歯科に役立つヨーロッパでのメディカルアロマ 第5回

皆さん、こんにちは。メディカルアロマスペシャリストの大工原忍です。

今回で5回目のメディカルアロマのお話です。前回に続き、実際に歯科分野に役立つメディカルアロマのお話をしたいと思います。

前回まではこちら

第1回 メディカルアロマテラピーとは
第2回 メディカルアロマの効能と選び方
第3回 メディカルアロマの特徴と歯科恐怖対策アロマ
第4回 歯科分野で役立つアロマ Part1

歯科分野で役立つアロマ Part2

精油には、鎮痛作用のあるものが沢山あります。

その中にも種類があり、経皮による鎮痛作用のある芳香成分もあれば、鎮痙攣からの鎮痛作用があるもの、抗炎症からの鎮痛作用がある精油もあります。

以前もお話しましたが、精油は親油性で分子量が小さいため、体に塗布すると表皮を通過して真皮に入ります。そして真皮の中の毛細血管に入り、全身に行き渡るといわれています。

精油が行き渡る仕組み
精油が行き渡る仕組み

鎮痛作用を目的として使用する場合は、ジェルなどで希釈し、患部に直接塗布します。

生理痛などでお腹が痛いときはお腹の上に塗布、肩こりで痛いときは肩こり部分に塗布、頭が痛いときはこめかみに塗布します。もちろん歯が痛む時も、患部に塗布です。

経皮吸収の場合、吸収されるまでに15分から20分かかります。
塗布してから痛みがやわらぐ間、手に付いた精油を鼻から嗅ぐことで、嗅覚からも鎮痛作用があります。

鎮痛作用のある精油で代表的なものは、ウインターグリーン・バジル・ローレル・ペパーミントです。
慢性的な鎮痛作用には、コーチゾン様作用*の精油を使います。

* 副腎皮質ホルモン コーチゾンが分泌された時と同じ状態にさせる作用。コーチゾンの分泌には、抗ストレス・抗アレルギー作用があります。

トリートメントに関係ある精油

トリートメントに関係ある精油
こちらに挙げたものは、歯科分野だけでなく、形成外科やリハビリなどでも使用する精油です。

口腔内で使う場合は味も大切なので、この中ではウインターグリーンが甘くておすすめです。サロンパスみたいな香りですが、実際に舐めてみると不思議と甘いのです。

メディカルアロマの場合、鎮痛として使用する際は、対処療法でなく、どんな経緯で痛みがあるかを考えます。組織の鎮痙攣なのか、抗炎症なのか、などを考え、それぞれに作用する精油を組み合わせて相乗効果を期待します。

それでは、実際に歯科分野で使用できるレシピをご紹介していきます。

歯科分野でのブレンド

歯科分野でのブレンド
歯痛に使用する場合は、鎮痛作用・抗炎症作用をブレンドします。セントジョーンズワートは、精油ではなく「キャリアオイル」といわれる植物油です。

植物油ですが、そのもの自体にも抗炎症・瘢痕形成・鎮痛・うっ血除去作用があります。

そこに鎮痛作用のあるバジル・ローレル・アルベンシスミント、抗炎症作用のあるカモマイルローマンなどをブレンドします。クローブは歯医者さんの香りといわれますが、麻酔作用があります。

もう1つのレシピは吐き気予防です。

こちらは、カモマイルローマンとペパーミントをブレンドし、舌の下に塗布します。歯型をとる時など、すべての吐き気に応用できますが、妊婦さんはケトン類のペパーミントが堕胎作用の禁忌になりますので、つわりにはあまり適していません。

このように実際にヨーロッパでは、歯科分野に取り入れられるレシピが沢山あります。

是非クリニックでもお試し下さい。

次回は口腔内乾燥についてもお話ししたいです。

歯科に役立つヨーロッパでのメディカルアロマ

第1回 メディカルアロマテラピーとは
第2回 メディカルアロマの効能と選び方
第3回 メディカルアロマの特徴と歯科恐怖対策アロマ
第4回 歯科分野で役立つアロマ Part1
第5回 歯科分野で役立つアロマ Part2
第6回 口内炎の万能薬 ローレル
第7回 細菌性感染症に効くクローブ
第8回 外科処置後の青あざにはヘリクリサム