皆さん、初めまして。メディカルアロマスペシャリストの大工原忍です。
メディカルアロマテラピーという言葉はご存じでしょうか?
200万年の歴史の中で、人は植物と共に生きてきました。
古代エジプトでは、宗教儀式や治療・ミイラを作る時の防腐剤として、伝統的なインド療法では伝染病や治療に。
またギリシャでは、医学に父と言われたヒポクラテスが病気に罹患したら祈祷していた時代に多くの薬草を栽培し、薬草として用いていたといわれています。
今アロマテラピーというと、リラクゼーショやマッサージをイメージする方が大半だと思われます。
アロマテラピーとは、アロマ=芳香、テラピー=療法、の芳香療法の意味。
植物から抽出した精油の芳香成分を利用して、心をリラックスさせたり、不快な症状を和らげたりします。
メディカルアロマテラピーとは、概知のアロマだけでなく、アロマのエッセンシャルオイル(精油)の内容成分が化学的・生物学的に証明され、効果も実証されたものです。
メディカルアロマテラピーの先進国フランスでは一部保健医療として、経口・座薬・皮膚塗布などで日常生活に用いられています。
また精油を吸入・塗布後、数分で精油の芳香分子が血中に確認されたことも実証されています。
香りは体の中へ
足がなく、自分では天敵から逃げる事の出来ない植物は、香りの成分で自らの身を守るため、抗菌作用・駆虫忌避作用など様々な芳香成分の作用を持っています。それを取り出したのがアロマの精油です。
アロマといえばリラックスと思われがちですが、全ての精油には抗菌作用があります。
私がメディカルアロマをやり始めたきっかけは、まだ治療薬のない10万人に1人かかる空気中の常在菌が肺に入る非結核性抗酸菌症という肺の病気になってしまった時のことでした。
治療の途中、強い抗生物質で悪化してしまったのですが、メディカルアロマを経口・座薬・塗布を試したところ、見事に完治しました。
この助かった命で、多くの人の健康の手助けが出来ればとヨーロッパで学び、教える事をしています。
また、精油は抗生物質と異なり、耐性菌にも効果が期待できます。悪玉菌だけを叩くので、腸内細菌叢も悪くしないと言われています。
私はフランスでは処方箋扱いとなっている、飲用できるメディカルグレードの精油を薬剤師から輸入しています。
また、実際にフランスの歯科クリニックにて、その精油を取り扱っているところも見学させていただいており、そこでは患者様の満足度も上がっているようです。
日本では、治療としてのアロマはまだ難しい分野ではありますが、アロマは抗菌作用があるので、インフルエンザ・風邪などの院内感染予防にも効果が期待できます。
また、嗅覚が脳と直結しているように、アロマの香りは直接脳に働きかけます。
何年も歯医者に行けず虫歯などが進行してしまっている方の中には、歯だけでなく、精神的な疾患やパニック症のある方も多いのではないでしょうか?
また時には癇癪持ちの小さなお子さんも、治療にいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな時、香りは優しく脳と心に働きかけてくれます。
現代社会では、目に見える症状だけでなく、西洋医学では解決の難しい心の病も増えていて、これらを癒すことはとても重要です。
私はアロマを活用して、患者さんが行きたくなる、おもてなしの歯科クリニックになるように、少しでもお手伝いができればと思っています。
歯科に役立つヨーロッパでのメディカルアロマ
第1回 メディカルアロマテラピーとは
第2回 メディカルアロマの効能と選び方
第3回 メディカルアロマの特徴と歯科恐怖対策アロマ
第4回 歯科分野で役立つアロマ Part1
第5回 歯科分野で役立つアロマ Part2
第6回 口内炎の万能薬 ローレル
第7回 細菌性感染症に効くクローブ
第8回 外科処置後の青あざにはヘリクリサム