、プロービング圧は一般的に25gです。プローブを歯(根)面に沿わせて辺縁歯肉の下へ挿入し、接合上皮に到達するまで静かに動かします。

下の図のように歯面に沿わせることを意識しながら行いましょう。

プローブの測定ポイント

① プロービング手技【前歯部】

② プロービング手技【臼歯部】

③ プロービング手技【左下舌側】

4.プロービングを行う順番

測定ができるのであればどのような順番でも構わないと思います。ご自身で一番やりやすい方法を見つけてくださいね。

今回は私がおすすめする、とってもやりやすい順番を2パターンご紹介します。動画で見てみましょう。

歯周治療ベーシックセミナー

第1回 歯科衛生士とは
第2回 プロービング編  
第3回 超音波スケーラー編
第4回 ルートプレーニング編
第5回 PCR編
第6回 PMTC編
第7回 ミラーテクニック編